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【イルミネーション&ライトアップ撮影の実践③】光のカーテンで画面を埋め尽くそう!

冬は街にイルミネーションやライトアップされた被写体があふれ、カメラを向けたくなる季節。ここでは、それらをキレイに撮るためのカメラ設定や撮影機材などの基本知識から、ツリーやタワー、建物など、被写体ごとの対応法までを紹介。

基本編ではイルミネーションやライトアップの撮り方の基本を紹介したが、ここからは被写体ごとの細かな撮り方や注意点を解説。今回は「光のイベント」の前編。

 

 

【基本編】

1. 特別な機材は必要なし!使用機材はコレだ!
2. カメラ設定は試し撮りで適宜確認!
3. イメージ通りに仕上げるカメラ設定は?
4. 真っ暗?トワイライト?撮影のベストな時間帯
5. 華やかに仕上がる構図は空間の切り取り方で決まる!

【実践編】

1.「ツリー&オブジェ」の前編 ツリー&オブジェは前ボケでふんわり仕上げ

2.「ツリー&オブジェ」の後編 光り輝く華やかさは多重露出機能を使って演出!

 

画面が光で埋まるように切り取ろう

街中で見かけるイルミネーションに比べて、テーマパークや公園などで開催されているイルミネーションイベントは、規模や広さが盛大で豪華だ。園内はさまざまな被写体であふれているが、ここでは光のカーテン、光の絨毯、光のアーチの撮り方を解説する。これらは目で見ると華やかだが、撮ると単調になりがち。まずは画面を光で埋めてみよう。

 

撮影テクニック1

光のカーテンを撮るときはアクセント的な被写体を入れる

壁一面に彩られた光のカーテンは、見た目も鮮やかでとてもきれいだ。しかし、ただそれだけを撮っても、画面に光の粒々が広がっているだけで、平面的でつまらない。光のカーテンを撮る際は、手前を横切る人物などをアクセントとして入れて、画面に立体感とカーテンのきらびやかさを際立たせるのがコツ。また、せっかく壁一面のカーテンでも画面に暗い部分が入ってくると、華やかさは半減する。広角(標準)レンズで暗い部分が入ってしまうなら、望遠レンズを使って部分的に切り取り、画面いっぱいにイルミネーションを捉えよう。



離れた位置から望遠レンズで撮影。カーテンの前をカップルが通ったので、それに合わせて構図を広くしたら、端まで写ってしまった(△写真)。これではカーテンの印象が弱まる。暗い部分は極力カット。

ワンポイントアドバイス 01

光のカーテンや光の絨毯にもソフトフィルターは有効

ツリーやオブジェでソフトフィルターを使うと、光の粒がにじんで華やかに仕上がるが、光のカーテンや光の絨毯などでも同様の効果が得られて有効だ。上の○写真も悪くはないが、ソフトフィルターを使って点光源をにじませると、光が増幅し、またふんわり感が出て、より印象的な写真になった。

画面いっぱいをイルミネーションで埋めつくし、アクセントとして画面下にカップルを入れた。ソフト効果によって愛にあふれているような雰囲気が出た。

158ミリ相当 絞り優先オート(F5 1/25秒) + 1 補正 ISO800 WB:太陽光

 

 

ワンポイントアドバイス 02

シルエットを入れる場合は被写体のカタチがしっかりわかるように

シルエットはカタチをわかりやすく撮ることが肝心。なので、重なり具合やポーズにも気を配ってシャッターを切ろう。また人物の場合はぶらさずに撮りたいので、感度を上げて絞りは開放付近で、速めのシャッター速度に。
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4人のシルエットが重なってしまい、人物がはっきりとわからなくなってしまった。混雑している場所では注意して狙おう。