アマチュアイズムを忘れないで
講評会の最後に、青木さんは、参加者の写真を撮る基礎能力がすごく上がっていると認めたうえで、こう言葉を継いだ。「アマチュアイズムを忘れないでくださいね」。アマチュアだからこそ、いい作品を撮る一番のチャンスがあるという。自分の会社に入ってくるカメラマンにも、プロだけどアマチュアイズムを絶対忘れるなと常に言っているそうだ。仕事の写真を8時間撮らなければならない日も、そのうちの20分でも、自分のこれだと思う1枚を撮る。講義で聞いた1日1枚の話にも通じる考えだ。

今回のイベントを終えた参加者に、青木さんのたくさんの言葉の中から一つだけ持ち帰るなら? と尋ねると、10人のうち4人が、アマチュアイズムやアマチュアの心を挙げた。「カメラマン青木」の言葉は、しっかりと参加者の心に刻まれていた。
いちばん好きな写真は「この次に撮る写真」
話は、これからの写真のことにも及んだ。カメラが勝手に撮ってくれる時代に、その上で自分は何ができるか。長く撮っていると怖いのはマンネリ化で、「それとどう戦うかも一種のゲームだと思えば面白い」と青木さん。一生懸命やれば、ダメでもそれでいい。そう思って撮れば落ち込むこともなく、いつも楽しい。

いちばん好きな作品を聞かれると困ると言いながら、青木さんはこう答えた。「おそらくこの次に撮る写真じゃないかなと思っています」。前日の講義でも、同じ思いを語っていた。これでいいやと思うようになったら、カメラマンをやめる。けれど、「この次は撮れるんじゃないかっていう……夢があるんですよ。だからいつまでたってもやめられない」。
参加できなかった人へ
講評会のあと、この企画に参加できなかった人たちに向けて、青木さんに言葉をもらった。
「特にアマチュアの人に言いたいのは、自分のセンスを信じろと。そして絶対にいい写真を撮ってやるという強い意志を持つこと。これが強い人って意外と少ないんですよ。とにかく何でもいいから1枚だけ絶対にいい写真を撮ってやろうと思うだけで、写真のレベルって上がっていくと思うんです」。
自分の能力で最高のところを常に目指していくことで、レベルが上がっていくとも話した。「写真というのはクオリティで評価される世界なので、人よりも上のものを撮っていかないと生きていけないんですね。それを忘れないでほしいと思います」。青木さんは、そう結んだ。

〈協力〉キヤノン株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社