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【写真家・清水哲朗×川崎北高校写真部】極上のモノクロ写真に挑戦! アート紙と写真高画質プリンターで作品づくり

写真で表現する楽しみやプリントして伝える喜びを、プロ写真家と一緒に高校生たちが実体験する本企画。今回のテーマは「モノクロ写真」。講師に写真家の清水哲朗さんを迎え、講義から撮影、プリントまで、丸一日じっくりとモノクロの世界を味わった。

清水哲朗×川崎北高校写真部

モノクロ写真が初めての1年生からRAW現像する上級生まで

5月中旬、写真家の清水哲朗さんが向かったのは神奈川県立川崎北高等学校。全国大会に出場する生徒もいる写真部は、入部と同時に全員が一眼カメラを購入するという。

参加してくれたのは11名。入部したての1年生から、RAW現像もこなす2・3年生とさまざまだが、今回のテーマは高品質のモノクロ作品づくりとあって、部員全員がほぼ初体験。講義の後、校内で撮影。そして、エプソン最上位の写真高画質プリンター「SCーPX1V」とアート紙「Velvet Fine Art Paper」を使って1人1枚、制作していく。

今回使用するプリンターと用紙

エプソン プロセレクション SC-PX1V

10色の顔料インクを採用した写真高画質プリンター。黒濃度の向上とブルー領域の階調性によって別格の表現力、作品画質を追求。幅広い質感の用紙に美しくプリントできる対応力も魅力。写真展クオリティーの作品が、自家プリントで味わえる。

SC-PX1V

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Velvet Fine Art Paper

表面に上質なテクスチャーを施したファインアート用紙。黒の締まりが良くコントラストや彩度が高いため、カラー写真だけでなくモノクロ写真や絵画的な表現にも適し、プロの写真家から多くの支持を得ている。

Velvet Fine Art Paper

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写真用紙クリスピア<高光沢>

高い光沢感でメリハリがきいて、鮮やかな印象に仕上がる。特に黒が締まり、中間部から暗部にかけての色再現性が良好。

写真用紙クリスピア<高光沢>

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【1時間目】モノクロ写真の基本を学ぼう!

清水哲朗×川崎北高校写真部

まずは教室で、清水さんによるモノクロレクチャー。「モノクロ写真のイメージは?」という清水さんの問いに、まず出てきたのが「昭和っぽい」。2・3年生の中からは「色がごちゃごちゃしているときにモノクロにします」「光と影がきれいなときに撮りたいなと思います」「カタチとか線がはっきりと伝えられる」など、結構本質を突く返答が。1年生も「寂しい感じがする」など自分の考えを言葉にしていた。

清水哲朗×川崎北高校写真部

清水哲朗×川崎北高校写真部

 

レクチャーは、モノクロ写真の魅力やモノクロとカラーの違い、撮り方・見せ方のコツなど、清水さんの写真を作例にしてがっつり40分。「あまり難しく考えなくていいけど、ちょっとしたコツを覚えておくと、より印象深く、よりかっこいいモノクロ写真になるよ」と清水さんは話していた。

清水哲朗×川崎北高校写真部
清水さんの講義を熱心に聞く部員たち。

清水流・モノクロ写真のコツ

① 光と影

まずは、光と影を探すところからスタート。モノクロにすると明暗がはっきりと表現され、写真に立体感が出る。次に、光がどこから被写体に当たっているのか、光の向きを見極める。下の写真は会話をしながら、人物に当たる光を観察し撮影位置を決めている。

清水哲朗×川崎北高校写真部
モノクロポートレートは、目にキャッチライトが入る位置を探ろう。

② 引き算+足し算

写真のセオリーは、引き算して主題を明確に捉えること。モノクロは色情報がないぶん、より強調できる。そこに少し足し算すると、何を付け足すかというアイデアで個性が生まれる。前景を入れると画面に奥行きが出る手法も足し算。

清水哲朗×川崎北高校写真部
左の写真は目のインパクトを、右は周囲を入れて対比の面白さを狙った。

③ 時間帯と天候

夜や悪天候の日は、カラー写真だと単調になりやすいので実はモノクロ向き。夜はライトの光や反射などに注目してみよう。下の写真は雪の日でどんより。カラーだと地面の緑やヒツジの毛の色に目が行くが、色情報がないと色に惑わされずに雪が引き立ってくる。

清水哲朗×川崎北高校写真部

矢印

清水哲朗×川崎北高校写真部

イメージに合った仕上げや用紙を選ぶことも重要!

