パナソニックの調査によると、「掃除機をかける理想的な頻度は?」との質問に対し、63.8%以上が「週4~5日以上」と答えたとのこと。しかし、コードレス掃除機で実際に週4~5日以上掃除しているユーザーは37.4%にとどまっていて、週1日しかかけれらない人も31.1%に上るそう。多くの人は頻繁に掃除機をかけたいとの願望を持ちながらも、実際はさまざまな「面倒」が重なって掃除回数が減っていると想像できます。さらに、今年はコロナ禍でのおうち時間の増加によって家事負担が増え、より手軽に掃除機かけしたい、といったニーズも高まっていますよね。
そんななか、さまざまな「面倒」を解消し、理想の「週4日以上の掃除」に向けて強力に背中を押してくれるのが、今回レビューするパナソニックの「パワーコードレス MC-SBU840K」(以下MC-SBU840K)です。以下では、筆者が本機を使った実感をもとに、「これなら週4日以上掃除できる」と感じた根拠を解説していきましょう。
【週4日以上掃除できる理由その1】
「からまないブラシ」で毛絡みにうんざりしなくて済む!
他のコードレス掃除機とMC-SBU840Kが一線を画している点が、ノズルのブラシに毛が絡みにくい「からまないブラシ」の搭載です。実は、我が家で掃除機を使用するときに一番困っていたのが、髪の毛がブラシに絡まること。筆者は40cmほどあるロングヘアなのですが、この抜け毛が掃除機のブラシに絡まることが今までよくありました。なかでも困るのが、毛が大量に絡まることでブラシの回転が止まってしまうことです。止まるたびに掃除を中断して、ヘッドを確認し、絡まった毛をハサミで切る……という一連の作業が必要になるので、だんだん掃除が面倒になってしまうのです。
そこを解決したのが、MC-SBU840Kの「からまないブラシ」。従来までの回転ブラシは細長い円柱型でしたが、からまないブラシは先が細くなった円すい形のブラシを採用。しかも、このブラシがヘッド左右に2つ配置されたダブルブラシ構造で、中央に空間があるのが特徴です。これにより、ブラシが髪の毛をキャッチすると、円すい形のダブルブラシが高速回転して、髪の毛はどんどんブラシの径の細い方(中央)に移動し、最終的に中央の吸引口から本体に吸引されることになります。
今回は、実際に30cmほどの髪の毛を30本ほど吸い込んでみたところ、ブラシには髪の毛が一本も巻き付いていませんでした。これなら、いちいち絡まった毛をハサミで切る手間が不要。ああ、もう毛絡みを気にしなくていいんだ、と思うと気持ちが軽くなりますね。また、我が家には犬がいるのですが、MC-SBU840Kはこうした犬の毛もブラシにまったく絡みつくことなく、しっかりと吸引してくれました。
【週4日以上掃除できる理由その2】
最大205Wの圧倒的な吸引力で、とにかく吸うのが気持ちいい!
