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空気清浄機
2020/12/25 18:00

「空気が森になる」は本当だった! プレミアム空気清浄機「ナノドロン」で身体がよろこぶ性能を実感

新型コロナウイルス感染拡大による空気環境への意識の高まりから、空気清浄機の販売台数が大幅に伸長しています。現在、購入を検討している人も多いのではないでしょうか。そんななか、ドイツから高機能空気清浄機「ナノドロン」が上陸しました。お値段はなんと80万円~と超プレミアム! 80万円と聞いて「自分には関係ない」と思った方、 通常の空気清浄機とは何がどう違うのか、知りたいとは思いませんか? 今回は、実際に使って初めてわかった本機の価値を、以下で詳しく紹介していきましょう。

↑ナノドロン空気清浄機の適用床面積は35~70畳。サイズは直径17cm×高さ165cm(サポートスタンド含む)、質量は16㎏。今回使用するカラバリはカーボンブラック

 

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通常とは違い、上から吸って下から吹き出す

ナノドロンが日本で本格的に販売され始めたのは今年(2020年)の11月末のこと。ほとんどの方がその名を聞いたことがないはずなので、そもそもナノドロンとは何なのか解説していきましょう。製造しているのは、ドイツ・ベルリンから車で1時間ほどの自然豊かな街、プフォルツハイムに本社を置く空気清浄機メーカー、Health Air Technology GmbH社。1973年、BOSCHグループで自動車の排気ガスの浄化と最適化を担当していたルドルフ・グッドマン氏がその原型となる空気清浄機を開発。その背景には、「森に囲まれたプフォルツハイムのように澄んだ空気を室内に再現したい」との想いがあったといい、現在は、まるで森のような空気を作りだすことから、「森の発電機」という異名も持っています。

 

そんなナノドロンは、一般的な空気清浄機とは仕組みが大きく異なります。多くの空気清浄機は、本体下部から室内の空気を吸い込み、きれいになった空気を上部から吹き出します。しかし、ナノドロンは逆。上部から空気を吸い込み、静電フィルターに0.001μmまでの微粒子を吸着させ(これがどれだけスゴイかは後述)、1万2000Vの高電圧で有害物質を中和・除去します。さらに下部の二重層活性炭フィルターがニオイを中和し、イオン化空気に変えて下部から室内に供給するといいます。

↑吸込口にあたる本体の上部。大きなホコリを取り除くプレフィルターがあり、その奥には電離セクションや静電フィルター、高電圧発生器など、ナノドロンの心臓部が詰まっています

 

上から吸い込む構造にしたのは、より広範囲の空気を取り込めるとの開発者の考えによるもの。特に有害な微粒子は空間の1.8~2m付近に浮遊することが多いことから、これらを効率よく吸い込める高さとして165㎝に設計されているそうです。また下部から吹き出した空気が上部から吸い込まれることで、室内を循環する気流が生まれるため、ちょうどサーキュレーターのように、室内の温度や湿度を均一に保つ効果もあるそう。

↑高さは165cmで、身長約172cmの編集者と比べてみても、ほとんど変わらない高さ。ただし、デザインがスッキリしているので圧迫感ありません

 

 

超微粒子が除去でき、適用床面積は業務用レベル

本機の内部には静電フィルターと二重層活性炭フィルターを搭載し、ホコリや大気汚染物質、ウイルスやバクテリア、アレルギー、たばこ・煙・排気ガスなど0.001μmまでの微粒子を吸い込んで除去します。

↑本体下部にある二重層活性炭フィルターのイメージ。有毒ガスを吸着し、ニオイを中和します

 

これがどれほどスゴいかというと、現在国内で流通している空気清浄機が除去できる微粒子は一般的にPM2.5(2.5μm)まで、高性能タイプでもPM0.1(0.1μm)までが主流で、0.001μmをうたう空気清浄機はほとんどありません。ちなみに新型コロナウイルスの大きさは、0.06~0.1μmとされており、理論上は除去できる計算になります。また、適用床面積も最大70畳と業務用レベルで、一般家庭はもちろん、店舗や企業、学校、官公庁などの施設にも対応する性能を備えています。

 

スタイリッシュなデザインも特徴の1つ。大理石やレザー、木目調など、空気清浄機というより、高級家具のような気品を感じさせます。それもそのはず、ナノドロンは生産工程の半分以上を職人がハンドメイドで作るオーダーメイド品。デザインは12パターン用意しているので、インテリアのテイストに合わせて選べます。

↑カラーバリエーションは12色。上段左からコルツブラウン、レザーブラック、ゴールドハバナ、レザーホワイト、カーボンブラック、カーボンホワイト。下段左からピュアレッド、ウォールナットミドル、マホガニーダーク、 サビアベージュ、シャンパンフォグ、アムールレオパード

 

↑カラバリのなかでも、木目が美しいウォールナットミドルが人気とのこと

 

ナノドロンは、業務用レベルの清浄性能と適用床面積、高いインテリア性を備えていることから、ドイツではロールス・ロイスやポルシェ、シーメンスといった名だたる企業で多く採用されているそう。さらに大気汚染が気になる国での導入も進んでおり、国際的にも高く評価されているとのことです。

 

