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【カメラ用語事典】ローキー

「ローキー」とは、通常は明るく写るはずの部分だけを残して、ほかは暗くしてしまうような写真のこと。ローキー写真、ローキー表現、ローキー描写、ローキー調などと使う。ローキーの写真は見る人に静寂感や重厚な印象を与え、この効果をうまく利用できれば、現実とは違う“写真ならではの表現”が可能になる。

ローキーは大幅にマイナスの露出補正をするなど、意図的に大胆な暗さに仕上げることで作り出すことができる。画面の最も暗い部分は黒つぶれを起こしたりするが、それも見越した表現なので、黒つぶれをしていてもあまり気にすることはない。

また、「ローキーにするにはアンダー露出に」といわれるが、これは間違い。アンダー露出は暗すぎの失敗を意味するのに対し、ローキーは意図的であって、絵づくりや作画のための適正露出である。

なお、ローキーとは反対に、通常は暗く写るはずの部分だけを残して、ほかは白くとばしてしまうような写真(表現)(描写)を「ハイキー」と呼ぶ。

 

このローキー写真はマイナス1.7補正して、暗がりに浮かぶ花を強調した。
 

 

ローキーは重厚な雰囲気が得られるだけではなく、被写体のカタチや色を強調できる効果もある。