Lマウントを採用して鮮烈なデビューを飾ったパナソニックのフルサイズミラーレス機LUMIX S1/S1R。大注目の「フルサイズ画質」や、顔・瞳AFの性能はいかに? レンズシステムまで含めた「フル」の実力をポートレート撮影でチェックした。第5回は「レンズ」について見ていこう(全5回)。
パナソニック LUMIX S1/S1R 深掘りレポート
① 画質編 https://getnavi.jp/capa/report/296335/
② AF/連写編 https://getnavi.jp/capa/report/296387/
③ 手ブレ補正編 https://getnavi.jp/capa/report/296440/
④ 操作性/EVF編 https://getnavi.jp/capa/report/296487/
気合いの入り方が半端ない!高性能なフルサイズLUMIX レンズ
交換レンズは今回ボディと同時登場の3本をチェックしたが、1番目を引いたのは50mm。大きさには度肝を抜かれたが、絞り開放からのクリアでシャープな描写は、ルミックスのフルサイズシステムの決意を感じた。クラッチ機構によるMF操作も他社のバイワイヤ方式と比べると格段に操作感がいい。最新ながら、そのスタイリングや操作感には懐かしさすら感じてしまう新システム、これからどう発展していくのか楽しみだ。
LUMIX S PRO50mmF1.4
希望小売価格/285,000円(税別)
滑らかなボケ描写とピント部のシャープさを持つ高性能レンズ
F1.4として大きすぎるほどの前玉に驚愕。先端部のダブルガウス群を後半部の補正群で徹底的に補正するタイプの中でも、もっとも複雑な駆動系を持つビッグな50mm。フローティング機構も加わり、フォーカス群と合わせてリニアモーターとステッピングモーターのツインアクチュエーターで2つのレンズを別々に移動、最短撮影距離まで極めて高画質をキープできる。クラッチ機構によるMFはトルクの感触が抜群にいい。
↑フードは独特なカクカクした切れ込みがあるタイプ。鏡胴中ほどに絞りリングも備えている。
フワッと溶けつつキレよくクリアな描写
絞り開放からシャープで、軸上色収差はほぼ皆無に補正されている。ボケは前後とも弱いニジミを伴う見たことがないタイプ。キレとともに美しいボケで、絞り込み時の変化も大きく、その過程も楽しめる。
パナソニックLUMIX S1R LUMIX S PRO50mmF1.4 絞り優先オート F1.4 1/500秒 +1補正ISO100 WB:オート
LUMIX SPRO70-200mmF4 O.I.S.
希望小売価格/ 210,000円(税別)
優れた描写性能でポートレートや動きモノに活躍の1本
小三元F4クラスの70-200mmとしては、ちょっと大きめなデザイン。全長変化のない二段式のデザインで、MFリング部が太くなっているのが特徴。クラッチ機構も搭載、太さによりズームリングとの分離もよく、手探りでの操作性も非常にいい。光学式手ブレ補正(O.I.S.)機構搭載で、S1R/S1との組み合わせでDUAL.I.S.2で200mm端で効果が6段と、F4の暗さを十分カバーできる。インナーフォーカスにより、AFも非常に高速だ。
↑三脚座はアルカスイスタイプを採用。そのまま手に乗せても、感触はソフトで痛くない。
F4だがDUAL.I.S.2効果でスペック以上に使える望遠ズーム
大柄ながらS1Rとのマッチングがよく、取り回しやすい。解像感は申し分なく、ナチュラルで大きなボケはポートレートにも使える。動きながらの撮影でも、非常に高速なAFで対応できる。
パナソニックLUMIX S1R LUMIX S PRO70-200mmF4 絞り優先オート F4 1/400 秒 +0.7補正 ISO400 WB:オート
キットレンズの「寄れる」24-105mmや今後登場のシグマレンズなど楽しみの多いLマウント
Lマウントアライアンスから登場するレンズでは、2020年度中にライカが18本、パナソニックが10本以上、シグマは11本導入予定と、数年でかなりの充実ぶりが予測される。特にシグマは、すでに登場しているレンズのLマウント化ということでフットワークが軽そうだ。対応レンズならマウント交換サービスでL マウントに変更することもできる。
LUMIX S24~105ミリF4 MACRO O.I.S.
シグマ Lマウントレンズ
〈モデル〉モデル/真中 結(シェリーズ・エンタテインメント)