伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2023年12月号 アザーショット【前編】
第2世代へとリニューアルした「FE 16-35mm F2.8 GM II」と「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」。どちらのレンズも初代よりも小型軽量で、携帯性や機動力に優れ、描写性能に関しても進化を遂げている。この2本のズームレンズの描写力を、小型軽量の6100万画素モデル「α7CR」と組み合わせてチェックした。
前編では「FE 16-35mm F2.8 GM II」の描写力を実写作例で検証する。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2023年12月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- FE 16-35mm F2.8 GM II 実写チェック
- FE 70-200mm F4 Macro G OSS II 実写チェック
FE 16-35mm F2.8 GM II
[マウント] ソニーEマウント [最大径×長さ] φ87.8×111.5mm [重さ] 約547g [レンズ構成] 12群15枚 [最短撮影距離] 0.22m [最大撮影倍率] 0.32倍 [絞り羽根枚数] 11枚 [フィルター径] φ82mm
参考価格 346,500円 (税込)
パンフォーカス的に撮影するため絞りをF11に
山中湖花の都公園の赤ソバ畑。パンフォーカス的に撮影するため、ピント位置を画面中央よりも少しだけ手前にしてF11まで絞って撮影。それでもピクセル等倍では、一番手前と奥は微妙に解像が甘くなっているので、小絞りボケ覚悟でF16まで絞ったほうが良かったかも。16mmの画角で不用意にPLフィルターを使うと偏光ムラが出やすいが、このカットは光線の角度が適切だったので、青空の明るさを自然に落とすことができている。
微ボケ部分にざわつきは見られない
コスモスの密度が低くまばらだったため、きれいに咲いているコスモスを前景に、ローポジションで構え密集感を演出。風車もクッキリ見せたかったので、ピント位置は手前のコスモスにしてF16まで絞ってみた。後ろのコスモスは被写界深度外で微ボケになっているが、ザワザワしたボケではなく自然な奥行き感だ。
絞り開放の周辺部まで I 型より解像性能が向上
絞り開放の解像性能という点では従来の I 型でも大きな不満はなかったが、II 型はレンズが軽量になっているにもかかわらず、周辺の解像性能はさらに向上。6100万画素の高画素でピクセル等倍表示しても、キリリとシャープに解像していて、周辺の芝目や枝までくっきり再現されている。
画面内に太陽を入れた構図で攻められる
画面中央に晴天の太陽を入れて、コスモスの花をローアングルで撮影。従来の「FE 16-35mm F2.8 GM」は、周辺にアーク状のゴーストが出やすいのが弱点だった。しかし、II 型になって逆光耐性が向上し、強い逆光でもゴーストが出にくくなり、出たとしても小さく淡いゴーストで済む。安心して太陽など強い光源を入れた構図で攻められる。
ピントを合わせたパンパスグラスににじみはない
テレ端絞り開放でパンパスグラスを撮影。F2.8開放とはいえ、焦点距離35mmでは背景はそれほど大きくぼけないが、逆に何があるのかわかる程度にぼけるのがこのレンズの良さ。ピントを合わせたパンパスグラスの細い線はまったくにじみがなく、背景のボケも非常に自然だ。
後編では「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」の描写力をチェックします。
本記事で紹介していない実写作例と詳しい解説は『CAPA』2023年12月号でご覧ください。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。