レタッチでは目立たせたい所を少し明るく調整する

下の写真は煙管から吹き出る煙がポイント。明るくすることで自然と目が行くだけでなく、画面にメリハリも生まれる。

清水哲朗×川崎北高校写真部

用紙を選ぶときは、同じデータで出力すること

写真展ごとに、作品に合わせていろいろな用紙を試す清水さん。このとき、同じ写真データでプリントし、発色や階調などの違いを比較する。まずは2L判などでOK。

清水哲朗×川崎北高校写真部

 

清水哲朗×川崎北高校写真部
レクチャー後、モノクロ撮影に向けてカメラ設定を確認する。上級生が1年生をサポート。

 

【2時間目】モノクロモードで撮影しよう!

清水哲朗×川崎北高校写真部
今回はモノクロモードを使用。モノクロの映像を見て撮影する。

校内の3つの場所でモノクロ撮影実習。清水さんは長年モノクロ作品を制作しており、「カラーで撮影してモノクロ変換しています。カラーで撮っていても、モノクロの目になります」と話す。また、カラー画像のほうがデータ量が多く、RAW現像でモノクロにした際に階調がなめらかに仕上がるという。

ただし、今回はモノクロの世界により没入してもらうため、モノクロモードで撮影してもらった。ライブビュー画面や電子ビューファインダーの映像は白黒になる。カラー映像では、空の青や木々の緑など色に誘導されがち。モノクロ映像であればそれがなく、光と影のコントラスト、グレーの階調など、撮影時に仕上がりをイメージしやすくなる。

撮影実習① 屋上

清水哲朗×川崎北高校写真部

天候は曇りで、空の表情はない。見晴らしはいいが、さあ、何を撮る? 部員が交代でモデルになって撮り合う。

清水哲朗×川崎北高校写真部

清水哲朗×川崎北高校写真部
清水さんは積極的に声をかけ、部員にヒントを伝える。

\ 空間と被写体の配置がポイント /

清水哲朗×川崎北高校写真部
清水さん撮影「違和感を狙った写真です。画面半分に空を広く入れて間を設け、ポツンと感を演出しました」

撮影実習② 図書室

清水哲朗×川崎北高校写真部

カーテンが閉められ、室内は薄暗い。カーテンを開閉して光の加減を調整したり、漏れた光を探したりしながら撮影。

清水哲朗×川崎北高校写真部
辞書を取り出し、「少しめくってください」と指示。

\ スリット状に入り込んだ光を活用 /

清水哲朗×川崎北高校写真部
清水さん撮影「スリット状の光が顔を照らす位置で撮影したことで、前後は暗く落ちてメリハリがついています」

撮影実習③ プール

清水哲朗×川崎北高校写真部

使われていないプールのため、普段は入ることができない。水はにごり、朽ちた雰囲気。休憩するカモの親子が人気モデルに。

清水哲朗×川崎北高校写真部
看板を使って。手の表情がポイントらしい。

 

【3時間目】アート紙にモノクロプリントしよう!

清水哲朗×川崎北高校写真部
清水さんの講評とアート紙に出力する写真を選ぶ。

午後はプリント実習。まずは撮影した写真から3枚をセレクトし、「写真用紙クリスピア<高光沢>」の2L判にプリント。そこから清水さんと一緒にA4の「Velvet Fine Art Paper」に出力する1枚を選ぶ。清水さんは、撮影意図や選んだ理由などを聞きながら、全員の講評を行なった。

清水哲朗×川崎北高校写真部
A4のアート紙「Velvet Fine Art Paper」にプリントした部員たちの作品が出そろった。2L判は高光沢紙の「写真用紙クリスピア<高光沢>」。
清水哲朗×川崎北高校写真部
白黒のコントラストが鮮明に描写された「写真用紙クリスピア<高光沢>」 (右)。A4の「Velvet Fine Art Paper」はリアルな質感で、グレーの階調がなめらか。

 

