特集

【滝の撮り方⑤】それぞれの滝の表情を最大限に引き出す“俺流”の切り取り方!

【分岐瀑】スローシャッターで優美さを表現するのが効果的!

岩肌を伝って流れる分岐瀑は、女性的な優美な雰囲気が感じられる滝だ。その雰囲気を出すためには、迫力の出る高速シ ャッターよりも、スローシャッターでの撮影が向く。全景はもちろん、分岐した水の流れと岩の表情が美しい部分に絞 って狙うのもおすすめ。

 

龍双ヶ滝(福井県池田町)

正統派撮影

道路のすぐ脇の断崖に架かる龍双 ヶ滝は、「日本の滝100選」にも選ばれた名瀑だ。この日は水量が少なか ったので、いちばん多く見える位置から撮影した。“正統派”的に撮るなら、滝の高さが伝わるよう、手前の緑をからめて縦位置で狙う。

こんな写真になりがち!
・ 水量が少ないときは滝の印象が弱くなりがち
・主役は滝なのか緑なのか、あいまいになりがち

この日の滝は水量が少なくイマイチだったので、滝は脇役にしてカツラの大木を全面に入れる

水量が少なく滝の印象が弱かったので、滝の左側にあったカツラの大木を主役にし、横位置で画面全面に木をフレーミング。滝は、流れの白い筋が木の隙間から見える程度に留めた。これにより、主題が何であるかはっきりと伝わる。水量や形がイマイチのときは、思い切って滝を脇役にするのも俺流の切り取り方だ。

24ミリ相当 絞り優先オート(F16 1秒) ISO50

 

天滝(兵庫県養父市)

正統派撮影

兵庫県の名瀑である天滝は落差98mを誇る分岐瀑だが、上部は直瀑のような形状をしている。滝の近くまで行けるので、広角~標準域のレンズで下から見上げるように撮ると、特徴的な滝の形状を見せられる正統派写真となる。ただし曇天時に見上げて撮る場合は、白っちゃけた空が入らないように注意しよう。

こんな写真になりがち!
・曇天時はスローシャッターとなり静かな写真になりがち
・バリエーションが作れずに一辺倒になりがち

光が乏しいと静かな写真になるので光が差したときに輝くしぶきをアップで狙う

曇天時は光が乏しいためスローシャッターになりやすく、引きでも部分アップでも静かな雰囲気の写真になりがち。この日は運よく、途中で日が差してきた。太陽が出ると自然と高速シャッターが切れるので、輝くしぶきをアップで狙い、高速シャッターで写し止める。このとき、しぶきだけでは画面が単調になるので、右側に岩を配する。迫力とリズム感が出て、俺流の“滝”写真に仕上がった。光があることで必然とバリエーション豊富に撮れる。

200ミリ相当  絞り優先オート(F2.8 1/250秒)  +1補正 ISO50

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5