家電
加湿器・除湿機・乾燥機
2018/12/24 19:00

【2018年年末版】特化型か? 加湿機能付きか? 通年使用時代の「空気清浄機」のベストな選択をプロが決定

空気清浄機は、いまや国民的問題である花粉対策の必需品。日本の空気清浄機市場は加湿機能搭載が主流ですが、近年はメンテナンスの手間が少ない空気清浄特化型も人気です。2018年〜2019年の年末年始、買うべきはどちらなのでしょうか? 専門家がA/B/Cの3段階で評価します。

 

【テストした人】

家電コーディネーター 戸井田園子さん

消費者目線の製品評価で読者から絶大な支持。空気清浄機の主要モデルは、すべて実際に試しています。

 

【空気清浄性能】

空気清浄機の実力を見るために、フィルター構成と「8畳の清浄時間」をチェック。シャープやパナソニックなどイオン放出機能搭載モデルは、イオンの特徴も合わせて確認しました。

【設置性】

空気清浄機は置く場所でその効果が変わる一方、モノが多い部屋では設置場所に困ることもあります。メーカーが推奨する設置場所の条件をチェックして、その実用性を吟味しました。

【手入れのしやすさ】

空気清浄機を使うなら小まめなメンテは不可欠。ここでは各機種のお手入れ箇所と手入れのしやすさを確認。手入れ軽減機能があるものは合わせてチェックしました。

【独自機能】

最先端のトレンド機能やきれいな空気の維持につながる機能など、各社が持つ特徴的な機能をチェック。花粉対策につながる機能も合わせて、ここで確認しました。

 

花粉やPM2.5対策など空気清浄機は通年使う時代に

花粉対策の重要ツールとして、空気清浄機はいまや日本の生活に不可欠。さらに近年はPM2.5問題などにより、空気清浄機は通年で使う家電となってきました。

 

そんな空気清浄機の購入時に悩むのが「加湿機能搭載型と空気清浄特化型、どちらを選ぶか」。加湿機能搭載型は空気清浄と加湿を1台で行えて一石二鳥ですが、手入れをしないと加湿フィルターにカビ菌が繁殖し、室内に放出されてしまう可能性も。対して空気清浄特化型はカビ菌放出の心配がないのが長所。また、特化型には集じんフィルターを半年〜1年ごとに交換する機種も多く、それらはフィルター掃除なしで高い空気清浄性能を維持できます。

 

基本的な空気清浄性能は両モデルとも着実に進化。今回取り上げたパナソニック製品には、より性能が向上した花粉対策モードも装備されています。また、フィルター掃除が不要な空気清浄特化型に対抗し、加湿機能搭載型からプレフィルターの自動掃除機能を備えた機種が登場し始めました。

 

さらに新しい動きとして、シャープやダイソンなど複数のメーカーがクラウド連携モデルを発売しているのにも注目。同機能は、今後のスタンダードになるはずです。

 

<空気清浄と加湿が同時にでき効率的かつ省スペースな加湿機能搭載の空気清浄機編>

【その1】AIがシーンごとに運転を切り替えて空気清浄力を最大化

シャープ

プラズマクラスターNEXT 加湿空気清浄機 KI-JP100

実売価格13万8240円

無線LAN経由でクラウドのAIが利用シーンごとに最適な運転に切替。空気清浄力を最大限に発揮します。ニオイセンサーの感度を高めたペット専用モードも装備。●サイズ/質量:W427×H738×D371㎜/約17㎏

 

【空気清浄性能:A】

「プラズマクラスターNEXT」で遠くのホコリも逃さず吸じん

8畳の清浄時間は6分。「プラズマクラスターNEXT」でホコリ除去をアシストします。静電HEPAフィルター、脱臭フィルターも搭載。

 

【設置性:B】

広いリビング以外は置きづらく一般家庭にはやや大きすぎる

本体が大きく幅もあり、広めのリビング以外には設置が難しい印象。ただ、本体背面を壁から3cmまで近づけて置けるのは良いです。

 

【手入れのしやすさ:B】

プレフィルターを定期的に自動で手入れしてくれる!

プレフィルター自動掃除機能が便利! ただ、フィルターやプラズマクラスターイオン発生ユニットなど手入れ箇所は多かったです。

 

【独自機能:A】

クラウドのAIにつながり花粉情報をもとに運転切替

クラウドのAIにつながり、使用家庭の運転状況や空気情報を分析。屋外に花粉が多い日は自動で花粉モードに切替わります。

 

【その2】「ナノイーX」と独自気流で花粉とハウスダストを撃退

パナソニック

ナノイーX 加湿空気清浄機 F-VXR90

実売価格8万1110円

「ナノイーX」と花粉撃退気流で花粉やハウスダストを徹底除去。汚れの種類により気流を切替えて空気清浄します。最大加湿量870㎖/hで冬の乾燥時も活躍。●サイズ/質量:W398×H640×D268㎜(※1)/11.8㎏ ※1:下部を含む奥行きは309mm

 

【空気清浄性能:A】

活性炭入りフィルターや「ナノイーX」で脱臭性能が優秀

HEPA集じんフィルター、活性炭入り脱臭フィルターを装備。8畳の清浄時間は約7分。「ナノイーX」で浮遊する花粉も無力化(※2)。※2:約6畳空間での約24時間後の効果

 

【設置性:A】

壁から1cm離せばOK、設置性は極めて高い!

