ニコンミュージアムでは2018年10月2日(火)より、「試作レンズ」を一堂に集めた企画展を開催。1950年代から1980年代にかけてニコンが製作した一眼レフカメラ用試作レンズ約60本を展示する。
試作レンズは新たな機能や性能を試験、検証するために製作されるもので、その多くは役目を終えると一般に公開されることなく破棄される。本展では、開発者たちの努力と情熱の結晶と言える幻のレンズを、製品化に至らなかったものも含めて展示。さらに、その中の10本のレンズを最新ミラーレスカメラ「ニコン Z 7」に装着して撮影した貴重な写真も公開される。
「ニコン Z 7」に「マウントアダプターFTZ」を介して試作レンズ「Reflex-Nikkor 1000mm f/11」を装着。
■超広角レンズ試作
Nikkor-D 15mm f/4(1990年)
「ニコン F」用に開発。レンズ後部がカメラのミラーボックス内に入るため、ミラーアップして装着する。専用ファインダーは「ニコン F」のファインダーと交換式。未発売。
■魚眼レンズ試作
Fisheye-Nikkor 6.2mm f/5.6(1967年)
画角220度の円周魚眼レンズ。量産されたものの生産数はわずかである。
■ノクトニッコール試作
Nikkor 58mm f/1.2(1974年)
非球面レンズを採用した大口径比の標準レンズで、夜間撮影に適した「Noct(ノクト)ニッコール」の試作品。
■超高倍率ズームレンズ試作
Zoom-Nikkor Auto 35-400mm f/4.5(1973年)
標準から超望遠域までの10倍を超える高倍率ズームレンズ。専用のクローズアップレンズ装着可能。未発売。
■IF方式反射望遠レンズ試作
Reflex-Nikkor 1000mm f/11(1984年)
ピントリングを回しても全長が変化しないIF(Internal Focusing)方式を採用し、操作性向上と小型化を目指した反射式超望遠レンズ。未発売。
ニコンミュージアム企画展「幻の試作レンズたち ─ ミラーレスZ7がとらえた魅惑の描写」
会期 2018年10月2日(火)〜12月27日(木)
時間 10:00〜18:00(入館は17:30まで)
住所 東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟2F
アクセス JR品川駅 港南口から徒歩約7分、京急品川駅から徒歩約10分
会期中の休館日 日曜・祝日
入館料 無料
問い合わせ ニコンミュージアム(TEL 03-6433-3900)
〈文〉鬼沢幸江