もうひとつ、パワーコードレス MC-SBU840Kを使っていて魅力的だと感じるのが、その圧倒的なパワーです。それもそのはず、一般的なコードレス掃除機は吸込仕事率がだいたい最大20~100W程度。多くの製品はヘッド内に回転ブラシを搭載することで、掃除性能を補っています。これに対し、MC-SBU840Kはなんと吸込仕事率が最大205Wもあります。そのうえ回転ブラシも搭載しているとあって、その名の通り「とにかくパワーのあるコードレス掃除機」になっているのです。
実際に掃除してみると、その実力がよくわかります。今回はわかりやすいようにフローリングに粉ゴミ(重曹)と細かな粒ゴミ(コルクの粒)、大きめの粒ゴミ(猫砂)の3種類を床にまき、掃除能力をチェックしてみました。以下の写真を見るとわかるように、実際の家より多くのゴミをまいていますが、それでもヘッドをスーッと前進させるだけで、細かなゴミも大きめのゴミもしっかり吸引してくれました。
ヘッドを1往復したあとの写真(上)でチェックして欲しいのは、3つのポイント。1つめはフローリングの継ぎ目の溝。じつは、パワーのない掃除機の場合、フローリング表面のゴミは取れるものの、溝に落ちたゴミは取れないということがあります。今回は一般的なフローリングよりもかなり深い溝の床材を使ったのですが、ヘッド往復後は溝の中までしっかりゴミがなくなっていました。
2つめは壁ぎわのゴミ。掃除機によっては、ヘッドで壁ぎわにゴミを押し込むだけで吸引できない製品もありますが、MC-SBU840Kは壁ぎわギリギリのゴミもきちんと吸い込んでいるのがわかります。これは、強い吸引力があることに加え、ヘッド前方部が薄く作られているためです。
3つめは、大きなゴミもしっかり吸い込んでいること。掃除機によっては、ホコリなどの細かいゴミには強くても、コロコロした大きめのゴミがヘッドと床のすき間に入り込めず、吸い残してしまう製品もあるのです。しかし、MC-SBU840Kは写真を見ての通り、大きめのゴミ(猫砂)もブラシでかき取りながら、しっかりと吸い込んでいることがわかります。
このほか、実際に使っていてパワーの恩恵を強く感じたのがラグやカーペットを掃除したとき。我が家には柴犬ミックスの小型犬がいるのですが、踏みつけられてカーペットにガッチリ張り付いた犬の毛も、一回の掃除でしっかりと除去してくれました。このあたりはパワーのない掃除機との差を実感できるところ。MC-SBU840Kでみるみるゴミが取れていく様子を見るのが楽しくて、ついつい本機を手に取る頻度も増えてしまいます。
【週4日以上掃除できる理由その3】
「クリーンセンサー」で、目に見えないゴミが取れたのがわかる!
強力なパワーとともに便利に感じたのが「クリーンセンサー」の搭載です。これは、ゴミが多いところでは本体のランプが赤早点滅し、キレイになると青く点灯するという機能。なんとこのクリーンセンサー、目に見えない約20μmの微細なゴミまでチェックできます。ちなみに、アレルギーの原因になるスギ花粉が約35μm、ダニの死骸やフンがだいたい約20μmくらいといわれているので、アレルギーに悩まされている人にもうれしい機能です。これなら「目に見えないゴミまで掃除できた」と安心できますし、青の点灯を目指して掃除すれば、自然にモチベーションも上がりますね。
しかも「自動」モードで運転中は、クリーンセンサーと連携してゴミの多いところでは吸引力をアップするなど、パワーを自動制御するのも特徴。バッテリーのムダをなくしつつ、効率よく掃除することができるのもうれしいです。
【週4日以上掃除できる理由その4】
親子のノズルですき間の掃除が苦にならない
我が家には家具のすき間や棚の上、窓のサッシなど、床用ヘッドでは掃除できない場所がたくさんあります。こうした場所に対応するため、多くの掃除機にはすき間ノズルやブラシノズルなどを付属しているのですが、個人的にこの「ノズルの付け替え」が面倒だと感じることも多いです。なんといっても、床用ヘッドをはずして、ブラシを付け替えるのに一度しゃがんで作業しなければなりませんし、ノズル使用後は、またしゃがんで「ノズル→ヘッド」に付け替える必要があります。
