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2017/10/3 20:10

今までと何もかもが違ったパタゴニアの発表会! 意外と知られていない3つの取り組み

中村 優のイベント潜入レポ 「patagonia(パタゴニア)2017年秋冬発表会」

 

各ブランドやメーカーが定期的に行っている発表会。これまでGetNavi編集部は数多くの発表会を取材してきましたが、先日行われたアウトドアブランド「パタゴニア」の発表会は、これまでとは違った斬新な内容でした。

 

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発表会というと、新製品の発表や新規事業のお披露目の場として開催されることが一般的。しかし、同発表会はパタゴニアの取り組みや運動にフォーカスした内容で、画期的な施策がいくつも紹介されました。そこで本稿では、中村 優さん&編集部が注目した施策をいくつか紹介していきたいと思います。

 

その1)WORN WEAR

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モノを長持ちさせること、適切な手入れと修理をすることで製品の寿命を伸ばそうという「WORN WEAR」。モノを買う必要性を減らすことで、二酸化炭素の排出と廃棄物および、製品を作るための水の使用量を削減することができます。昨今では、着れなくなったウエアはすぐに捨ててしまったり、新しいもの買い替えたりしてしまうことが多いですが、パタゴニアではひとつのウエアを長く愛用することを推奨しているのです。

 

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発表会の会場では、穴が空いてしまったアウターや、ジップなどのパーツが破損したウエアのリペアをその場で実演。今後は各地のパタゴニアの直営店を中心に修理のイベントも開催していくとのこと。「新品よりもずっといい」という合言葉にもあるように、修理をしてより長く使うことで、そのウエアに愛着を持つことができるのです。

 

↑修理に使うパーツは、好みに応じて好きなものを選ぶことができます
↑修理に使うパーツは、好みに応じて好きなものを選ぶことができます

 

↑穴が空いたダウンに「WORN WEAR」のワッペンを当てて修理
↑穴が空いたダウンに「WORN WEAR」のワッペンを当てて修理

 

↑縫い付けたワッペンが程よいアクセントに
↑縫い付けたワッペンが程よいアクセントに

 

なお、ウエアの修理は店舗への持ち込み以外に郵送でも対応可能とのこと。料金は修理の箇所によって異なりますが、概ね0~3240円の範囲で修理できるようです。パタゴニアの製品で手直しをしたいものがあれば、ぜひ試してみてください。

 

その2)グランテッドフィルム

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パタゴニアは以前から、環境助成金プログラムを通じて売り上げの1%を世界中の環境団体に寄付して、環境危機の最前線の国や地域で活動する人々に対して支援を行なっています。そして同社では、支援する土地や文化や地域に活気を与えるつながりを保護&回復するために戦う人々を、「グランテッドフィルム」という物語にして発表してきました。

 

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これまでの同フィルムは北米の問題がテーマにされていましたが、今年はシリーズ初の日本を舞台にした2種類の物語を発表しています。それが3作目となる「シー・オブ・ミラクルズ(奇跡の海)」、そして特別篇「プロテクターズ・オブ・ファイヤフライ・リバー(ほたるの川のまもりびと)」です。

 

<シー・オブ・ミラクルズ>

パタゴニアの助成先のひとつである高島美登里氏をはじめ地元の人びとは、上関原発計画で危機にさらされている生物多様性の豊かな「奇跡の海」を守り、100年後の子どもたちにつなぐ活動をしています。同フィルムでは、どういった危機にさらされているのか、どういった取り組みを行なっているのかが描かれています。

 

<プロテクターズ・オブ・ファイヤフライ・リバー>

長崎県東彼杵郡川棚町川原地区の住民は、川棚川の支流石木川を囲むように先祖から引き継ぐこの地で自然とともに生活を営んできました。しかし、ダム建設によってその生活が奪われる危機に直面。川原地区の13世帯の住民は計画が持ち上がってから半世紀の間、計画の見直しを求め、ふるさとの自然と暮らしを守る活動をつづけています。その取り組みや活動を描いたのが同フィルムです。

 

↑会場では「奇跡の海」から仕入れた海の幸を使った料理が登場
↑会場では「奇跡の海」から仕入れた海の幸を使った料理が登場

 

↑寿司3貫盛りを試食する優ちゃん。一口食べただけでニンマリ
↑寿司3貫盛りを試食する優ちゃん。一口食べただけでニンマリ

 

国内でも認知度が高いパタゴニアですが、こういった環境面への取り組みも行なっていることは、まだまだ知られていないかもしれません。ですが、こういった自然や文化に対して向き合うことも、アウトドアブランドにとっては重要なのではないでしょうか。

 

その3)フェアトレード・サーティファイド

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ここ数年でウエアの低価格化が進み、世界各国では低賃金による労働問題が取り沙汰されています。そんな中、パタゴニアは労働者の賃金を引き上げて生活水準を向上させ、生活賃金に近づける「フェアトレード・プログラム」に1998年から参加しています。

 

特筆すべきは、フェアトレードの衣類工場のほとんどがアジアに位置するなか、パタゴニアはメキシコとアメリカ合衆国にも同プログラムをもたらしたブランドということ。さらに、今春にはコロンビアとベトナムの認証工場が加わり、今秋にタイとニカラグアの工場も加わる予定。今シーズンは全製品の27%がフェアトレード製品になるようです。

↑会場には今秋のフェアトレード製品も展示
↑会場には今秋のフェアトレード製品も展示

 

低賃金による労働が特に問題視されるようになったのはここ数年の話ですが、パタゴニアでは20年近く前からこの問題と向き合っています。そして工場内でも、「労働者の士気や関与が工場した」という報告も多く上がっているようで、この先こういった動きがさらに普及していくのではないでしょうか。

 

パタゴニアというと、アパレルブランドという認識を持っている人が多いかもしれませんが、こういった環境問題と真っ向から取り組んでいく姿勢こそ、真のアウトドアブランドと言えるのではないでしょうか。これからも多角的な視点で環境と向き合っていくと思われる同社。今後の取り組みにも注目していきたいですね。

↑2017秋冬の新製品も環境に配慮したアイテムが多数
↑2017秋冬の新製品も環境に配慮したアイテムも多数ありました

 

↑実はフード類もラインナップ豊富に展開している
↑実はフード類もラインナップ豊富に展開している

 

【URL】

中村優オフィシャルブログ https://lineblog.me/nakamura_yu/