ライフスタイル
2020/10/22 19:00

今ある家具・小物だけであか抜ける! センスがなくてもOKな“理論”で整えるインテリア

部屋の印象を決める、使える小物を知る

さて、次はインテリアの中で利かせる小物について、いくつか教えていただきましょう。持っているものをできるだけ上手に取り入れながらも、視線を定めるためのアイテムや、印象をぐっと変えることのできるものがあると、さらに整えやすくなります。

 

1. フェイクグリーンを取り入れる

こちらのお部屋は荒井さんがコーディネートした部屋。入口の対角がすっきりしすぎていて寂しげだったので、写真の左奥、入口の対角にくる部分に、ハンギングとポットタイプのフェイクグリーンを取り入れたそうです。

 

「グリーンは、そこにあるだけでハッとするほど目をひくものです。どんなに整えられたお部屋でも、グリーンやお花などの植物がないと殺風景な印象になってしまいますよね。土を置きたくない方や育てるのが難しい方などでも、フェイクのグリーンなら取り入れることができます。ただし、100円ショップで売っているようなフェイクのものは、葉の雰囲気や艶感などがどうしても価格と相応になってしまうので、せっかく購入するなら少々高くても品質の良いものを選んでみてください。ずっと使えますし、お風呂場やトイレなど光の入らない場所にも置くことができて便利ですよ」

 

2. 壁紙のサンプルやかわいい包装紙を額装する


色を合わせてかわいらしく整えられた部屋でも、どうしても存在感を放ってしまうのがテレビ。こちらはテレビの存在感を消し、視線が上にいくようにあえてテレビの上にアートを飾ったそうです。

 

「こちらのお宅ではグリーンをあまり好まれなかったので、他のもので見せ場を作ることにしました。2枚の絵は新しく買ったものですが、その周囲にあるものはサンプルでもらった壁紙や包装紙を額に入れたものなんです。また、ファッションが好きな方だったので、まだ履いていない靴もスタイリングしています。こんなふうに好きなものを飾ると、テンションも上がりますし、その方のお人柄を感じられていいですよね

 

3. 間接照明にして壁をアートにする

左側にある観葉植物の鉢に、クリップで止めることのできるスポットライトをつけています。このスポットライトを1灯プラスするだけで、壁に木の影が出てドラマテックな空間になります

 

「賃貸住宅だと、照明は通常“シーリングライト”といって天井に一灯のものがついていることが多いですよね。明るさはそれだけでも充分ですが、一か所からの光で全体を照らすので、のっぺりとした陰影のない部屋に。クリップタイプのスポットライトは安価なものも多く、どこにでもつけられるので、天井照明を変えたり新しい照明器具を買ったりするより手間なく印象を変えられます。つけるときは、壁に光を当てるとやわらかな光になり、リラックスできる部屋になりますよ

 

↑シーリングライトだけのお部屋。ダイニングテーブルから遠いので、料理に光が当たらず、おいしく見えないという側面も

 

こちらはシーリングライトを吊り下げタイプのペンダントタイプの照明に変えた写真。壁紙もチェンジしているものの、オレンジ色の光でさらに雰囲気のある空間を作り出しています。
↑こちらはシーリングライトを吊り下げタイプのペンダントタイプの照明に変えた写真。壁紙もチェンジしているものの、オレンジ色の光でさらに雰囲気のある空間を作り出しています

 

ルールが頭に入ったら、まずは入口の対角にどんなものを置いたらいいか考えてみましょう。そこにあなたの好きなものを置き、いちばんの見せ場を作ってみてください。それができたら、あとはそこに合わせて家具の配置を考えて行きましょう。きっと何も買い足さなくても、お気に入りのお部屋になるはずです。

 

 

【プロフィール】

インテリアコーディネーター / 荒井詩万

「CHIC INTERIOR PLANNING」代表。戸建住宅・マンションのインテリアコーディネート、リフォームなどを数多く手掛ける。住まう人に寄り添う心地よい空間づくりが人気。大学やインテリアスクールの講師としても活躍。NHK「あさイチ」、日本テレビ「スッキリ!」などテレビ出演も多数。近著に『今あるもので「あか抜けた」部屋になる』(サンクチュアリ出版)がある。
https://chic-interior.net/


荒井詩万『今あるもので「あか抜けた」部屋になる』(サンクチュアリ出版)

  1. 1
  2. 2