機材レポート

“角砂糖3つ分”のウェアラブルカメラ「OPKIX ONE」レビュー! このサイズだからできる使い方とは?

今やスマートフォンは生活必需品となり、誰もが気軽に日常を写真や動画で記録している。そしてその記録をSNSなどでシェアすることが交流のひとつの手段ともなっている。その日常の記録をより素早く手軽に行えるのが、今回ご紹介する世界最小クラスのウェアラブルカメラ「OPKIX ONE」だ。

 

一見するとワイヤレスイヤホンが入っているっぽいケースだが、蓋を開けると小さなカメラ(この時点ではカメラかどうかすらよくわからないが)が2つ収納されている。カメラひとつの重量はわずか12g。大きさは角砂糖3つ分ほどの14.2×14.2×36mm。これは本当に小さくて軽い。持ったところで重さなどほとんど感じることはない。

 

マグネット内蔵&超小型軽量だから撮影方法いろいろ

カメラ本体にはマグネットが内蔵されており、金属部に簡単に付けられるので大掛かりな三脚なども不要。さらに各種アクセサリーマウントも同梱され、様々なシーンでの活用が考えられる。

よく使用する場所にフラットプレートを装着しておけば、マグネットで簡単に固定して使用できる。またネックレスに入れて首からぶら下げておけば、撮りたい瞬間を逃すことなく即座に撮影できるし、眼鏡型のアイウェアを使えば自然な一人称視点での撮影が可能だ。簡易的なセルフィースティックで自撮りしたり、リングを使えばペットの散歩や手元の撮影など面白い使い方もできそうだ。

 

繰り返しになるが、小さくて軽いのでどこにでも簡単に取り付けられるのがポイント。同じことを通常のアクションカメラなどでやろうとするとマウントや対応アダプタなどで大掛かりになってしまうし準備も大変。見た目もスマートとは言えないゴテゴテとした感じになってしまいがちだ。

 

自然な表情を撮影しようと思ってもカメラを向けると逃げられてしまったり、変に意識してポーズをとられてしまったりということがよくある。自然な様子を記録したい場合などにはさりげなく目立たないカメラというのは嬉しい。

 

記録される動画の解像度は1080×1080/30fpsの正方形(※)。なぜ正方形なのかと思うかもしれないが、これであれば90度/180度回転して固定しても問題ない。様々なマウントがあるからこそ、この正方形という画角が活きてくるのだ。

※11/11追記:アップデートにより、1920×1080/30fpsにも対応

 

カメラの内蔵メモリは4GBで約15分の撮影が可能。小型軽量なので稼働時間も限られているが、そのぶんカメラが2つセットになっているので切り替えて使用することができるということだ。もちろん2台同時に使用しても良いし、工夫次第で面白いものが撮れるだろう。

 

【動画アリ】実際に使ってみた

使用方法もとてもシンプル。エッグから取り出したら録画ボタンを押すだけ。ボタンもひとつしかないので初めて触っても間違えることはないし、録画中は前面のLEDライトが点灯するのもわかりやすい。撮影中はハッキリわかるほど光るので盗撮防止にもなるだろう。もう一度ボタンを押せば撮影終了だ。

ネックレスに装着して首からぶら下げておけば、撮りたいときに即座に撮影できる(動画24秒~)。

 

コンパクトなセルフィースティックに装着すれば自撮りの際も圧迫感のない適度な距離感で撮影できる(動画31秒~)。何故か反対側はスタイラスペンになっているが、ペンとして使用するにはちょっと大きすぎる気もする。

 

またリングマウントで指に装着して犬の散歩を撮影してみると、いつもの散歩がそのままコンテンツになるのは面白い(動画43秒~)。これならアーカイブとしても毎日記録することもできそうだ。こういったアーカイブ的な使い方では、長時間記録できないというのもかえって良いのかもしれない。

 

眼鏡型のアイウェアにはマグネットで左右どちらにも装着でき、ファッション性をそこねることなく一人称視点で撮影できる(動画54秒~)。今回使用したサングラスタイプだけでなく、普通のメガネのようなタイプも選択可能だ。ただし作例のように帽子をかぶっているとツバが映り込んでしまうこともある。まぁこれはこれで一人称ということがわかり易いので演出としても使えるかもしれない。

 

撮影した映像を見てみると、最新のアクションカメラなどと比べたらブレは多少気にはなる。その辺は用途としての割り切りが必要そうだ。

 

ちょっと変わった使い方として、小型軽量を生かして鉄道模型に乗せて撮影してみた(動画1分53秒~)。今回はとても簡易的にはなってしまったが、鉄道模型ファンであればすれ違いやトンネルを抜けるような迫力ある映像なども撮影できるだろう。ラジコンやドローンに載せてみても面白そうだ。

 

こうして撮影したデータはカメラの内蔵メモリーに記録される訳わけだが、ではどうやってデータを取り出すのだろうか?

 

実はそれもとても簡単。カメラをエッグに戻すだけで撮影データは自動的にカメラからエッグに転送され、同時に充電もされる(動画1分17秒~)。エッグ自体のメモリは14GBとあまり大きくはないが、専用アプリでスマートフォンとWi-Fiで接続すれば撮影データを転送することができる。その際にスマートフォンへ転送済みのデータはエッグから消去してしまえば、少ないメモリ容量でも問題なく使える。必要なカットのみを選択して転送することも、まるっと全部転送して空の状態にすることも簡単だ。

この作業が少し手間だと感じるかもしれないが、実際には撮ってその都度転送するのではなく、ちょっと休憩中にとか、1日の終わりにといった程度でも容量は足りることがほとんどだろう。エッグ自体もモバイルバッテリーで充電できるので、旅行などの外出先でもバッテリー切れの不安はない。

 

最後に特殊な撮影ということで、アイウェアの両サイドに装着して立体映像が撮影できないか試してみた(動画2分11秒~)。

結果としては素材そのままを横並びにしても視差が強すぎてピントが合わなかった…。これはどうやら平行ではなく若干開いてしまっていたようだ。それと眼鏡の両サイドということで瞳孔間距離よりも広くなってしまうので、近景の視差が強過ぎてしまう。

今回は無理やり視差を調整して立体視できるように編集してみたが、遠景はそこそこ良い結果となったが近景を立体視するにはちょっと厳しかった。角度を調整して帽子のツバなどに横並びで固定すれば、撮影後の調整不要で立体視できるかもしれない。

 

カメラ本体がとても小さいので、ピッタリ横並びで固定すれば視差を小さくできる。調整次第では数センチメートルほどの超近景の立体視撮影も可能になるのではないか。ただし結構手ブレするのでVRゴーグルなどで見るのは正直ちょっとキツかった…。以下の動画が、実際に撮影したものだ。

またこのような特殊な編集でなければ、専用アプリでのビデオ編集も可能だ。編集はトリミング、倍速、スローモーション、音入れ、フィルター、絵文字を入れたりといった加工が簡単にできる。

 

サッと撮ってスマホに転送。簡単に編集してSNSに投稿するという使い方が想定されるのではないだろうか。ほかにもアイデア次第でいろんな使い方ができそうだ。発売は2019年秋で、価格はオプションバンドルセットが49,800円(税別)となっている(※)。

※11/11追記:11/11より国内販売を開始。アクセサリ単体の購入も可能