これから夏休みで、家族で外出する機会も増えるかと思います。そんな時「水族館に行こう!」という方も多いはず。視覚的にも、体感的にも涼しいですし。さて、水族館に行くと、鮮やかな魚や美しい水槽が目を楽しませてくれます。しかし、いざ撮影しようとするとガラスに反射したり、魚や動物がぶれたり…失敗ばかり。館内が薄暗く、動きの速い魚を撮るのは、実は難しいんです。今回は、水族館撮影でよくある4つの失敗と、その解決方法や撮影テクニックをご紹介いたします。
水族館での撮影は、「暗い」「動く」という撮影の難点が2つも含まれる。フラッシュの使用が禁止されているので、カメラの設定を全自動のままで撮ると、被写体がぶれたり、暗く写ってしまったりする。またガラス越しという環境なので、映り込みも多発。休日は混雑しているので、人が画面内で見切れてしまうことも多い。
水族館での撮影でよくある失敗③
水族館の雰囲気が出ない
青い水の中を泳ぐ幻想的な姿に引かれてシャッターを切ったのに、なんだか色味が違う。ホワイトバランスがオート設定では、思うような色味にならないこともある。
解決方法! ホワイトバランスの設定を変えて求める色合いにする
水槽自体がくすんだ色だと、オートで撮ったときにきれいな青色にはならないことがある。そんなときは、ライブビュー画面を見ながらWBの設定を変えると、写さずとも色の変化がわかる。加えたいのが青みなら「電球」モード、オレンジなら「くもり」や「日陰」を選ぶといい。
WB/電球
ホワイトバランスを「電球」モードにした。オレンジ色の照明を補正するモードなので青みが加わる。これを水槽で使うと青色フィルターの役割を果たして青色が増し、透明感のある仕上がりにできた。ただ水槽ごとに照明は異なるので、撮影後の確認は必要だ。オート、晴天、電球、曇り、日陰と設定を変えてみよう。
50ミリ相当 絞り優先オート(F4.4 1/15秒) -1補正 ISO800 WB:電球
△WB/オート
○WB/日陰
魚の色や水槽の照明によっては青味を抜いたほうがきれいに仕上がることもある
上記のように、WB「電球」にすれば必ずきれいな色に写るとは限らない。上の写真では、オート設定だと青みがかり、黄色い魚が緑色っぽく写ってしまった。ベストだったのは赤みが増す WB「日陰」で、クリアな黄色が得られた。
水族館の撮影に限らず、色味の調節で、写真の印象がガラッと変わります。ホワイトバランスを、適宜調整しながら、幻想的な一枚を撮影してください。
写真・解説/吉住志穂