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クレカ
2025/4/28 19:00

いまからでも遅くない「クレカ見直し&ポイ活」! トクするために押さえたいキャッシュレスの基礎

新生活がはじまる季節。就職や転勤などで環境が変わるとともに、なにかと出費がかさむこの時期だからこそ、クレジットカードを見直したり、ポイ活をはじめたり、いま一度キャッシュレスをチェックしておトクをつかみ取ろう!

便利でおトクを追求し、キャッシュレスの進化は続く

「キャッシュレス後進国」といわれ、諸外国に後れを取っていた日本のキャッシュレス普及率。政府は2025年に40%を目標に掲げてきたが、それはクリアできそうな見方が強まってきた。

 

今年1月にMMD研究所が行った調査「直近1か月で普段利用している支払い方法」(下表)では、現金に次いでクレジットカード、コード決済、電子マネー、デビットカードという結果に。複数回答を加味すれば、キャッシュレス併用派が半数以上いることは明白だ。

このように、我が国のキャッシュレス比率は確実に高まっており、今後ますます普及する。そんな時代に乗り遅れないよう、ここでキャッシュレスを見直そう!

 

[おもなキャッシュレス決済]

【クレジットカード】限度額が高く、高額決済も可能なキャッシュレスの雄

基本は後払いで、カード会社が定めた限度額以内であれば、現金が手元になくても決済可能。ポイントプログラムが充実しており、ポイント還元率が高く、付帯サービスや保障も手厚い。

 

【ココがPoint】自分が求める要素を十分に考慮して選ぼう

手軽に使いたいなら、維持費がかからない「年会費無料」カードがオススメ。上質なサービスや保障、ステイタスを求めるなら上級カードを。

 

【スマホ決済】ちょっとした買い物の支払い時、小銭感覚で気軽に使える

QRコードやバーコードをレジで提示したり、店のQRコードを読み取ったりして決済する。多くが「○○Pay」というサービス名で、導入が簡単なうえ、小銭感覚で使える利便性で人気に。

 

【ココがPoint】普段使いでポイントを貯めて必要に応じて支払いに充当

コンビニやスーパーなど、来店の機会の多い場所で日々ポイントが貯められる。貯めたポイントは支払いに充当できるので、ムダなく使える。

 

【電子マネー】タッチするだけで決済でき、ポイントもしっかり貯まる

カードやスマホをタッチするだけで素早く決済ができる。Suicaなど事前にチャージが必要なプリペイド型(前払い)と、iDなど、クレカと紐付けして使うポストペイ型(後払い)がある。

 

【ココがPoint】使う場所に合わせて賢く使い分けよう!

多くはICカードとアプリで利用可能。nanacoなど流通系、Suicaなど交通系、iDやQUICPayのクレジット系があり、上手に使い分けたい。

 

[ポイントの貯め方・使い方]

 

ポイント経済圏を上手に活用するのが、いま流!

さらに市場規模は拡大し、選択肢が増えていく

昨今、テレビやネットなどのキャッシュレス関連のニュースで、「ポイント経済圏」という言葉を見たり聞いたりする機会が増えた。これは、企業が独自のポイントを流通させて、そのポイントを通貨として用いて関連グループ内で“経済を完結させる”ことで、利用者を囲い込むという戦略だ。

 

現在日本では、「楽天ポイント」「PayPayポイント」「Vポイント」「dポイント」「Pontaポイント」「WAON POINT」が“6大ポイント経済圏”を形成(下表参照)しているが、いずれも消費者にとって魅力的な仕組みといえる。たとえば、楽天経済圏では、楽天市場や楽天カード、楽天銀行などのサービスを利用することでポイントが貯まり、そのポイントを楽天グループ内の様々なサービスで利用可能。これにより、消費者はひとつの経済圏内で多くのサービスを利用し、ポイントを効率的に活用できる。

 

また、企業側にもメリットは大きい。ポイントプログラムを通じて顧客のロイヤルティを高め、リピーターを増やせる。さらに、ポイントデータを活用して顧客の購買行動を分析し、マーケティング戦略を最適化することも可能だ。

 

