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2019/3/27 17:00

世界最新のモバイル端末を眺めて感じた、中国スマホの底知れぬ「期待感」

 

クアルコムブースでも存在感を放っていた中国メーカー

今年、世界に先駆けて発売される5Gスマホは、米クアルコム社が開発したSoC「Snapdragon 855」と5Gモデム「Snapdragon X50 5G modem」を搭載しています。

 

MWCのクアルコム社のブースには、同社の5Gプラットフォームを採用する7社の5Gスマホが展示され、実際に5Gで通信するデモンストレーションも披露されました。7社のうち4社(OPPO、OnePlus、Xiaomi、ZTE)が中国メーカーでした。

 

↑OPPOは5Gスマホのプロトタイプで、高速通信を生かすコンテンツとして「5Gクラウドゲーム」をアピール

 

↑インフラも手がけるZTEは、会場に自社製の5Gのアンテナを設置し、高画質映像伝送をデモンストレーション

 

さらに、自社開発のSoCを採用するファーウェイも先述の「HUAWEI Mate X」のほか、5Gのルーターを出展するなど、5Gに向けて準備万端であることをアピールしていました。

 

↑ファーウェイは5G向けのモバイルWi-Fiルーターも参考出展

 

折り曲がるスマホも続々と登場しそうな気配

昨年、世界初のディスプレイが折り曲がるスマホ「FlexPai」を発表し、注目を集めた中国メーカー・RoyoleもMWCに出展していました。1月にラスベガスで開催されたCESでは、行列ができるほどの人気を集めた「FlexPai」は、MWCでは、ほとんど待ち時間がなく、自由に触れることができ、CESでも触れた筆者としては、もはや「懐かしい」と思えるほど。それくらい、中国メーカーの技術競争が早いということでしょう。

 

↑CESで注目を集めたRoyoleの「FlexPai」は、ファーウェイが発表した「HUAWEI Mate X」に比べるとかなり分厚いこともあり、すでに “1世代前のモデル” という印象だった

 

テレビやスマホなどを手掛ける中国大手のTCLグループの傘下にある、ディスプレイメーカー・華星光電(チャイナスター)は、スマホ用のディスプレイを自動で折曲がったり開いたりするデモンストレーションを展示。これから、さらに折りたためるスマホが増えていくことを予感させました。

 

↑BlackBerryやアルカテルなどのスマホブランドも手がけるTCLグループのブースには、曲がるディスプレイが動く状態で展示されていた

 

↑外折りと内折りの両タイプを展示。2020年には、ディスプレイが曲がることは、もはや珍しく思わなくなっているかも

 

米中摩擦によって先行き不安に思えた中国メーカーだが…

昨年来の米中摩擦により、日本のモバイル市場やインフラ構築においても、中国メーカーの扱いはどうなるのか? スマホは買えなくなるのか? と不安な雲行きになりました。今のところ、通信事業者は5Gのインフラとして中国メーカーの製品や技術の導入を見送る傾向ですが、一般消費者向けの端末は従来通り取り扱われそうです。しかし、「中国製のスマホは不安」と感じている人も少なくないでしょう。

 

されど、MWC19を取材した限りでは、5G時代のスマホの主役は、やはり中国メーカー。その勢いは当分は止まらないように思えました。

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