その点、MC-SBU840Kはヘッドのペダルを踏むと、すき間用として便利な子ノズルに替えられる「親子のノズル」機能を搭載しています。この親子のノズルが便利なのは、子ノズルから親ノズルに戻す際もしゃがむ必要がないこと。立ったままカンタンにノズル交換ができるので、床の掃除中に「あ、ここもやろう、そこもやろう」といった具合に、気の向くままに子ノズルに変更して掃除が可能。いままで見て見ぬフリをしてきたすき間も漏れなく攻略できるので、達成感が違います。
【週4日以上掃除できる理由その5】
付属品を収納できる充電台により、ストレスなく掃除が始められる
このほか、個人的に便利だと感じたのが充電台です。掃除を思い立ったときに、充電台から本機をスッと持ち上げるだけで、すぐに掃除を始めることができますし、収納するときも同様、ワンアクションでセットできます。そもそも掃除機は取り出すのがイヤ、しまうのがイヤ、という理由でヤル気が起きない方も多いと思いますが、これならまったくストレスなく掃除が始められますね。
また、充電台にはすべての付属品を収納できるのもポイント。最近はたくさんのアクセサリーを付属した高性能掃除機も増えていますが、いざ使おうとしたときにアクセサリーの収納場所が思い出せなかったり、収納の奥にしまい込んで出すのが面倒だったりして活用できないこともあります。その点、MC-SBU840Kは、すべてのアクセサリーを充電台にセットできるので、必要なアクセサリーに瞬時にアクセス可能。あのノズル、どこやったっけ? などという一瞬のストレスを感じるヒマもありません。
ちなみに、MC-SBU840Kは延長管部分を外せば、ハンディクリーナーとして使用が可能。付属する4種類のアタッチメントを使えば、ふとんや階段など、さまざまな場所を手軽に掃除できます。
【週4日以上掃除できる理由その6】
軽量化の工夫とパワーブラシで思った以上に操作感が軽い!
最初に、コードレス掃除機は吸込仕事率がそれほど高くない製品が多いと書きましたが、その理由のひとつがパワフルなモーターを搭載すると重くなるため。また、パワーのあるモーターを動かすには高性能なバッテリーも必要で、これも重くなりがちです。そんななか、MC-SBU840Kは圧倒的なパワーと最大約90分(※1)の運転時間を実現したにもかかわらず、思った以上に軽く操作できるので、使った人は驚くはず。これは、軽量素材や重心バランスにこだわった結果です。
※1:ノズルブラシ回転オフ時。ノズルブラシ回転オン時は約40分
本体には、軽くしなりに強い剛性強度素材「セルロースファイバー樹脂」を使い、ハニカム構造を採用して徹底的に軽さを追求しました。グリップの部分は、持つと自然と手の一部にハンドサポーターが当たる形になっていて、手にかかる重さを分散するとのこと。特許技術「中空ガラス配合軽量プラスチック」を採用したノズルは小回りがききますし、パワーブラシの恩恵もあってスルスルと自然と前に進む感覚が味わえます。これだけのパワーとスタミナがあるにもかかわらず、これだけ軽快に扱えるモデルは貴重。掃除機の重さを負担に思っていた方でも、本機ならラクに掃除できますね。
【まとめ】
「からまないブラシ」がやっぱり便利! 吸引力と使いやすさも両立した総合力の高いモデル
このほか、本機はワンタッチオープンでゴミが捨てやすく、水で丸洗いできるダストカップや、掃除中にサッと本体を立てかけられる「壁ピタゴム」の搭載など、細部にわたって使いやすさを高める工夫を施しています。このあたりは、長年掃除機の開発に携わり、こつこつ改良を重ねてきたパナソニックの知見が活きているように感じます。総じて「吸引力」と「使いやすさ」の両立がよく考えられていて、総合力の高い製品だと感じました。
そして、個人的に声を大にして伝えたいのが、なんといっても「からまないブラシ」の素晴らしさ! いままで筆者が悩んできた毛絡みの問題が解決できたのは、とてつもないメリットです。本機があれば、掃除を阻む面倒ごとがスッキリ解消されて、多くの方が理想とする「週4日以上の掃除」も難なくこなすことができるはず。特にロングヘアの家族がいる家庭やペットがいる家庭、そして吸引力の差が際立つカーペットを多用している家庭には、MC-SBU840Kを強くオススメしたいですね。
撮影/高原マサキ(TK.c)