後方の壁から1cm離せば性能に支障がないので、設置性は優秀。デザインがスタイリッシュで、インテリアになじみやすいのも◎。

 

【手入れのしやすさ:B】

洗いやすい加湿フィルターやタンクは評価ポイント

加湿フィルターはスポンジ素材で洗いやすく、集じんフィルターは掃除機でホコリ除去可能。タンクも口が広く、奥まで洗いやすいです。

 

【独自機能:B】

独自の気流制御技術で花粉の除去性能がアップ

花粉の捕集に有効な下部吸引をツインルーバーでサポートし、花粉除去力が従来の2倍に。「ナノイーX」との合わせ技で花粉を撃退します。

<単機能なので手入れがシンプル!フィルター掃除不要タイプもある空気清浄特化編>

【その3】高性能フィルターと粒子のイオン化技術で強力集じん!

ブルーエア

Blueair Classic 405

実売価格6万9980円

フィルターの目詰まりを抑える独自技術で、安定した空気清浄力を維持。機能を絞り普及価格を実現しました。0.1㎛までの微粒子を99.97%除去します。●サイズ/質量:W500×H590×D275㎜/約14㎏

 

【空気清浄性能:A】

高性能フィルターと独自の帯電技術で断トツの空気清浄力

吸引した汚れをマイナス帯電させ、プラス帯電した独自の多層フィルターで捕集します。この清浄力は断トツ。8畳の清浄時間は約9分。

 

【設置性:B】

サイドから吸気・送風して壁際でもバッチリ空気清浄

サイズはやや大きめ。横吸い込み・横吹き出しで、壁際においても空気の流れが作りやすいです。ただ、横にモノが置けずに不便な場合も。

 

【手入れのしやすさ:A】

フィルター交換のみで手間なし!コストは高いがその価値はある

手入れは半年に1回(※3)のフィルター交換のみ。交換方法も本体内の箱型のフィルターを入れ替えるだけで、あっという間に完了します。※3:1日24時間使用の場合

 

【独自機能:B】

清浄性能と大風量を両立する独自の技術がスゴい!

捕集した汚れをイオナイザーでマイナス帯電させる機能が秀逸。これにより、目を粗くしたフィルターでしっかり空気の汚れを吸着できます。

 

【その4】LCDディスプレイで空気の汚れ度が“見える化”されて安心

ダイソン

Dyson Pure Hot + Cool 空気清浄ファンヒーター

実売価格8万4024円

空気清浄、温風、涼風の3機能を搭載。空気中の微粒子や有害ガスなどをセンサーで検出し、LCDディスプレイに表示します。身体に風を直接当てずに送風できるディフューズモードを新採用。●サイズ/質量:φ248×H764㎜/5.7㎏

 

【空気清浄性能:B】

高性能フィルターを搭載しきれいな空気で暖める

PM0.1も捕らえるグラスHEPAフィルター、活性炭フィルター搭載。8畳の清浄時間は27分。360度吸気し、きれいな空気で暖房できます。

 

【設置性:A】

設置性が高いうえに3役で使えばより省スペース

直径約25cmの円形スペースに収まり設置性は高い。ヒーターとしても扇風機としても使え、2台3台と複数置く必要がないのも助かります。

 

【手入れのしやすさ:A】

年1回のフィルター交換だけで普段の手入れは必要なし!

フィルター交換の目安は約1年(※5)で、その間フィルター掃除の必要がありません。交換作業も台座のメッシュ部分を開けるだけと簡単でした。※5:1日12時間使用の場合

 

【独自機能】

高精度のセンサーを使い空気の状態を詳しく分析・表示

花粉やPM2.5などを検知する高精度センサーを搭載。空気の状態がリアルタイムでLCDディスプレイに表示されるのがうれしい。

 

【結論!】

フィルター交換だけでOKの空気清浄特化型を支持したい

加湿機能搭載モデルは、いくらフィルター自動掃除機能付きであっても、清潔さを保つための手入れは不可欠。空気清浄効果を重視するなら、余計な手間なくフィルター交換“だけ”で性能を維持しやすい特化型がオススメです。

 

<イチオシはコレ!>

ブルーエア

Blueair Classic 405

とにかくフィルターの性能が素晴らしく、一度使うとほかの製品では満足できなくなる。自動運転モードは搭載されていないが、そのぶん価格は手ごろに。この性能が年間フィルター代1万7280円に見合うと考えられればイチオシです。

 

手入れを厭わないならコレもアリ!

シャープ

プラズマクラスターNEXT 加湿空気清浄機 KI-JP100

加湿フィルターをはじめ、手入れをしっかりやれる人にはこのモデルもオススメ。クラウド連携やフィルター自動掃除、「プラズマクラスターNEXT」など、旬の機能が目白押しだ。広めのリビングで使うなら、大きさも気になりません。