シーンモードは、被写体やシーンに合わせてモードを選択するだけで、それに適した露出設定が自動で行われる機能。初心者向きの撮影モードで、複雑な設定をしなくても被写体に合わせて最適な撮影ができる。ただし、撮影者が任意で絞りやシャッター速度、露出補正、ホワイトバランスなどの設定を個々に変更することはできない場合が多い。
モードの種類や数、設定の詳細などはメーカーや機種によって異なるほか、最近は画像処理にも反映されるものがある。主なモードに「風景」「ポートレート」「スポーツ」「クローズアップ」「夜景ポートレート」などがある。
例えば、風景モードはピントの合う範囲が広く、緑や青の発色が鮮やかに、さらに遠くの景色を撮ることを前提としているため、フラッシュは発光しない設定になっている。ポートレートモードは絞り開放でぼかしやすく、ぶれないようにシャッター速度は速め、肌をきれに見せるため露出はやや明るく、少し赤みの強い発色になる。夜景ポートレートモードはフラッシュを発光させた上で、シャッター速度を遅くして露光時間を延ばし、人物だけでなく背景の夜景も明るく写る。
キヤノン EOS Kiss Mは撮影モードダイヤルにスペシャルシーン(SCN)が割り当てられており、流し撮りや美肌、料理、サイレントなど11のモードが用意されている。
Kiss Mのスポーツモード設定画面。動きが速いスポーツなどを撮るのに適した設定として、ISO感度を上げて、できるだけ速いシャッター速度になる露出をカメラが自動で選んでくれる。さらに、動体撮影に適したAIサーボAF(AF-C)や連写モードにも設定される。
Kiss Mのクローズアップモード設定画面。花や虫など、小さな被写体を撮るときに便利なモードだが、接写能力が上がるわけではない。マクロレンズなどを使って被写体に接近して撮るときに、絞りをある程度絞るなど最適な設定になる。