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紙一重の接戦をソニーが制した! カメラグランプリ2021大賞は「α1」に決定

カメラ記者クラブが主催し、毎年4月から翌年3月までに発売されたカメラの中から最も優れたカメラを選ぶ「カメラグランプリ」。本年度は28機種がエントリー対象となり、49名の選考委員が投票にあたった。今年はソニーがいよいよフラッグシップを名乗るカメラを投入。昨年に引き続きソニーとキヤノンの一騎打ちとなった。

カメラグランプリ2021

■ソニー「α1」が接戦を制して大賞受賞

エース級のフルサイズミラーレス一眼が続々デビューしたこの1年。しかも同一メーカー内で大賞候補となりうるモデルが競合するなど、最後まで予想がつきにくかった今回のカメラグランプリだが、最終的にはソニーが満を持して送り出した「α1」がキヤノン「EOS R5」との接戦を制して大賞に輝いた。

これまでソニーのフルサイズミラーレスは連写速度や解像度など、分野別に特化した性能を持つ機種をそれぞれ用意し、どの機種にもフラッグシップを名乗らせることはなかった。しかし、ここに来てついにハイスペック全部盛りの真打ちを送り出し、見事「α1」が受賞した。

カメラグランプリ2021 大賞 得票結果 TOP5

■あなたが選ぶベストカメラ賞はキヤノン「EOS R5」

2位となったキヤノン「EOS R5」はAF性能を含めたトータル性能の高さ、さらに動画性能なども評価されていたが、あと一歩及ばず。一般ユーザーの投票で決まる「あなたが選ぶベストカメラ賞」として選出された。

■レンズ賞はリーズナブルな2本がガチンコ勝負

高価格&ハイスペックモデルの戦いとなったカメラと対照的に、「レンズ賞」はリーズナブル価格の2本がガチンコ勝負。例年「レンズ賞」はプレミアムなレンズが評価を受ける傾向があったが、今年に限ってはメーカー提案型の新しいコンセプトのレンズが選考委員にきちんと理解されたと見ていいだろう。

カメラグランプリ2021 レンズ賞 得票結果 TOP5

■10年ぶりにプリンターがカメラ記者クラブ賞を受賞

「カメラ記者クラブ賞」はキヤノン「RF800mm F11 IS STM / RF600mm F11 IS STM」、エプソン プロセレクション「SC-PX1VL / SC-PX1V」、ハッセルブラッド「907X 50C」が受賞。幅広い視点で選出されたことがわかる結果となった。

プリンターが「カメラ記者クラブ賞」を受賞するのは、カメラグランプリ2011のエプソン「PX-5V」以来となる。

カメラグランプリ2021 大賞

ソニー α1

カメラグランプリ2021 大賞:ソニー α1

これまでの二律背反を打ち破る革新的モデル
有効5010万画素の高解像度と、ブラックアウトフリーで30コマ/秒の超高速連写を両立し、従来の常識を超えたモデル。人物・動物に加えて鳥にも対応したリアルタイム瞳AFの実用性と、連写中の安定感が注目された。圧倒的に高いスペックを誇る唯一無二の存在であり、「今まで撮れなかったものが撮れる喜びがある」との評価が集まった。

カメラグランプリ2021 あなたが選ぶベストカメラ賞

キヤノン EOS R5

カメラグランプリ2021 あなたが選ぶベストカメラ賞:キヤノン EOS R5

高解像と連写性能を高次元でバランス
キヤノンのフルサイズミラーレス第2弾として高い注目を集めた同機が受賞。投票の際のコメントに「EOS 5系に相応しい万能感あふれる性能」「既存のミラーレスの概念を超えるAF性能」「瞳AFのすごさ」「8段分のブレ軽減、20コマ/秒など驚愕の進化」といった「EOS R5」の実力を高く評価する声も多かった。

カメラグランプリ2021 レンズ賞

パナソニック LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6

カメラグランプリ2021 レンズ賞:パナソニックLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6

「軽い」「広い」「高画質」な1本
広角端が24mmもしくは28mmから始まるレンズに比べ、20mmからスタートする点と約350gという軽量さで、“新しい標準ズーム”との声が集まった。最近のニーズである自撮りなどの広角域の使用比率が高い動画撮影のニーズとも好相性と評するコメントも寄せられた。

カメラグランプリ2021 カメラ記者クラブ賞

キヤノン RF800mm F11 IS STM / RF600mm F11 IS STM

カメラグランプリ2021 カメラ記者クラブ賞:キヤノン RF800mm F11 IS STM / RF600mm F11 IS STM

コンセプトとプライスに評価が集中
小型化に有利な沈胴機構を採用し、絞りユニットも省略するなど、必要十分に仕様を割り切ったチャレンジングな商品企画により、“小型軽量で低価格な純正の超望遠レンズ”という新領域を切り拓いた。キヤノンの写真に対する情熱や姿勢を表すレンズとして評価する声も多く集まった。

ハッセルブラッド 907X 50C

カメラグランプリ2021 カメラ記者クラブ賞:ハッセルブラッド 907X 50C

伝統と革新を巧みに融合
伝統のVマウントボディに取り付けられるデジタルバックと、最新のXシステムAFレンズを組み合わせる薄型ボディの組み合わせにより、多彩な使い方を可能とする点が高く評価された。タッチパネルを有効活用したGUIを含む総合的なデザインアプローチにも注目が集まった。

エプソン プロセレクション SC-PX1VL / SC-PX1V

カメラグランプリ2021 カメラ記者クラブ賞:エプソン プロセレクション SC-PX1VL / SC-PX1V

10年ぶりに出たフラッグシップモデル
“設置環境をそのままに一回り大きなプリントが得られる”というシンプルなメッセージや、新開発インクにより黒濃度や青の表現力が高まったことを評価する声が集まった。実用性を兼ね備えたプリントヘッド部分の照明など、作品制作の気分を高める演出を評価するコメントもあった。

■カメラグランプリとは?

「カメラグランプリ」は、写真・カメラ媒体が加盟するカメラ記者クラブ (2021年4月現在で7媒体が加盟) が主催し、カメラグランプリ実行委員会の運営のもと、選考委員を組織している。選考委員は、カメラ記者クラブ会員、加盟媒体の編集長もしくは代表者、外部選考委員、特別選考委員、特別会員のTIPA (欧州を中心とした24媒体およびカメラ記者クラブが加盟する写真・映像雑誌の団体) で構成。38回目の開催となる今回は、総勢49名が選考にあたった。

「カメラグランプリ2021」の選考対象は、2020年4月1日~2021年3月31日の1年間に日本国内で新発売された機種。もっとも優れたスチルカメラを選定して表彰する「大賞」、もっとも優れたレンズを選定して表彰する「レンズ賞」、カメラ記者クラブ会員の合議によって選定する「カメラ記者クラブ賞」、一般ユーザーの投票で決定する「あなたが選ぶベストカメラ賞」が設けられている。