2021年2月25日 (木) 〜28日 (日) にオンラインで開催されたカメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2021 ONLINE」(主催 : 一般社団法人カメラ映像機器工業会) が終了した。ライブ配信は終了しているが、主催者企画や出展社の各種セミナーなどのコンテンツは、3月31日までアーカイブとして公開されている。
会期中の登録来場者数は50,150人と、例年パシフィコ横浜で開催されていたリアルイベントの6万人台には届かなかった。 (2019年の来場者数は69,615人、2020年は中止)。時間や場所に縛られずに、自由にアクセスできるオンラインのイベントながら、思ったほど登録来場者数が多くなかったという印象だ。
■オンライン単独開催へ変更
新型コロナウイルス感染防止の対応により、やむなく中止となった「CP+2020」。2021年のCP+は、展示ホールとオンラインが複合した新しい形態で開催することを目指していた。しかし、新型コロナウイルス感染者数の再拡大により、パシフィコ横浜での開催を中止し、オンラインの単独開催とすることを2020年12月9日に発表した。展示ホールでの出展がなくなったことから、出展社数は20社に減少。さらに緊急事態宣言の発出で外出の自粛が求められていたことから、フォト・ヨコハマと関連するようなイベントなども行われなかった。
■少なかった新製品・参考出品の発表
出展各社は連日オンラインセミナーを開催し、多くの動画コンテンツを配信したが、新製品の発表や開発発表などはほとんどなかった。そうした中で積極的だったのが、リコーイメージングだ。ファクトリーカスタムモデル「J limited 01」の発売開始や「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW (仮称)」の開発を発表。さらに「PENTAX K-3 Mark III オンラインタッチ&トライ」コーナーを開設して、来場者を楽しませた。
新製品では、ソニーがフルサイズセンサーを搭載したシネマカメラ「FX3」を発表。サイトロンジャパンがLAOWAの開発中レンズを参考出品したことなどが注目された。
また、視聴者からの質問をオンラインで受け付けるシグマの「オンライン相談カウンター」、ケンコー・トキナーの「オンライン質問コーナー」といった新しい試みも行われた。ブースのカウンター越しに質問するように、気軽に質問してほしいということだったが、オンラインで定着するには、もう少し時間がかかりそうだ。
■注目される「CP+2022」
次回の「CP+2022」は、2022年2月24日 (木) 〜27日 (日) 開催予定。来年以降もCP+は、基本的にパシフィコ横浜での会場開催とオンラインの複合形態で開催していく方針を掲げている。しかし、新型コロナウイルス感染症の収束が世界規模で順調に進まなければ、リアルイベントの開催は一年後でも難しいかもしれない。
2020年末には、ドイツ・ケルンで開催されてきたカメラの総合見本市「フォトキナ」が、当面中止されることが発表された。これを受けてCP+は事実上、世界最大規模のカメラ機材ショーということになる。「CP+2022」がどういうイベントになるのか、どんな製品が登場するのか、今まで以上に世界中が注目する状況になっている。ちなみに、2022年の春節 (中国の旧正月) は2月1日だ。春節で止まった工場が順調に動き出し、世界中からの来場者を迎えることができるようになっていることを祈りたい。
〈文〉柴田 誠