オリンパスが、ミラーレスカメラ「OM-D E-M1X」のファームウェアVer.2.0を2020年12月3日に公開することを発表した。「インテリジェント被写体認識AF」に「鳥認識」を追加し、鳥の瞳を自動的に検出・追尾することが可能になる。
インテリジェント被写体認識AFに鳥認識を追加
「インテリジェント被写体認識AF」は、AI技術の一種である「ディープラーニング技術」を用いて開発されたAF機能。被写体を自動で検出して最適なポイントにフォーカス・追尾する。現在はモータースポーツ、飛行機、鉄道に対応している。「鳥認識」対応ファームウェアは、今冬の公開を目指して開発中であることが7月に発表されていた。
「鳥認識」では、カメラが自動で鳥の瞳・頭部・全身を高精度に自動検出してピントを合わせ続ける。鳥の瞳に対して優先的にフォーカス・追尾。瞳が検出できない場合でも、頭部または全身を検出する。撮影者と被写体の間に草木などの障害物があるような場面でも十分に効果を発揮する。
小型から大型までの多種多様な鳥に対応する。また、超望遠レンズを含めたすべてのM.ZUIKO DIGITALレンズ装着時にAFカバーエリア全域で検出。画面の周辺部でも鳥を検出できるため、より自由度の高いフレーミングが可能だ。
シャッターボタンを全押しする前の画像を記録できる「プロキャプチャーモード」との併用も可能。鳥の飛翔や捕食の瞬間など、撮影が難しいシーンでも決定的な瞬間を逃さず記録することができる。
その他の追加機能
■動画RAWデータ出力に対応
4K 30P / 25P / 24P、Cinema4K 24P動画をATOMOS社製HDRモニター/レコーダー「NINJA V」へ12bit RAWデータで出力することが可能になる。
■深度合成対応レンズ追加
カメラ内深度合成対応レンズに「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」を追加。対応レンズが11本となる。
■動画手ブレ補正の安定性向上
動画撮影時の手ブレ補正制御を見直し、パンニングした際でもブレが少なく、より自然な映像を記録できるように調整される。
■フォーカス距離指標表示の追加
MF時に、すばやくフォーカスの移動方向や位置の目安をつかむことができる指標の表示が追加される。
「E-M1 Mark III」「E-M1 Mark II」「E-M5 Mark III」もファームアップ
「OM-D E-M1X」に追加される機能の一部は、「OM-D E-M1 Mark III」「OM-D E-M1 Mark II」「OM-D E-M5 Mark III」にもファームアップで搭載される。いずれも、ファームウェアは2020年12月3日に公開予定。追加機能は以下のとおり。
■OM-D E-M1 Mark III
・動画RAWデータ出力に対応
・深度合成対応レンズ追加
・動画手ブレ補正の安定性向上
・フォーカス距離指標表示の追加
■OM-D E-M1 Mark II
・深度合成対応レンズ追加
・動画手ブレ補正の安定性向上
■OM-D E-M5 Mark III
・深度合成対応レンズ追加
・動画手ブレ補正の安定性向上
〈文〉佐藤陽子