応用テクニック①
ブレ表現を取り入れる
路上の撮り方でもスローシャッターによるブレ表現を紹介したが、もちろん路地を撮る際も有効である。生活道路である路地では、人や自転車をぶらして取り入れるといいが、それらは大きくぶらすよりも、被写体が何なのかわかるブレ具合のほうが路地の臨場感が引き出せる。なので、シャッター速度は1/15~1/60秒程度でよく、手持ちでも十分に撮影可能だ。
前ブレを入れて、画面に奥行きと迫力をプラス
高架下の路地に、赤い自転車が止まっていた。まずは、自転車と手前のマンホールでシンプルな構図を作る。これだけでは味気ないので、通過する自転車をぶらして取り入れる。ぶれたホイールの向こうに、赤い自転車が見える理想的な結果になった。
応用テクニック②
極端なアングルで路地を狙う
路地の写真でインパクトを出すのはなかなか難しいので、極端なカメラアングルで撮ってみよう。地面ギリギリのローアングルで狙うなら、周囲の状況を写し込める広角レンズがおすすめ。高台などから見下ろすハイアングルでは、望遠で路地を切り取るといい。どちらのアングルでも画面の中にきちんと主題を決めて狙うことが大切だ。
街が見渡せる高台から望遠レンズで路地を切り取る
街が見渡せる高台から、学校帰りの姉妹を狙って、望遠200ミリ相当で撮影。もう少しアップでも撮れたが、道や家屋の屋根が入ることでこの街の様子が伝えられると思い、この構図を選んだ。
カメラを地面に置いてローアングルで狙う
カメラを地面に置き、ライブビューで構図とピントを確認しながら、広角レンズで座るネコを撮影した。ネコに近づき表情を捉えつつ、広い画角によって路地の様子もわかる。見慣れないアングルによってインパクトも出ている。
路地の雰囲気を最大限に表現するために、極端なアレンジも時には必要になります。ホワイトバランスや、シャッター速度、アングルなどを調整しながら、大胆な演出を試みてみましょう!