本・書籍
2018/12/13 21:45

観光客ばかりの場所へ行くだけが旅行じゃない! のんびりゆったり楽しむ旅のススメ。

あなたは今年、旅行へ行きましたか?

 

楽しい旅行の思い出が作れた方、忙しくてどこにも行けなかったよという方、年末年始に旅行を計画されている方も多いかもしれませんね。私は2018年に初の海外! ハワイに行き、夏は初の琵琶湖へ行き、実家がある岩手県でもあまり訪れたことのなかった二戸市に行ったり「初めて」の場所へ行くことができ楽しい1年になりました。

旅行というとどうしても「観光しなきゃ!」という気持ちになりがちですが、『来ちゃった』(酒井順子、ほしよりこ・著者/小学館文庫)に掲載されている場所は人気観光地よりも渋くてちょっぴり地味な街。「どこへ行っても観光客ばかりで疲れちゃったわ」という人のために、『来ちゃった』で紹介されている旅先の中から「わぁ〜めっちゃ行きたい」と思ったコースを勝手にご紹介しちゃいます!

 

 

改めて東京を再発見できる「はとバスの旅」

東京は観光地ばかりでどこに行ったらいいのかわからない! という方にオススメなのが『はとバス』。いきなりメインの観光地じゃないか! と思う方、すみません。でも東京って「遊んで散財する街」なイメージで、のんびりするということはあまりないのではないでしょうか? それに東京に暮らしている方って実はちゃんと観光したこともないので、バスガイドさんに東京豆知識を教えてもらえるというのも魅力のひとつですよね。本書で紹介されているのは「東京半日Aコース」なのですが、このコースでは、東京駅からスタートし、皇居・浅草・東京タワーをめぐる老舗コース。バスの車内ではこんな会話もあるようですよ!

 

丸の内のオフィス街を通りつつ、

「三菱が原と言われていたこの辺りは、”一丁ロンドン”と言われるロンドンの街を模した街づくりがなされました」

というガイドさんの説明を聞いていると、ますます気分は盛り上がってきて、間もなくバスは、皇居に到着。

(『来ちゃった』より引用)

 

一丁ロンドン! 知らなかった〜。今もこのコースはあるのかな? と調べてみると……クーポン等もついておとな5700円/人でありました! 「自分でも同じコースいけるよ」なんて思っちゃいましたが、5時間かけてのんびりバスに身を委ね、いつもと違うバスの目線から東京を再発見してみるのも良いかもしれませんね。

 

「東京半日Aコース」はこちら

https://www.hatobus.co.jp/dom/feature/short/

 

 

今でも寅さんは加計呂麻島にいる?

寒い日が続くと、年中半袖短パンでいられるような南国が羨ましく感じる、今日この頃。私が「日本の中での南国」と聞いて思い浮かぶのが、寅さんがリリーと過ごした奄美大島なのですが、みなさんはいかがでしょうか?

 

奄美大島にある加計呂麻(かけろま)島は、人口1300人ほどの小さな島なのですが、実はここ「男はつらいよ 寅次郎紅の花(第48作)」のロケ地のひとつ。渥美清さんが演じる寅さんの最後の作品でもあります。そんな最後のロケ地には、こんな碑もあるんだとか。

 

諸鈍の浜には、山田洋次監督の言葉が刻まれた「寅さんは、今」という碑があります。そこには、

「寅さんは居なくなったのではない。我等が寅さんは、今も加計呂麻島のあの美しい海岸で、リリーさんと愛を語らいながらのんびり暮らしているのだろうーーきっとそのはずだ、とぼくたちは信じている」

と彫ってありました。

(『来ちゃった』より引用)

 

泣けるぅー!

 

来年の年末には「男はつらいよ おかえり、寅さん(タイトル仮/第50作)」が公開される予定ですが、その寅さんがもしかしたら加計呂麻島から柴又に戻ってくるのかしら? なんて想像を膨らますだけでも胸が熱くなっちゃいますよね。

 

 

岡山県の湯原温泉×人間ドック?

「あぁ〜今年も健康診断しなかったな」

 

年末になるといつもそう思ってしまうのが、個人事業主として働いている私の悩みです。会社員として働いている時には、無料で年に一度見てもらえて当たり前! なんて思っていましたが、健康診断ってこんなにありがたいことだったのですね。自分でやろうと思ったら数万円くらいかかっちゃうからついつい後回しになってしまうんです。でも『来ちゃった』で紹介されている温泉と人間ドックがセットになっているプランはとっても魅力的で、行きたいと素直に思ったのです。

 

しかし私も、そろそろ定期的な検診が必要なお年頃。そんな時に発見したのが、岡山県の湯原温泉がやっているという、温泉と人間ドッグをパッケージにしたプランなのでした。わざわざ病院に行くのは面倒だけれど、その行き先が岡山くらい遠くになれば「ざわざわ」高じて旅となる。

(『来ちゃった』より引用)

 

確かに。『来ちゃった』の原稿が雑誌に連載されていたのは、2007〜2010年なので10年たった現在ではこのようなサービスをやっている温泉地も増えてきましたが、改めていいサービスですよね。来年はこんな旅もしてみたい! さっそくググってしまった私なのでした。

 

 

「映える」場所へ行くより、自分の気持ちが満たされる場所に行きたい

旅行というと、ついつい派手な方向にいきがちですが、『来ちゃった』を読んでいると自分の直感を信じて行動していたり、当たり前な喜びを痛感できたり、しっかり休む幸せを感じられたり、「あ、旅行ってこんなもんがいいのかも」と思ってしまうのです。

 

写真映えするスポットに行って、誰かのために「映える」場所へ行くよりも、自分の気持ちに正直になって心が満たされるような体験をしたいという人が今後増えていくだろうとも感じました。10年前に連載されていたものですが、ここに紹介されている地域は渋くてちょっぴり地味が故に今でも変わらぬ景色を見せてくれるのでは? とも感じます。新しくて時代の流れに合わせて変わっていくことも大切ですが、いつ行っても同じ場所に旅行へ行ってしみじみできる旅行を来年はしてみたいなと思うのでした。まずは人間ドックと温泉がセットになった場所探さねば!(笑)

 

【書籍紹介】

「来ちゃった」

著者: 酒井 順子, ほし よりこ
発行:小学館

行った先ではリュックひとつ背負って、灼熱の太陽に焼かれながらサトウキビ畑のなかで自転車をひたすらこいだり、藁ぞうりに白手袋をはめ、ロープにつかまって岩をよじ登ったり、船酔いで顔面蒼白になったり――いろんな意味で「来ちゃった…」とぽつり、つぶやいてしまうような、近くて遠い国内旅35+海外2か所、計37の旅の記録を1冊に詰め込み人気を博した単行本が文庫になりました。文庫化に際し、2015年に旅したばかりの「インド マハラジャ・エクスプレス紀行」もあらたに収録。あたりまえの観光地を訪ねる旅にはもう飽きてきた大人女子の皆さん、今度はこんな渋い目的地へ、ゆるーい旅をしてみませんか?

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