ずらりと並べられたプリント23枚。「全部、違う用紙です」とエプソン販売の稲原さん。用紙の種類はもっともっとあるという。好評だったのが用紙クイズ。普段はじっくり用紙を見比べたり、ましてやベタベタ触ったりはしない部員たち。ここでは色の出方の違いや紙の質感、手触りが重要になる。部員の1人は「用紙を視覚と触覚で感じられ、ちょっと大げさですが胸を打たれました」と話してくれた。

清水哲朗×川崎北高校写真部
用紙による色の出方や印象の違いに部員たちは見入っていた。そして、稲原さんがクイズを出題。「この白い用紙と同じプリントを選んでください」
清水哲朗×川崎北高校写真部
5枚が出題され、23枚のプリントを触ったり色を見比べたりして、正解の用紙を探す。

 

最後は、部員選抜の1名が写真展サイズ&クオリティーに挑戦。黒が深い写真高画質プリンター「SCーPX1V」で出力されたA3ノビの「Velvet Fine Art Paper」は、まさに極上のモノクロ作品だ。

清水哲朗×川崎北高校写真部
部員全員の作品から1枚だけA3ノビにプリントする。投票で松田さんの作品に決まった。
清水哲朗×川崎北高校写真部
松田雪華さん (右)「楽しい一日でした。用紙の種類がたくさんあることに驚きました。プリントして手にすると作った実感があり、特にA3ノビは作品感がすごいです」

用紙を見る・選ぶポイント

用紙は大まかに、光沢紙、マット紙、絹目調、アート紙、和紙などに分けられる。異なる描写が得られる用紙は、①紙の色、②質感、③手触りに注目すると、求める表現に近い用紙選びができる。

①紙の色

余白の紙白を見てほしい。黄みが強かったり若干青みがあったり、写真の白い部分はこの白色で表現される。色を乗せることで全体の発色も変わってくる。

清水哲朗×川崎北高校写真部

②質感

主に、光沢、半光沢、無光沢がある。この写真は反射が強く、色の発色がいい光沢紙。マット紙や和紙は無光沢で、落ち着いた印象を与える。半光沢の絹目調は、抑えられた光沢感でナチュラルな仕上がりとなる。

清水哲朗×川崎北高校写真部

③手触り

テクスチャーともいう。反射が強い光沢紙はツルツルと、和紙は繊維が感じられるほどザラツキ感がある。下の写真は「Velvet Fine Art Paper」。程よい凹凸があり、マットな質感ながら彩度が高く、立体感のある表現ができる。

清水哲朗×川崎北高校写真部

 

部員の作品&講評

佐川絆太さんの作品

清水哲朗×川崎北高校写真部

清水さんの講評
奥行きのある構図と光のコントラストがきれいです。ただ彼女の上のポップにも光が当たっていて目立つので、それがなければ◎。

杉田倫生さんの作品

清水哲朗×川崎北高校写真部

清水さんの講評
アップで捉えた大胆な構図が目を引きました。ハイライトの白、陰の黒、そして紙のグレーのトーンがうまく融合しています。

山口琉偉さんの作品

清水哲朗×川崎北高校写真部

清水さんの講評
動きのあるいい瞬間です。望遠レンズを使ったことで、背景の写り込む範囲が狭く陰部分だけになり、カモが際立ちました。

松田雪華さんの作品

清水哲朗×川崎北高校写真部

清水さんの講評
私と同じ場所で、違う角度から撮影しています。ローアングルで狙い、手前に大きく本を入れた構図が秀逸です。本の表紙が暗く落ちていることで顔に目が行き、まさに白黒を生かした作品です。

 

清水哲朗

清水哲朗
モンゴル取材をライフワークとし、独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。第1回名取洋之助写真賞、2014日本写真協会賞新人賞などを受賞する。国内では「都会に暮らす動物の生命力」をテーマに、東京のカラスやネズミを追う。
→ WEBサイト→ X→ Instagram
神奈川県立川崎北高等学校
所在地は川崎市宮前区。神奈川県の「インクルーシブ教育実践推進校」として、すべての生徒が共に学び、相互理解を深める教育を進めている。写真部は部員28名。月2回の屋外実習や夏季合宿のほか、例年文化祭での企画や川崎北写真展などの展示活動も行なっている。
→ WEBサイト→ 写真部 Instagram

 

〈協力〉エプソン販売株式会社