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【都市情景撮影の基本⑧】ピントの合わせ方はいろいろ。どの方法を選べばいい?

高層ビルやシンボリックなタワーなどのランドマークから路上や路地といった街の情景まで、都会ならではの被写体の撮影方法を、これまでたくさんご紹介しておりますが、今回は撮影時の基本的なテクニックをご紹介いたします。

 

撮影:北村智史

 

都市風景は、自然風景と同じようにしっかりと構図を決めて撮る方法と、スナップのように出会った光景に瞬間的にカメラを向けて撮る方法という2つに大別できます。どちらの撮り方をするかによって、最適なピント合わせの方法も変わってきます。
前者では三脚を使うことが多いので、ライブビューを使ってピント位置を拡大表示させてピントを合わせるのが効果的です。この際、AFモードは「AF-S」、AFエリアモードは「1点AF」にすることで、静止している被写体なら確実に撮れます。後者では素早いピント合わせが必要になるため、フォーカスロック撮影がおすすめです。もしくは、 AFモードとAFエリアモードをともにオートにして、カメラ任せにするのも◎。広角~標準レンズを用いて少し絞りを絞って撮れば、広い風景や引いた光景なら、これで十分にピントが合います。

 

ライブビューを使ったピント合わせ

ライブビュー撮影は、画面の隅々まで確認しやすいのがメリットだ。この際、三脚を使うと、構図決定も厳密に行える。そのほか、画面上の広い範囲にAFが合わせられたり、画面の一部分を拡大表示してピントを合わせられたりできる。タッチ操作対応の機種なら、画面上の被写体にタッチするだけでピントが合わせられる。

 

狙った被写体を部分拡大して、正確にピントを合わせる

ライブビューでは画面の一部分を拡大して、正確なピント合わせが行える。静物で三脚を使って撮る場合などは、光学ファインダーのAFよりも、ライブビューで拡大表示しながらピントを合わせたほうが、断然に精度は高くなる。

 

フォーカスロック撮影

AFモード「AF-S」では、半押しをしてAF作動を行ってピントが合った時点で自動的にフォーカスロックが働き、ピントが固定される。これを利用した撮影法がフォーカスロック撮影。素早いピント合わせテクニックの基本的なもので、いちいち測距点を切り替えることなく、画面の中央以外の被写体にピントを合わせられる。

 

 

撮影:北村智史

選んだ測距点で半押ししてピントを合わせたのち構図を決めてシャッターを切る

汎用性の高い中央の測距点を選んだ場合、ピントを合わせたい被写体を画面の中央に置いて、シャッターボタンを半押ししてAF作動。フォーカスロック状態にしたら、シャッターボタンから指を離さずに意図したフレーミングに変え、そのまま全押しして撮影する。被写体により近い、中央以外の測距点を使ってもOK。

 

 

ピントの合わせる方法は、いろいろあります。ライブビューを使用したり、フォーカスロックでピントを合わせたり、撮影のシチュエーションに合わせて、ピントの合わせ方も選びましょう。