Netflixが2019年に全世界独占配信を予定するアニメ作品のラインナップを紹介する記者会見を開きました。聖闘士星矢にウルトラマン、リラックマにエヴァなど、もはや知らない人を見つけることの方が大変なほどの名作揃い。
Netflixは全世界190か国以上で1億3000万人の会員が楽しむ月定額制の有料動画配信サービスです。視聴はパソコンのほかスマホにタブレット、スマートテレビなど家電機器、HDMIスティック型端末にゲームコンソールなどを使って楽しむことができます。
アメリカに拠点を構えるNetflixは全世界の各配信地域で独自に制作する“Netflixでしか見られない”オリジナルコンテンツを配信するサービスとしても注目されています。日本では特にアニメ作品の制作・配信に力を入れています。ユーザーがその国・地域にいながら世界中から配信される多くのコンテンツにアクセスして見られることから、最新の“ジャパニメーション”の発信プラットフォームとしてもいまNetflixは期待されているというわけです。
2018年にもNetflixの日本発アニメ作品の中から「DEVILMAN crybaby」や「アグレッシブ烈子」「悪魔城ドラキュラ」などヒット作が数多く生まれました。2019年以降には、どんな作品が登場するのでしょうか。記者発表会の内容を中心にしつつ、つい先日発表された衝撃作の内容にも少し触れたいと思います。
「リラックマとカオルさん」
国内外の幅広い層に愛されるキャラクター“リラックマ”が、世界最高水準のストップモーション(コマ撮り)アニメ作品を数多く手がけるスタジオであるドワーフ スタジオの制作により魂を吹き込まれることになりました。2019年4月19日からNetflixで全世界独占配信です。各11分・13話。本日キービジュアルアートが初公開されました。
リラックマとOLのカオルさんのコミカルな日常を描くヒーリング系ストーリーが、なんと4Kの高精細なアニメーション作品になります。リビングの4K大画面テレビで家族一堂集まって楽しみたいですね。
映画『かもめ食堂』の監督・脚本家である荻上直子氏が脚本を担当。CFを中心に活躍する小林雅仁氏がメガホンを握ります。カオルさんの声優を務めるのは人気女優の多部未華子さん。どんな作品になるのか楽しみです。
なおNetflixの4K作品は3種類の視聴プランから「プレミアムプラン」に加入するとオリジナルの4K高画質で楽しめます。1か月の無料体験でお試しもできるので、まずはぜひご自宅の4Kテレビで視聴してみることをおすすめします。
「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac」
週刊少年ジャンプの名作漫画が、1986年に東映アニメーションから初めてアニメ化されてから33年。大ヒット作がフル3D/CGアニメーションの技術を駆使してリメイクされます。Netflixでの全世界独占配信は2019年夏にスタート予定。本日ティザーアートの第2弾が発表されました。
新たに生まれ変わる作品『Knights of the Zodiac』は、アテナを守る星矢をはじめ、少年聖闘士たちの闘いと冒険を「銀河戦争/ギャラクシアンウォーズ編」から「白銀聖闘士/シルバーセイント編」までを描きます。シリーズディレクターは芦野芳晴氏。制作は東映アニメーション。“ペガサス流星拳”や“ダイヤモンドダスト”、“廬山昇竜覇“など聖闘士のフェイバリットが最新の3D CG技術によってどんな映像に蘇るのか、今からワクワクします。
「7SEEDS」
田村由美氏が原作のコミックス「7SEEDS」が初めてアニメ化されます。2017年の夏に小学館「flowersフラワーコミックスα」の連載が大団円を迎えて、今年「7SEEDS 外伝」で真の完結を迎えたサバイバルSFストーリー。2019年4月に全世界独占配信を開始します。アニメーション制作を手がけるスタジオはあのGONZOです。監督は高橋幸雄氏、シリーズ構成は待田堂子氏、キャラクターデザインは佐藤陽子氏。
そして本日の発表会では物語の前半をリードする「夏Bチーム」の声優陣が発表されました。う〜ん、豪華です!
