怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の普及をおこなう日本アンガーマネジメント協会は、2015 年より6月6日を「アンガーマネジメントの日」と制定。一般社団法人日本記念日協会によって記念日として正式認定されています。この6月6日の記念日を前に、同会では全国の20~59 歳までの既婚男女516 人を対象に「怒り」に関するアンケート調査を実施しました。
【調査1】怒られたい著名人は誰ですか?
第1位には2015年の調査に続き、マツコ・デラックスさんが2年連続で選出されました。マツコさんが選ばれた理由として、「的確にはっきり言ってくれそう」(30代/女性)、「正論で、相手の気持ちも汲みながら叱りそう」(30代/女性)、「筋が通っていて納得できそう」(20代/女性)、といった声が寄せられています。
第2位に選ばれた松岡修造さんに対する声には、「ただ怒るのではなく前向きにしてくれそう」(20代/女性)、「喝を入れてくれそう」(40代/女性)、といった“ポジティブな怒り”に支持が集まっています。3 位のタモリさんには、「優しく的確に指摘してくれそう」(50代/女性)、「怒っても優しそう」(30代/男性)など、“優しい怒り”を期待している部分が特徴的でした。
ほかにも、林 修さん(7 位)の投票者は「理路整然としっかりした理由で怒られてみたい」(50代/女性)、「論理的に間違いを指摘してほしい」(50代/男性)といった“論理的な怒り”に賛同する意見が、坂上忍さん(8位)に対しては「的確に悪いところと改善策を言ってくれそう」(20代/男性)、「正論を言ってくれそう」(50代/女性)、「筋が通っている」(30代/女性)など、マツコ・デラックスさんと同じく“納得できる怒り”を求める声が多くあがりました。
近年では度を超えた“怒り”がパワハラに結びつくなど、“怒り方”が問題視される傾向にあります。しかし今回の調査を通じて、現代人は“納得できる怒り”をぶつけてくれる存在を求めていることがわかりました。
【調査2】パートナーによく怒っていそうな著名人夫婦は誰ですか?
第1位に輝いたのは藤本敏史さん・木下優樹菜さん夫妻。投票理由は「木下さんがはっきりとものを言いそう」(20代/女性)、「木下さんがよく怒りそう」(30代/男性)など、妻・木下優樹菜さんのテレビを通して見る強気な振る舞いから連想された意見が占める結果となりました。
また、藤本さんに対しては「優柔不断そうに見える」(50代/男性)、「尻に敷かれていそう」(20代/男性)といった、柔和な旦那像を想うコメントが寄せられており、“怒り”と、その“かかあ天下”ぶりが関連付けられる結果になりました。
第2位の北斗晶さん・佐々木健介さん夫妻には「北斗さんが旦那さんを怒っていそうだけど、基本的には仲が良さそう」(50代/女性)、「怒ったような発言で愛情表現をしているように思う」、(40代/男性)などの声が集まり、世間では“おしどり夫婦”のイメージをもたれていることが判明。
3位の石田純一さん・東尾理子さん夫妻への声では「年齢差により、価値観が違いそう」(40代/男性)、「年の差があり、察することが大変そう」(30代/男性)など、“歳の差婚”を原因とする価値観の違いが“怒り”に繋がると考えられているようです。
以上の結果から、芸能界の夫婦間における“怒り”は、実はイメージによって意味合いがそれぞれで異なることがわかりました。
【調査3】イライラした際、離婚を考えたことがありますか?
この調査に対して、女性は約2人に1人にあたる49.0%の人が「ある」と回答しました。一方、男性で「ある」と回答したのはわずか30.3%。この結果から、イライラを感じた際に、夫婦間で離婚に対する意識の差が存在することが判明しました。また、性別ごとに「離婚を考えた原因」をたずねたところ、次のような回答が得られました。
【男性が離婚を考えた原因】
・総合的に(30代)
・あまりに理不尽(30代)
・わりとよくあるのでわからない(50代)
・全体的に(30代)
【女性が離婚を考えた理由】
・地震の際に自分だけ逃げる(40代)
・自分だけが大変だとアピールし、妻や子どものことを配慮しない(30代)
・ものすごく長い変な名前の微生物の名前はいえるのに、話しておいた予定をすぐ忘れることが何回か重なったとき(30代)
男性は包括的・抽象的な理由が大半を占めました。対する女性は、とても具体的なエピソードと共に離婚を考えた際の理由を挙げました。これらの声を統括すると、イライラしたときは男性は抽象的に、女性は具体的に離婚について考えるということになります。この考え方の差が離婚への意識の差に繋がっているのではないでしょうか。
【調査4】パートナーへのイライラをどのように伝えますか?
男性は「伝えず、自分の中で処理する」人が、女性は「パートナーに直接話す」人がそれぞれ最多数になりました。また自由回答では、「伝えない」(30代/男性)、「態度で示す」(20代/男性)、「時間で解決」(50代/男性)と、男性からの回答が集中、ここでも“怒り”を言語化しない男性の傾向が垣間見える結果となりました。
本調査を通して“怒り”を自己で処理する夫と、コミュニケーションを図ることで解決をしようとする妻の、それぞれの行動の違いが明らかに。“怒り”を感じた際に生じる、男女の行動の相違や、その意図を理解し合うことで、夫婦間の相互理解が進むのかもしれません。
【調査結果まとめ】
●現代人は「的確に」「正論で」「筋が通った」“納得のできる怒り”を求めている
●“かかあ天下”のイメージが強い夫婦が支持を集めている
●夫婦がイライラを感じたとき、離婚への意識差が存在することが判明
●パートナーへの“怒り”を感じた際、夫は“怒り”を伝えずに自分の中で処理をする一方、 妻は夫に直接話す傾向にある
マツコ・デラックスさんのような、弱い立場の人の視点を持つことができ、誰に対しても公平に怒ることができている点が多くの人に好感を持たれているようです。特に企業や組織で部下や後輩をもっている人は、このようなことに意識してみると、周りからの高感度がいっそうアップするかもしれませんよ。機械があれば、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
【URL】
日本アンガーマネジメント協会 http://www.angermanagement.co.jp/