ポイント経済圏は今後も拡大し続けると予想されており、2028年には日本のポイントサービス市場規模が約3兆3千億円に達すると見込まれている。そのなかで特に注目されるのは、「ポイント運用サービス」。ポイントを貯めるだけでなく、投資や運用に活用する動きが広がっている。

 

このように、今後さらに成長が期待される経済圏。これを上手に利用すれば、おのずとおトクがついてくる。

 

【クレカのプロ、大澤日出男さんのアドバイス】
経済圏に飲み込まれることなく、賢く利用することが重要

「経済圏は企業に“取り込まれるもの”ではなく、利用者が“活用するもの”と考えれば、より大きなメリットを得られます。市場のシェア争いが激化している時期は、特に企業が大盤振る舞いを行うため、その初期段階に積極的に参加してポイントを稼ぐのは有効な戦略といえます」

 

●大澤日出男:「GetNavi」連載「GetNavi Money」キャッシュレスパートのご意見番。ウェブメディア「クレジットカードDB」を運営する。

 

6大ポイント経済圏

1)楽天ポイント(楽天)

多様なサービスを網羅し、いち早く経済圏を構築

買い物、旅行、銀行、証券など複数サービスを利用すると楽天市場での還元率がアップ。おトクなキャンペーンを利用して、ポイントを効率的に貯めて使いやすい。

 

2)PayPayポイント(PayPay)

コード決済の利便性を広め、キャッシュレス普及に貢献

大規模なキャンペーンで注目を集めるとともに、コード決済の利便性を世に知らしめた。利用額に応じてポイントが貯まり、多彩なキャンペーンも定期開催される。

 

3)Vポイント(三井住友フィナンシャルグループ)

Tポイントとの合併で日本最大規模に拡大

昨年Tポイントと統合し“新生Vポイント”として誕生。三井住友カード、三井住友銀行、Oliveフレキシブルペイなど、複数のサービスを利用することで効率的に貯められる。

 

4)dポイント(NTTドコモ)

ポイントを中心に多様なサービスを展開

NTTドコモが提供するサービスを連携。dポイントを中心に、携帯電話サービス、インターネット回線、キャッシュレス決済、オンラインショッピング、金融サービスなどを展開する。

 

5)Pontaポイント(au)

au PAY機能を備えau PAYでの決済も可能

ロイヤリティマーケティングが提供するポイントサービス。2020年、au WALLETポイントと統合した。アプリ内にau PAY機能を搭載し、au PAYのコード払いが可能。

 

6)WAON POINT(イオン)

流通系巨大企業が展開するネットワークを支える

流通、金融、モール運営、飲食、レジャーなど、イオングループは多角的なサービスネットワークを展開。WAON POINTは、同社のポイントプログラムだ。

ポイントサイト やポイ活アプリ で“稼ぐ”という手もアリ!

【ポイントサイトとは?】ネットの買い物や案件クリアだけで簡単に稼げる

ネットショッピングの利用や旅行予約、アンケート回答ほか、様々な案件をクリアすることでポイントを稼げる。貯めたポイントは好きなポイントやマイル、現金などと交換できる。

 

カード発行や口座開設など高還元な案件が多数並ぶ

モッピー

累計会員数1200万人超のポイントサイトの代表格。商品購入や広告視聴、アンケート回答などでポイントが獲得でき、貯めたポイントは現金や電子マネー、各種ギフト券に交換可能だ。

 

【ポイ活アプリとは?】ちょっとした空き時間にスマホで簡単に小遣い稼ぎができる

スマホでポイ活ができるアプリ。アンケートに答えたり、広告を見たり、歩数を計測したりしてポイントを獲得し、貯めたポイントはギフト券や現金、提携ポイントなどに交換できる。

 

毎日アンケートに答えるだけ。コツコツ型のポイ活アプリ

マクロミル

国内最大級のアンケートサイト(アプリ)。毎日1〜10件のアンケートに回答した報酬としてポイントがもらえる。貯めたポイントは最低300ポイントから商品や現金などと交換可能。

 

※「GetNavi」2025月5月号に掲載された記事を再編集したものです。