荒巻さん、花の声は誰が担当するのでしょうか?16年間に渡って続いた全35+1巻をどんな形でアニメ化するのか。これから発表される情報にも要注目です。
「ULTRAMAN」
ヒーロー特撮もののレジェンド、「ウルトラマン」がNetflixオリジナルアニメになります。「なんでいま頃ウルトラマン?」と思う方もいるかもしれませんが、今度の作品はぜんぶアルファベットで「ULTRAMAN」です。一味違います。全世界配信開始は2019年4月1日。
本作は円谷プロの原作をベースに、いま月刊ヒーローズで連載中のコミックス「ULTRAMAN」(清水栄一氏×下口智裕氏)からアニメーション化されます。「物語の舞台は2011年、ウルトラマンが地球を去ったその後の世界。鋼鉄の強化スーツを身にまとって戦う“等身大のヒーロー・ウルトラマン”は、かつてのヒーローの息子だった…」という物語の設定は何だか出だしからそそられませんか。
さらに、本作の監督は神山健治氏と荒牧伸志氏によるダブルチームになるというから驚きです。2大監督が手がけるフル3D CGアニメーションの世界に否が応でも引き込まれそうです。記者会見では監督ふたりのビデオメッセージが紹介されました。
荒牧監督:「モーションキャプチャーの最新技術を駆使しながらアニメのダイナミックな動きを再現しています。原作・ウルトラマンの往年のファンの皆様にも満足していただけるアニメにしたいと思います。かなり見応えのある映像になっているのでぜひご期待ください」
神山監督:「1話の中でこれほどアクションシーンをたっぷりと詰め込むことはセルアニメではなかなか実現できないことでした。3D CGならではの映像表現をお楽しみください。物語はヒーローというものがどうあるべきかという、主人公の葛藤も盛り込めると考えました。様々な紆余曲折を経て主人公がウルトラマンに成長していく姿を一緒に追いかけてください」
そして本作のメインキャストの声優陣が発表されましたのでご報告しましょう。
以上が2019年春から順次配信がスタートするNetflixオリジナルアニメーションのラインナップになります。そしてもう一つビッグな発表がありました。1995年にテレビ放映が始まった名作「新世紀エヴァンゲリオン」がSVOD(月額制定額オンラインストリーミングサービス)として、初めてNetflixから全世界に向けて独占配信開始されます。配信開始は2019年春を予定しています。
(c)カラー/Project Eva.
言わずと知れた庵野秀明監督の超名作ですが、今回配信されるのは原点のテレビシリーズ全26話、および劇場公開作品の「EVANGELION:DEATH(TRUE)2」と「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の各作品。なぜシンジはエヴァに搭乗することになったのか?そもそもエヴァって何?綾波レイって誰よ?という方はぜひお見逃しなく、Netflixで全話を隈なくチェックできます。
ちなみにNetflixはスマホやタブレットにダウンロードして、外出先でもモバイルデータ通信を消費せずにオフライン再生で楽しむことができます。毎日の通勤・通学のバスや電車の中で、または飛行機に乗って海外旅行・出張にでかける時にチェックするのもいいかもしれません。
Android OSを搭載する端末の場合は、ダウンロード済みエピソードの視聴が終了すると自動的に削除して、次のエピソードをダウンロードしてくれる「スマートダウンロード機能」が使えるのでエヴァのような連続シリーズもののアニメ視聴に最適ですね。同機能は近くiOSでも利用できるようになるそうなので、iPhoneユーザーは吉報を待ちましょう。
記者会見ではNetflixコンテンツ・ディレクターのジョン・ダーデリアン氏が登壇しました。ダーデリアン氏は「2018年はNetflixアニメが今まで最もエキサイティングな1年として評価されました。この勢いを背に受けて、2019年はアニメの夢をもっと大きく膨らませたいと思います。今日は前半のラインナップ紹介でしたが、引き続きNetflixオリジナルアニメ作品の発表に注目してください」と意気込みを熱く語っていました。
…と思っていたら、先日とんでもないニュースが! 2019年を飛び越えて2020年に衝撃作が配信予定とのこと…!
「攻殻機動隊 SAC_2045」
なんと2020年に「攻殻機動隊」の新作アニメシリーズ「攻殻機動隊 SAC_2045」が、全世界独占配信されることが発表されました…! 2017年のハリウッド版「攻殻機動隊」が公開されたタイミングで、Production I.Gより発表されていましたが、まさかのフル3DCGアニメーション! 舞台は2045年と作中で最も未来とのこと…。まず素子のキービジュアルに期待感しかないですよね。監督体制はULTRAMANと同じく、神山健治監督と荒牧伸志監督の「ダブル監督体制」とのことです。
さて、息つく暇なく日本アニメファンの心を鷲掴みにするニュースが叩き込まれていますが、Netflixが本気でアニメ市場に臨んでいるのが伝わってきます。まずは来年の春…そして2020年に思いをはせましょう!