超音波モーターとは、超音波振動を用いてレンズを駆動するモーターのこと。回転数が低くても強い力が出せるので高速なAFが行えるほか、作動音が静かでスムーズなのが特徴である。また、AFでの合焦後にそのままの状態でMFでのピント調節ができる「フルタイムマニュアル」に対応しやすいなど、AF駆動用の動力源として理想的であることから、現在では多くのレンズに採用されている。
なお、超音波モーターを採用しているレンズには、各社独自の表記による記号が付加されている。オリンパスは「SWD」、キヤノン「USM」、ソニー「SSM」、ニコン「SWM」、シグマ「HSM」、タムロン「USD」「PZD」などである。
キヤノン EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMは、指先ほどの大きさの「ナノUSM」を採用。小さめのレンズを駆動するのに向く超音波モーターで、効率的なAF駆動が可能。動画撮影にも最適で、高速かつ静かなAFが行える。同社ではこのほかに、「リングUSM」と「マイクロUSM」がある。
ニコン製のレンズに組み込まれている通常タイプの超音波モーター「リングタイプSWM」(写真左)と、小型タイプの超音波モーター「小型SWM」(写真右)。