機材レポート

最高峰の576万ドットEVFはボケの見え具合も優秀だ! パナソニック「LUMIX S1/S1R」深掘りレポート④操作性/EVF編

Lマウントを採用して鮮烈なデビューを飾ったパナソニックのフルサイズミラーレス機LUMIX S1/S1R。大注目の「フルサイズ画質」や、顔・瞳AFの性能はいかに? レンズシステムまで含めた「フル」の実力をポートレート撮影でチェックした。第4回は「操作性/EVF」について見ていこう(全5回)。


パナソニック LUMIX S1/S1R 深掘りレポート
① 画質編 https://getnavi.jp/capa/report/296335/
② AF/連写編 https://getnavi.jp/capa/report/296387/
③ 手ブレ補正編 https://getnavi.jp/capa/report/296440/
⑤ レンズ編 https://getnavi.jp/capa/report/296511/

 

バランスを考えるとこの大きさも十分アリ

とにかくこの両機、まず話題になるのがその大きさだ。ミラーレス=コンパクトという印象を持たれやすいが、それを追わず、あくまでも現場での使いやすさを求めた形だ。こうなる気配はGH5系やG9PROからあり、本格的に使いこなす上位機種には、ある程度使いやすい大きさを持たせる、というコンセプトがあったのだろう。

 

実際に手にしてみての感想は、大きかったが操作はしやすいの一言。操作系の窮屈さがなく、自然に指がかかる感じ。グリップは少し太めで、指先の食い付く内側の空間がもう少しあればなど、細かな要望点は感じた。

 

ファインダー接眼部も大きく、EVFが見やすいばかりでなく、接眼部周囲が大きいので、ファインダーを見たときの遮光が必然的にしっかりなされ、撮影に集中しやすい。ファインダー内部の見えは、G9PROに比べ格段に向上し、歪みがなく、階調やピントの判断もしやすい。焦点距離表示なども便利だった。

 

非常に高精細な576万ドット有機EL採用の「EVF」

現行ミラーレス最高精細の576万ドットEVFはボケの見え具合も優秀だ

EVFとしては初めてUXGA(1600×1200= 576 万ドット)の0.5 型高精細有機EL を採用。フレームレートは120fps、表示タイムラグ約0.005秒と、その滑らかさは最上級。色合いも実写に近い印象だ。ファインダー光学系もブラッシュアップされ、歪みもなく隅々まで非常に見やすい。丸窓周囲のゴムはソフトで、眼鏡ユーザーも安心して使える。


 

 

さまざまなEVF表示機能

①焦点距離表示

ズーム使用時には、画面下部に使用する焦点距離のミリ数が1mm単位で表示される。もちろん、メニューでのオン/オフも可能。水準器表示もじゃまにならず、細いデザインに変更されるなど、表示オプションも多彩だ。

部分拡大

 

②倍率切り替え

基本的な倍率は0.78倍だが、表示モードをボタンひとつで3段階変更、最低0.7倍まで小さくできる。メガネ使用者には小さめ表示はありがたい。 

<0.78倍>

 

<0.74倍>

 

<0.7倍>

 

そのほかの操作性等のチェックポイント

【サイズ・重さ】このサイズ・重さは捉え方次第だが

フルサイズミラーレスとしては大きいことは否めないが、とはいえ一眼レフのミドルクラス程度のサイズ。対応レンズがおしなべて大型になりがちなところを見ると、バランスは悪くない印象だ。

 

【操作性】大柄なためボタン類は明快

余裕のサイズで、ボタン、ダイヤル類の感触、操作性はいい。ジョイスティックの操作感は特によく、測距点の斜め移動もOK。縦位置対応3軸チルト式モニターや、ボタンイルミネーションも便利だ。

 

バッテリー】巨大なバッテリーは安心感がうれしい!

かまぼこ形バッテリーとしては大きめだが、容量は3050mAhとニコンD5やキヤノンEOS-1 DX MarkⅡのものよりも大容量なのだ。バッテリーグリップ使用時には合計2 個使用できる。

 

 

〈モデル〉モデル/真中 結(シェリーズ・エンタテインメント)