テレビとマッチして、リビングがスタイリッシュな印象に

さて、そんなナノドロンの実力とはいかなるものか、わが家で10日間ほど使ってみました。お借りしたのは、凛とした黒が美しい「カーボンブラック」(80万円/税抜)。高さが165㎝と人の背丈ほどあるため、最初に見たときは「わが家には大きすぎるかも」と思いましたが、置いてみるとスリムなので意外に圧迫感はありません。むしろテレビとの雰囲気がマッチして、空間がよりスタイリッシュな印象になりました。

↑わが家の約20畳のLDKに置いて使ってみました! ちなみに高さは5mまで集じんできるため、吹き抜けのある住居はもちろん、天井が高い施設にも対応するとのこと

 

↑表面の質感も上質です

 

運転方法はシンプルで、本体に設置された操作パネルの電源を入れ、レベルを選ぶだけ。レベルは1から4までありますが、メーカーによると日常的にはレベル1で十分で、ニオイを強く感じたときのみ、レベルを上げるといいそうです。まずは密閉した部屋で8時間、レベル1で運転しておくことで、部屋中の空気が入れ替わるそう。これは、クリーンルームを作るときの工程と同じとのことなので、まるで自分の部屋がクリーンルームになるような安心感があります。

↑レベルは1~4まであり、ニオイが気になるとき以外はレベル1の運転でOK。音が静かで、耳を済ませないと稼働しているかわからないほどです

 

ちなみにメーカーでは、密閉空間で使用することを推奨しています。理由は、せっかく室内がクリーンルームのようにキレイになっても、窓を開けると外からPM2.5や花粉などが室内に入り込んでしまうから。換気をせずともナノドロンが0.001μmまでの微粒子を除去でき、70畳という広さをカバーできる自信の表れともいえるでしょう。

 

 

鍋の強いニオイが短時間で一掃された

ナノドロンを設置した翌日、さっそく清浄力を実感するできごとがありました。その日の夜、夕食にニオイの強い鍋料理を食べ、30分ほど外出してから帰宅したところ、家中に鍋の強いニオイが充満していたのです。これではニオイがカーテンやじゅうたんに染み付いてしまう!と慌てて運転レベルを4に。その30分後、帰宅した夫に確かめたところ「ニオイがまったくしなかった」とのこと。筆者も帰宅後に意識してニオイを嗅いでみましたが、ニオイの痕跡はまったく感じられません。すごいぞ、ナノドロン!

 

なお一度運転を始めると、常に空気が浄化され続けるため、基本的に空気の汚れやニオイを感じることはほとんどありません。わが家は犬を飼っているのですが、ふだんなら籠りがちな犬やペットシートのニオイがなく、軽い犬アレルギーを持つ夫も、むずがゆさを感じることなく過ごせているようです。

↑ワンちゃんのニオイもほとんど感じません

 

さらに空気の”味”も明らかに変わりました。朝起きてすぐ、寝室からリビングに来た瞬間に「空気がおいしい!」と感じるようになったのです。寝室の空気との違いを身体が感じているのか、空気中に舞うホコリが少なくなったからなのか……。ナノドロンのキャッチコピーに「樹齢20年の松の木を50本部屋に植えたような空気をつくる」という言葉があるそうですが、まさに、その表現がしっくりきます。

 

圧倒的な清浄性能とデザインに80万円の価値を実感

こうして10日間使用してみて、ニオイや空気の質の変化を感じたことで、「空気が確実にキレイになっている」という安心感を味わうことができました。デザインもおしゃれだし、できれば使い続けたい!と思いましたが、やはりネックになってくるのが、80万円~という本体価格とランニングコスト。フィルターは年に1回交換することで性能がリセットされますが、フィルター交換は専門スタッフが行い、1回あたり7万円(+税)と、ランニングコストもそれなりにかかるようです。ただし、費用面さえクリアできれば、この高い性能を必要としている人も多いだろうと実感しています。

たとえばアレルギーやぜんそく、肺に問題を抱える家族のいるご家庭。ナノドロンは、国際的認証機関TÜV NORD(トゥフノルド)の基準による室内空気衛生検査結果で、室内のホコリや残留したアレルギー誘発抗原物質を除去する空気清浄機としてアレルギー患者にも適合することが認定されています。実際、ユーザーからも「喘息の症状が抑えられた」「胸がラクになった」などの声が多数届いているそう。そう考えると、自分や家族が出入りする会社や学校にナノドロンが置いてあるとうれしいですよね。

 

また、70畳という広い空間をカバーし、密閉空間にも強いことから、”密”が気になる会議室や飲食店、ニオイが気になる介護の現場にもおすすめ。一見すると80万円~は高く感じますが、広い空間で利用される業務用の空気清浄機にはもっと高価なものがあることを考えると、決して高くない計算になります。

↑オフィスに置いた設置イメージ

 

最初は、どうして80万円もするのだろう……?と思ったものの、デザインや性能を1つずつ確認するうちに、十分にその価値があると実感しました。というわけで、先日は夫の事業所で新しい空気清浄機の導入を検討しているというので、全力でオススメしたところです(笑)。ナノドロンは、ビックカメラ日本橋三越に全色展示してあるので、みなさんもぜひ店舗でチェックしてみてはいかがでしょうか。

撮影/我妻慶一