スーパーミステリーマガジン「月刊ムー」は今年で創刊40周年を迎えます。その集大成として東京・池袋のパルコミュージアムで「創刊40周年記念ムー展」がスタートしました。超能力とは何者なのか、UFOはなぜ飛来するのか、古代文明の残したメッセージとは……同誌が追い続けてきた世界中のありとあらゆる謎を一気に振り返ります。
と、もっともらしく書いていますが、実は筆者、失礼ながら生まれてこの方「ムー」を読んだことがありませんでした。編集長からくだされた指令は「オカルト初心者の目線で潜入レポートせよ」。半ば緊張しながら会場の池袋パルコに行ってきました。
会場に足を踏み入れてまず目に入ったのが、40年分のムーの表紙がずらっと並べた展示。「圧巻」のひと言でした。色とりどりのカバーはどれも鮮やかで奇妙なイラストが描かれていて、目移りしてしまいます。恐ろしさと好奇心が入り交じってゾクゾクしますね。
また、実物展示として、5つの謎アイテムが会場各所に配置されています。大型獣人「ビッグフット」の足跡とか、超能力者「ユリ・ゲラー」の曲げたスプーンなどを見たときには、オカルトには詳しくない筆者でも「あ、知っている!」と、テンションUP! オカルトや超常現象に縁のなかった人でも十分すぎるほどに楽しめるようになっています。
続いて、壁に並ぶ「総力特集」では、古代文明、超能力、UFO、UMA、予言といったジャンルごとに、ムー編集部が厳選した記事が並んでいます。矢追純一さんの「宇宙人に連れ去られた男」の話は、突飛な話ながらも迫真の描写で読みごたえのある内容。なかには「ツチノコブームに沸く人々のレポート」のように、過去の世相を生き生きと描写したものもあったりと、ワクワクしながら読み進められます。
そして地味ながらも素敵な展示が「ムー図書館」。過去に発売された「ムー」本誌がずらっと並んでいて、立ち読みできるようになっています。筆者はここで雑誌をパラパラめくりながら、「昔の広告とか見てるのも楽しいなあ」と眺めていましたが、気づいた特集を熟読して1時間ほど滞在していました。恐るべし「ムー」の魔力……。
端から端まで眺めたくなる「ムー展」ですが、とりわけ目を引くのが、「あのロゴ」。入ってすぐの部屋の中央には、腰まであろうかという高さの「ムー」がデデンっと鎮座しているのです。あのロゴから「一緒に写真を撮って」と語りかけられている気がして、つい自分撮りしちゃいました。
そして創刊号の表紙も“インスタ映えスポット”に。イラストレーター・生頼範義氏が描くセクシーな少女が“等身大”になり、並んで写真を撮れます。
そのほか、ムー編集長・三上丈晴氏のデスクを再現したコーナーや、「世界の謎」になれる撮影スポットも。また。みんな知ってる有名人や意外な(?)タレントなどが寄せた豪華な色紙の展示も必見です(残念ながら撮影厳禁でした)。
ミュージアムといえばチェックしたいのがお土産。「ムー展」ではロゴをあしらったTシャツや世界の謎がプリントされたハンドバッグなどが並んでいます。もちろん、ムー本誌もここで購入できますよ。
さらに、展示と連動したコラボグルメも登場。「ビッグフットのハンバーグプレート」や「墜落したUFOワッフル」が、ムー展会場の1階下「カフェ・アドレス」で食べられます
さて「創刊40周年記念ムー展」、40年分の膨大なアーカイブを一挙に見られる点で長年のムーファンでもきっと満足できる展示です。一方で、オールスター的な内容は、私のような「ムーの名前を聞いたことはあるけど見たことはない層」にはムーの世界に触れるのに最適。ムーの歩んでいる世界を堪能できます。
ビジュアルで惹きつけられる要素も多いので、友だち同士で行って「この前こんなの行ったんだよねぇ」という題材作りには最上級のイベントですし、もしくはカップルで行って、自分のちょっとしたミステリアスな部分をアピールしてみるのもいいと思います!
そう、ムーの魅力は世界の謎を真摯に追いかける人から、野次馬的にかじりたい人までを包括できる器の大きさにあるのかもしれません。
会場は東京・池袋パルコ内の「PARCO MUSEUM」。開催期間は10月12日~29日。入場料は一般700円、学生600円。小学生以下は無料です。