高層ビルやシンボリックなタワーなどのランドマークから路上や路地といった街の情景まで、都会ならではの被写体の撮影方法を、これまでたくさんご紹介しておりますが、今回は、撮影時のカメラの設定やレンズの選び方、太陽光の撮影での取り入れ方など、基本的なテクニックやコツをご紹介いたします。
滝や噴水などで、絹のように水の流れが写っている写真や、水のしぶきなどをピタッと止めて写した写真を見たことはないでしょうか。これらはシャッター速度の選択によって可能になる、肉眼では見ることのできない、写真ならではの表現です。シャッター速度は「1/○秒」と表されます。選択できるシャッター速度の範囲はカメラによって異なりますが、基本的には、シャッター速度を1/500秒や1/2000秒などと速くするほど、動いているものをピタッと止めて写せます。水のしぶきを止めたり、走っている車や電車などをぶらさずに撮ったりすることも可能です。反対に、1/15秒や1/2秒などとシャッター速度を遅くするほど、動いているものがぶれて描写されます。こちらは流れる水を滑らかに写したり、草花を揺らして風を表現したり、車のライトの軌跡を撮ったりするときに有効です。
●シャッター速度の選択で動くものの描写が変わる
絞りを開ける
流れを写し止めたいときは高速シャッター
噴水を1/1000秒で撮影すると、水しぶきの一粒一粒が止まって写った。水の流れの速さや使うレンズによって、動きが止まるシャッター速度は変わる。
絞りを絞る
流れを滑らかに写したいときはスローシャッター
同じ噴水を1/15秒で撮影。こちらは水の流れがつながって写った。1秒など、もっと遅いシャッター速度にすると、絹のような滑らかな流れに写る。
1/15秒でランナーをぶらして走っている躍動感を表現
カメラを三脚に添えて、ランナーを1/15秒のシャッター速度で撮影した。足先などの一部分を残しながら、体の大半が大きくぶれて写り、動感が生まれた。この際、中途半端なブレでは単なる失敗に見えてしまうので注意が必要だ。
動きものの撮影では、シャッター速度の調節がポイントになります。撮影イメージに合わせて、シャッター速度を設定しましょう。仕上がりイメージが湧かない場合は、様々な設定を試してみるのも良いでしょう。自分の好みが確認できるし、撮影の練習にもなりますよ。