パナソニック LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
絞り開放でも周辺減光は少なくピント面も安定した解像
テレ端開放で撮影。F1.7と開放F値が明るいので、屋外ではメカシャッター上限の1/8000秒を超えてしまうが、GH5IIやE-M1Xなどの機種は電子シャッターを使えば1/8000秒を超える高速シャッターが切れるので、NDフィルターを使うことなく絞り開放撮影が楽しめる。絞り開放でも周辺減光は少なく、ピント面にもにじみはなく、安定した解像だ。
後方微ボケがやや二線ボケ傾向
色づき始めたコキアで前後のボケをチェック。開放F1.7でもピント面はキリッとシャープで、にじみや解像の乱れもなく、解像度の高さをうかがわせる線の細い描写。後方の微ボケは少し二線ボケ傾向が見られるが、マイクロフォーサーズとしては被写界深度が浅いので、概ねフワッと柔らかくぼかすことができる。
大口径ズームの開放とは思えない近接撮影時の解像力
最短撮影距離はズーム全域で28センチなので、テレ端で撮影すれば換算100mmの画角で28センチまで近寄れる。しかも開放F1.7と明るいので、近接撮影時の被写界深度はかなり浅い。ピント合わせには苦労するが、ピントの合っている面はキレのよい解像で、大口径ズームの開放描写とは思えないほどだ。
暗所において速いシャッターが切れるのは強み
横浜関内の猫カフェMiysisにて。キャットタワーの下から覗き込むように撮影。開放F1.7と明るいので、あまり明るくはない室内撮影でもそれほど高感度にせずに、速いシャッターが切れる。ピントが合った目やヒゲはくっきり、それでいて猫のフワッとした毛並みの再現もうまく両立できている。
前後のボケに色づきはなくスッキリとした描写
ワイド端絞り開放で撮影。テレ側よりも被写界深度が深いとはいえ、開放F1.7でこの距離の撮影では、目にピントを合わせると鼻先はかろうじて被写界深度でカバーできるが、耳はわずかにボケ始めている。白い毛並みやヒゲの描写を見ればわかるように、前後のボケに色づきはなく、スッキリとしたボケ描写だ。
F5.6まで絞っても画質向上は少ないが高い解像を維持
熱帯スイレンの花と手前の葉っぱの両方を被写界深度内に収めるため、F5.6まで絞って撮影。開放絞りでも十分な画質なので、絞ったからといって急激に画質が向上するわけではないが、必要な被写界深度を得るためには適切な絞り値まで絞ることも大切だ。ただ、絞り過ぎるとせっかくの解像性能が低下してくるので、絞り過ぎには気を付けよう。
高い解像感と柔らかいボケが両立した描写性能
雨の植物園を散策。雨粒の付いた葉っぱがフォトジェニックだったので、適切な画角にズーム調整して、ポイントとなる一連の葉っぱがぼけすぎないように1段ちょっと絞って撮影。解像感の高さとボケの柔らかさが見事に両立していて、葉っぱや水滴の質感がリアルに感じられる。
速いシャッターが切れ、前後を大きくぼかせるのは強み
同じく雨の植物園で、雨粒に濡れた秋バラを撮影。花びらにクリスタルビーズを散りばめたようにキラキラと光ってキレイだが、実際はかなり薄暗く、どんよりとした小雨模様。しかし、開放F1.7と明るいので、基準感度のISO200でも速いシャッターが切れ、浅い被写界深度で前後を大きくぼかすことができている。
前後をぼかしたマクロ的な表現も可能
ハイビスカスの雌しべにピントを合わせようとしたが、開放F1.7の近接撮影は思いのほか被写界深度が浅く、狙っていたピント位置よりもわずかに後ピン気味。ただ、手前の雄しべの花粉にうまくピントが来ているので、全体のバランスとしてはまずまずの仕上がりだろう。このようにフワッと前後をぼかしたマクロ的な撮影も楽しめる。
MFTとしては巨大だがそれだけの価値はある
テレ端開放で最短撮影距離付近で撮影。花のどこにピントを合わせるべきか、泣きたくなるほど被写界深度が浅い。悩んだ末、黄色いシベにピントを合わせつつ、上の紫色のつぼみにもある程度ピントが来る角度を探して撮影した。マイクロフォーサーズとしては巨大だが、それだけの価値はあるレンズだ。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。