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2018/3/27 19:30

エアコンは白くてデカイだけじゃない! ダイキンが「空調の見本市」で示した新たな価値

もはや日常生活の必需品となっているエアコン。家庭だけではなく商業施設やオフィス、乗り物など、ありとあらゆるところに設置され、私たちに快適な空間を提供してくれる、とても重要な家電です。最近では、冷房や暖房といった機能だけではなく、湿度調整機能や空気清浄機能、人感センサーの搭載などなど、多機能化が進んでいます。

そんなエアコン業界をリードするメーカー、ダイキン工業の新商品のエアコンをチェックするため、千葉・幕張メッセで開催された「ヒーバック&アール ジャパン2018」へ行って参りました。その模様をレポートします。

 

例年の1.5倍! 広いブースに最新空調設備が盛りだくさん

ヒーバック&アール ジャパンは、冷凍・空調機器業界の専門見本市。2年に1度の開催で、今年で第40回を迎えました。

 

ダイキン工業のブースは、例年の1.5倍の広さとなっており、業務用から家庭用まで、さまざまな同社の空調設備を6つのゾーンで展示しています。広い展示スペースの「住宅ゾーン」に展示されていたのが、家庭用エアコンの新製品「risora」と「ココタス」です。まずはこの2製品から見ていきましょう。

 

業界最薄&7色展開のスタイリッシュエアコン「risora」

risoraは、デザイン性を重視したエアコンです。最近のエアコンは多機能になる代わりに本体の厚みが増し、部屋のなかでどうしても存在感が出すぎてしまうという傾向にあります。

しかしrisoraは、業界最薄の185mm。また、エアコンでは珍しい7色展開となっています。これにより、部屋の雰囲気を壊さず溶け込むエアコンとなっています。

 

展示ブースでは、部屋の壁を再現したパネルにrisoraが取り付けられていました。和風な雰囲気にはグレイッシュブラウンメタリック、おしゃれでポップな雰囲気にはブラックウッドというように、インテリア感覚でエアコンを選ぶことができます。

↑深みのあるブラウン系のカラバリ、グレイッシュブラウンメタリックの設置例

 

↑黒い本体に木のリアルな質感が映えるブラックウッドの設置例

 

もちろん、機能も充実。快適な温度と湿度をキープする「プレミアム冷房」や、天井や床に沿わせて風を吹き出す気流コントロール技術の搭載、ストリーマによるエアコン内の清浄機能など、コンパクトボディに機能が凝縮されています。発売は3月30日からということですが、昨年9月の発表以来、多くの問い合わせがあるとのこと。いままでは「エアコンといえば白」といったイメージでしたが、7色展開のrisoraならば、機能+カラーで選択肢が増え、選ぶ楽しさが広がります。

 

なお、展示ブースではコンパニオンの方が自撮り棒にセットしたスマホを持っていました。近づいてみると……。参考出品の「risora ARアプリ」のデモを行っていたようです。

↑設置イメージが確認できるアプリ

 

ARの技術を使い、カメラで写している空間や、アプリ内で用意された空間にrisoraをバーチャルで取り付けることができ、取り付け後のイメージを再現。あらかじめ設置イメージがわかるのはうれしいですね。どうやら販売店向けのアプリのようですが、一般向けにも公開してほしいですね。

また、risoraをAmazon Echoで動作させるデモンストレーションも行われていました。今後普及するであろうスマートホームへの準備も万端のようです。

 

家のあちこちに取り付けて家全体を快適にできる小型エアコン「ココタス」

家庭用エアコンのもうひとつの新製品が小空間マルチカセット形室内機「ココタス」です。こちらは2月27日から発売開始。通常の家庭用エアコンとは異なり、壁への埋め込み型で小型(W460×D380×H175mm)なのが特徴です。

小型なので、これまでエアコンの設置が難しかったスペースへ取り付けることが可能。たとえばキッチンや浴室の脱衣所、トイレ、階段、廊下、玄関などに取り付けることで、家全体を快適な空間にすることができるようになります。室外機1台でココタスやrisora、床暖房ユニットなど室内機が3台まで接続できるのもうれしい点。その他、リビングに大きな家庭用エアコンを1台設置する代わりに、ココタスを2台設置して必要に応じて1台だけ稼働させるようにすれば、省エネにもつながりそうです。

 

同社では家庭用として販売していますが、店舗などからの需要もあるとのこと。ココタスの登場により、新しいエアコンの用途が生まれつつあるようです。

↑ココタスの設置イメージ

 

2つの新製品、risoraとココタスについて、同社の常務執行役員の舩田 聡氏は「通常の新商品に比べて違った評価があり、好感触です。私たちよりユーザーの方々がいろいろと使い方などを検討してくれています。これからは、使い方をメーカーが決めるのではなく、お客様と育てていくことが重要だと思っています」と語りました。

 

エアコンを始めとした空調機器は、性能こそ年々アップしていますが、商品としてのおもしろさがあるかというと、やや疑問が残ります。しかし、risoraやココタスといった製品は、ユーザーが使い方を楽しみながら考える「余白」があります。これは、これまでの空調機器とは大きく異なる部分。今回のダイキンの2製品を通じて、エアコンの新しい方向性が示されたのではないでしょうか。

 

社員のアイデアから生まれたプロトタイプも展示

ちなみに、現在同社では、6000名の社員からアイデアを募り、おもしろいと思ったアイデアを形にするという試みを行っているとのこと。そのなかから生まれたプロトタイプも展示されていました。

risoraをベースにしたものは、アロマオイルのカセットがセットできるものや、新しい色展開、そして壁紙とrisoraを同デザインにするといったアイデアがありました。女性社員の意見が反映されているようです。

上の写真はエアコンと一緒に動作させるサーキュレーターと、ストリーマ付きの空気清浄機です。3Dプリンタで制作されているとのこと。思いついたらすぐに作ってみるというスピード感が、これからのダイキン製品を変えるかもしれません。