カラオケでは、うまく合いの手を入れて場を盛り上げるのが肝要
小林 会話とお酒もそうですが、カラオケもスナックの魅力ですよね。前回「ほかのお客さんが得意な曲を歌ってしまうのはマナー違反」と教えていただきましたが、もう少しカラオケのマナーを詳しく教えて頂けますか。
谷口 まず、ほかの人が歌っているときは、歌を聞いてしっかり拍手や手拍子をしましょう。知ってる曲だからといって、勝手に大声でハモりを入れたりマイクで歌い出したりするのはご法度です。
小林 うまく合いの手を入れて、盛り上げ役に徹するということですね。
谷口 たとえ知らない人が知らない曲を歌ってても、ちゃんと拍手をするのは礼儀のひとつ。自分が常連の場合は大丈夫ですが、歌を無視して、ずっとだれかとしゃべってるのはよくないです。よそ者としてスナックに行った場合は、それなりの礼節が大切ですね。
小林 ということは、われ先に自分が歌いたい曲を入れてしまうのもマナー違反ということでしょうか?
谷口 おっしゃる通り。盛り上げ役に徹して場を温めていれば、やがて「どうぞ」と言われます。それまでは待つべきですね。歌うとなったときも「じゃあ、ちょっとだけ」という謙虚な姿勢で。歌う曲も、その場のお客さんの層に合わせるのがマナーです。ですから、どんな状況でも合わせられるよう、歌える曲を年代別に幅広くストックをしておくことも大切ですね。
押さえておきたいスナック定番の歌とは?
小林 なるほど。では、「これは押さえておきたい」というスナックの定番の曲はありますか?
谷口 女性歌手なら山口百恵やちあきなおみ。男性なら長渕 剛の「乾杯」とか。70代以上の方も少なくない世界なので、美空ひばりや北島三郎といった演歌も歌えた方がいいですね。
小林 山口百恵など女性歌手の名前も挙がりましたが、男性でも押さえておくべきなんですか?
谷口 ママやスタッフの女性が喜ぶので、覚えておいて損はないですよ。あとは、中島みゆきの「糸」は鉄板です。最近だと星野 源の「恋」とか。「恋」が人気なのは、「恋ダンス」を踊れるママが多いから。ママもノリノリになるから盛り上がるんですよ。
現代の曲でも、大ヒットしたものなら歌っていい場合がある
小林 へえ、最近のヒット曲でもいいんですね!
谷口 ええ。米津玄師の「Lemon」とか、映画で話題になったQUEENの曲もオススメですよ。ただしうまく歌えないと逆に冷めるので、よっぽどの自信がある人以外はオススメできませんが。
小林 スナックで現代の流行歌が使えるというのは意外でした。「Lemon」や「恋」くらいまでヒットすると、さすがにOKなんですね。
谷口 ただ、大前提として、スナックにおけるカラオケは自分のために歌うわけではないということを忘れずに。周りを楽しくするために、歌って盛り上げるという意識が重要です。そうやって場を暖めていると、「あの人はいい飲み方をする」と一目置かれるようになる。すると、自分の居心地もよくなってリラックスして楽しめるんです。結局は自分に返ってくるんですね。
小林 なるほど、よくわかりました! 今回は、お酒やおつまみのことから話題作り、そしてカラオケと、ひと通りのマナーとコツを教えていただきました。これで自信を持ってスナックに行けそうです! ということで先生、今度とっておきのお店に連れて行ってください!
谷口 いやいや、それじゃあ僕がレクチャーした意味がないでしょう。ぜひ、ひとりで行ってみてください。困ったときは、この連載記事を読み返してもらえば大丈夫ですよ!
小林 は、はい! 緊張するけど、スナックに行けるようになったら、自分が本当に安らげる場所ができるかもしれないし、夜の楽しみの幅が広がりそうです。地方のスナックも魅力的ですしね。なんとか頑張って行ってみます!
――インタビューを通してスナックのいろはを学び、スナックを嗜む決意を新たにした小林。今後は谷口教授に教えてもらった知識を生かし、各地で粋に飲む姿が見られることでしょう。みなさんもぜひ、勇気を持ってスナックの扉を叩いてみてはいかがでしょうか。
撮影/中田 悟
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「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です!!