スウェーデン発の老舗家電メーカー、エレクトロラックスは、サイクロンスティッククリーナーの新シリーズ「Pure F9(ピュア・エフ・ナイン)」を11月2日に発売しました。最上位モデルの「Pure F9 プラス PF91-6B」は実売価格は9万1580円。こちらは掃除する場所に応じて、重心が上下に移動できるという驚きの機能を搭載しています。具体的にはどんなメリットがあるのか、以下でレポートしていきます。
下重心と上重心のいいとこ取り! 手元の軽さと狭い場所の掃除しやすさを両立
通常、コードレススティッククリーナーは、メインユニットが手元にある「上重心」タイプと、床に近い場所にある「下重心」タイプに分かれています。これまで、エレクトロラックスは取り回しがしやすく、手首の負担が軽い下重心タイプに特化していました。2004年に発売した下重心の「ERGORAPIDO(エルゴラピード)」は、世界で1300万台以上、国内でも150万台にせまる販売実績を誇っています。
床掃除の場合、軽い操作性で掃除しやすいのは下重心タイプですが、掃除しにくい場所もあります。それは、狭い場所や家具の下、壁際など。なぜなら、下にメインユニットがあると、ソファの下などを掃除しようとすると引っかかってしまうからです。そういったデメリットを解消するために開発され、手元が軽く、狭い場所も掃除しやすいという下重心、上重心の“いいとこ取り”を果たしたクリーナーが「Pure F9」シリーズです。
メインユニットを上下に動かせる業界初の機構で、床を掃除する際はメインユニットを下げて手元を軽く、狭い場所を掃除する際は上げることでメインユニットが引っかからずに掃除できるようになりました。
実際の重量は約4.1kgですが、下重心にすると体感重量は0.9kgになるとのこと。これは、一般的な上重心タイプのコードレススティッククリーナーと比べて約半分となっており、格段に軽い操作感が味わえることになります。
ブラシヘッドは、一般的なブラシよりも毛量が少ないのですが、これは髪の毛のからまりなどを抑えるため。床拭き効果もある2種類のブラシ素材を採用しており、フローリングもカーペットもどちらのゴミもしっかりキャッチします。「オートモード」を使用すると、フローリング、カーペットなど床の状態に合わせてパワーを自動で調節し、常に最適な吸引力で賢くしっかりお掃除できます。
運転時間は最大60分でダストカップも大きく、一回で家中が掃除できる
吸引力もパワフルで、ゴミを吸い取る力を示すゴミ除去率(ダストピックアップ率)は99%とトップクラスの実力を誇っています。また、最上位モデルであるPF91-6Bは、クラス最高レベルの吸引力を発揮する最大モードのお掃除時間が約17分。一般的なコードレススティッククリーナーの約2倍の長さとなっています。通常モードでは約30分、低電力モードでは約60分も連続運転できます。標準モデルのPF91-5Oは最大モードが約15分、通常モードが約20分、低電力モードが約50分。これ一本で時間を気にせず家中隅々まで掃除できそうですね。
また、長時間掃除できても、ダストカップがすぐに一杯になってしまうと面倒ですが、700mLの大容量ダストカップを搭載しているので、ゴミ捨て回数は少なくてすみます。
フィルターは5段階で搭載しており、微細な粒子を99.99%以上捕らえて部屋にキレイな空気を排出します。フィルターは簡単に取り外すことができ、すべて水洗いができるのも特徴です。
身長に合わせてパイプを無段階で調整できるのが便利
筆者が気に入ったのは、伸縮パイプで身長に合わせて無段階に調節できること。84cm~120cmと幅があるので、身長が高い夫と低い妻の組み合わせでも、どちらも快適に掃除機をかけることができます。
ホースを内蔵しており、そのまま引き出して掃除できるのも便利そう。手で本体を持ちながら、ハンディクリーナーとして自在に掃除することが可能です。
自立式で、掃除を中断するのもラク。ヘッドに搭載されたLEDライトがしっかり照らすので、暗い場所でもゴミを発見できました。
フロアノズルを外してUVベッドノズルをつけるだけで、本格的なふとんクリーナーとしても使えます。こちらは梅雨どきや花粉の時期の強い味方になりそうですね。
掃除機の妖精に扮したくっきー氏「掃除がうれしくなるクリーナーだ」
スティック時の本体サイズは幅250×奥行き216×高さ845mm。最上位モデルPF91-6Bが搭載する充電池は、36Vのターボパワーリチウムイオン電池が搭載されており、充電時間は約6時間。A4サイズの充電台のほかに、UVヘッドノズル、3in1ノズル、デリケートブラシノズル、マルチアングルチューブが付属します。本体カラーは、サテンホワイト、マホガニーブロンスの2色。標準モデルのPF91-5Oは搭載するバッテリーは32.4Vで、オートモードが省略され、付属ノズルが3in1ノズルのみ。こちらの実売価格は7万5380円で、本体カラーはアイロングレーのみとなっています。
発表会のゲストで登壇したお笑いコンビの「野性爆弾」は、実際にPure F9を試しました。ロッシー氏は「家では掃除担当です。この掃除機、機能がたくさんあって便利ですね! うちにも欲しいです」とステージ上で細かいところまで掃除をしていました。
いま、人気絶頂のくっきー氏は「掃除機の妖精」として登場し、Pure F9の特徴をアピール。音が静かなところや、場所に合わせて変幻自在であることを紹介し、最後に「手軽に使えるスティッククリーナーは、よく『掃除が楽しくなる』といいますが、楽しさを超越して『掃除がうれしくなる』クリーナーだと思いました」としめくくりました。
掃除は妻だけの仕事じゃない! 家事をしない夫にメッセージ込めて開発
筆者も実機を試せるスペースで本機を使ってみましたが、とてもパワフルでした。伸縮パイプで高さを調節できるので、男性でも女性でも使いやすいのがいいですね。質量やサイズだけを見ると、コードレススティッククリーナーのなかでは大きく重いのですが、メインユニットを下にすると床掃除は軽くできそうです。
ただ、ハンディクリーナーとしては大きく重いので、女性が片手で支えるのが大変かもしれません。もうひとつ、やや気になったのは、各種部品を取りはずしをするためのボタン類。ヘッドの取り外しなど、男性は難なくできていましたが、女性にはボタンが固すぎました。取材していた女性陣も取り外しがなかなかできず、何度もボタンを押す姿が見られました。
こうした仕様は、本機を男性向けに開発したことが理由になりそうです。エレクトロラックス・ジャパンの代表取締役社長・長岡慶一氏は「スウェーデンでは、子どもがいる家庭では男性の約半数が家事を分担していますが、日本では16%しかない。掃除機といえば、これまで女性向けにPRすることが多かったのですが、『家事に貢献してほしい』という願いも含めて、設計やデザイン、コミュニケーションを、思い切って男性向けにしました」と語りました。
確かに、変形するユニークなギミックなど、男性のほうが惹かれるかも。筆者も実機を使ってみた印象も男性向けだと感じました。我が家も、パワフルで隅々まで立体的にしっかりゴミがとれるPure F9で、夫に掃除をしてほしいなあ……。