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【2022ベストバイ】あまり使わないだろうと思いつつ買った「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」が今やメインレンズに

世界的に波乱の年だった2022年。2023年こそは明るく楽しい写真ライフが実現できることを願って、プロ写真家の皆さんに「2022年に買ってよかったモノ」を一斉調査しました。さあ、どんなアイテムが出てくるかな?

上田晃司さんの2022ベストバイ「ニコン NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」

【2022ベストバイ】上田晃司さん

便利すぎて静止画でも動画でもメインレンズになった

2022年は写真撮影や動画撮影に関わるアイテムを多く購入した。「Hasselblad X2D 100C」やDJI「Mavic 3 Cine」&「Mavic 3 Classic」と「Osmo Action 3」、「GoPro HERO10 Black」などだが、その中でも役だっているのが、ニコンのZレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」だ。

本レンズは発表時はあまり使わないだろうと予約をしなかったが、仕事で使うことがあり、その魅力を知ってしまった。予約の際は人気すぎて、手に入れるまで3か月ほど時間を要した。

私は高倍率ズームレンズはあまり使わない派ではあったが、24-120mmは現在のメインレンズと言えるほど多用している。「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」よりも望遠に強いので静止画撮影から動画撮影まで活用できる。風景の静止画作品も撮影するし、動画撮影ではまさにメインレンズになっている。

<実写作例>
広角24mmで撮影。夕日を長秒露光で撮影。逆光耐性に優れ、コントラストも高く、ヌケが良い。解像感は驚くほど。高く岩のディテールまでしっかりと表現しているのがわかるだろう。歪曲収差などもなく、最高のズームレンズと言える。

【2022ベストバイ】上田晃司さん
ニコン Z 9 NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 絞りF8 30秒 ISO64 WB : 5600K

スペック、コスパ、描写の3拍子揃ったレンズ

このレンズの魅力はスペック、コスパ、描写の3拍子だ。質量は630gと見た目以上に軽く、開放F値がF4.0なのでスリムな鏡筒で持ち運びやすい。そして、ZレンズのSラインらしく非常に描写力に優れている。絞り開放からしっかりと写り、少し絞ることで周辺まで高い解像力で表現してくれる。

F4とはいえ適度なボケ感を得られるうえ、望遠端は120mmと長いから、望遠効果のボケも生かせるので、とても使える。一本でさまざまな被写体を狙いたい場合には最強のレンズだと思う。

描写力の高さはEDレンズ3枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ3枚と高価なレンズや、収差を極限まで抑えるレンズ群による。一昔前の24-120mmとは正直まったく別物の写りを楽しめるので、非常に使い勝手がよい。

さらに、コーティングはニコンのSラインだけあり乱反射を防ぐナノクリスタルコートに加え、垂直に入ってくる光りの反射を抑えるアルネオコート、そして最前面のレンズ面にフッ素コートがあるため汚れも抑えることができるのも魅力だろう。野外やアウトドアでも安心して使えるスペックを備えているのはありがたい。

レンズFnボタンやコントロールリングによるカスタマイズ性も優れているのでとても使いやすい。もちろん、防塵・防滴性能も備えているので「Z 9」と組み合わせてハードな撮影も余裕でこなせる。冬山から湿度の高い南国までこの一年でかなり使用したが、本当に便利だと感じた。筆者は「Z 9」を3台所有しているので、来年にはもう1本追加する予定だ。

<実写作例>
望遠端120mmで西日を画面内に入れてカップルの後ろ姿をスナップ。フレアコントロールもよくできており、品のある画質を堪能できる。逆光だがゴーストなどもなくディテールまでしっかりと表現して、被写体をカッチリ撮影できた。

【2022ベストバイ】上田晃司さん
ニコン Z 9 NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 絞り優先AE F5 1/400 秒 ISO64 WB : オート

カメラ以外の買い物ではキャンピングカーを軽キャンから大型のバンコンに買い換えた。カメラ以上に出費だったが、まだ訪れていない日本の風景を愛犬と訪れたいと思い購入した。YouTubeチャンネル「写真家夫婦 上田家」も新たに旅チャンネルを作る予定なので、ぜひご興味があれば見ていただきたい。