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2021/6/28 19:00

風呂場のカビ対策で家中のカビを防げる!重曹・クエン酸・酸素系漂白剤で掃除する「バスルーム」のナチュラルクリーニング術

梅雨は、高気密高断熱が進んだ現代の家屋でも、家の中がジメジメしやすくなるシーズンです。ご存知の通り、湿気はカビの増殖を促します。その対策となる“カビ取り”といえば、一般的に塩素系漂白剤が使われることが多いのですが、強い殺菌力と除菌力がある一方で、身体への負担も気になるところ。使用頻度はなるべく抑えたいですよね。

 

「ナチュラル洗剤を使った掃除だけでも、カビの発生が防げる」と話すのは、ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさん。しかも、入浴後に5分の習慣を取り入れるだけで、基本的には日々のバスルーム掃除にナチュラル洗剤すらほとんど使わなくてOKだとか。日々の掃除の負担が減らせそうですね。

 

費やす労力と洗剤量を最小限にできる、本橋さんのバスルーム掃除術を解説していただきましょう。

 

洗浄力が弱い?「ナチュラル洗剤」でもカビ汚れは落とせるの?

「ナチュラルクリーニング」とは、合成洗剤を使わない掃除方法です。重曹やクエン酸など、元々自然界にある素材を使うので、合成洗剤よりも洗浄力が弱いイメージがあります。梅雨時期に悩まされる、頑固なカビ汚れまで落とすことができるのでしょうか?

 

「カビは放っておくと黒カビになり、浴槽のフタや扉のパッキンにできてしまうと、ナチュラル洗剤では落ちにくくなります。しかし、カビの発生原因を理解し、普段からカビを寄せ付けないようにすれば、梅雨時期でも黒カビに悩まされることはありません。カビが発生する条件には『20℃以上の温度』『水分・湿度』『栄養分』の3つがあります。このすべてが揃えばどんどん増殖しますが、どれか一つを防げば、カビの発生は抑えられます。

ここで注目してもらいたいのは、カビの栄養源です。カビが増えるときに欠かせない栄養源は、皮脂汚れだけではなく、シャンプーやお風呂掃除の洗剤のすすぎ残しなのです。そのため、お風呂に入ったあとは浴室全体をしっかりとすすぎ、スクイージーなどで水切りをするように心がけてください。洗剤類が残っていない状態と水切りケアを心がけることで、カビの発生源を断つことができます。また、すすぎ残しを防ぐためには、必要以上に泡タイプの洗剤を使わないこともポイントです。

まずは、浴室にどんな種類の汚れがあるのかを把握し、汚れを落とすために効果的なナチュラル洗剤の使い分け方を、理解するようにしましょう」(ナチュラルクリーニング講師・本橋ひろえさん、以下同)

 

【ポイント】
・カビが発生する条件は「20℃以上の温度」「水分・湿度」「栄養分」
・カビの栄養源は、皮脂汚れとシャンプーやお風呂掃除の洗剤のすすぎ残し
・必要以上に泡タイプの洗剤を使わず、すすぎ残しを防ぐ

 

浴室の汚れは4種類。水アカと湯アカは別物!

↑本来、洗剤不要の汚れである髪の毛。入浴後に排水溝の髪の毛を取り除く習慣をつければ、不快なヌメリゴミを軽減できます

 

「汚れをラクに落とすコツは、化学反応を応用すること」という本橋さん。バスルームの汚れの種類とその性質を理解すれば、掃除の負担をグッと減らせるそう。

 

「汚れには4種類の性質があり、酸性、アルカリ性、雑菌類、洗剤の要らない汚れに分類できます。バスルームで発生する汚れを性質別に分類すると、酸性汚れの湯アカ、アルカリ性汚れの水アカや石けんカス、雑菌汚れのカビ、洗剤不要の髪の毛や砂などがあります。酸性汚れにはアルカリ性洗剤を、アルカリ性の汚れには酸性洗剤を、カビや雑菌には除菌と漂白効果のある洗剤を使うことで、汚れをゆるめて落とせます。

一般的なバスルーム専用の泡洗剤は、湯アカの汚れが落とせるアルカリ性の洗剤で、鏡などに付着した白いウロコ状の水アカを落とすことはできません。『お風呂用洗剤で磨いても、鏡に付いた水アカが落ちない!』とうんざりした経験がある方は少なくないでしょう。汚れの性質を見極め、化学反応で汚れをゆるめる洗剤を使えば、ゴシゴシとこすらずに汚れを落とせます」

 

【ポイント】
・バスルームの汚れは4種類
・酸性の湯アカ、アルカリ性の水アカ、中性のカビや雑菌、洗剤不要の髪の毛や砂
・汚れは“化学反応”で落とす
・酸性汚れにはアルカリ性洗剤、アルカリ性の汚れには酸性洗剤、カビや雑菌には除菌と漂白効果のある洗剤を使う

 

バスルームの掃除に使う3種類のナチュラル洗剤

ナチュラル洗剤の種類と使い方を見ていきましょう。

 

酸性汚れの湯アカには、弱アルカリ性の重曹を使います。粉末のまま使うことで研磨剤にもなるので、濡らしたメッシュクロスなどに振りかけて、そのまま浴槽などを磨きましょう。重曹は入浴剤の成分としても使われているので、入浴中に裸の状態で使っても心配なし。はちみつボトルのような容器に入れた重曹を、入浴中に浴室に持ち込むようにすると、“ついで掃除”ができますよ。

アルカリ性の水アカや石けんカスには、酸性のクエン酸水を使います。クエン酸水は水1カップ(200ml)に対し、クエン酸小さじ1を混ぜてスプレーボトルに入れたものです。鏡や石けんカスの付着した洗面器などに、クエン酸水を吹きかけてこすればOK。こびりつき部分は、キッチンペーパーなどで包んだ上からクエン酸水をたっぷり含ませた“パック”が効果的です。10分ほどつけた後に、すすいでから水気を拭き取りましょう。

ぬめりや雑菌、カビには、酸素系漂白剤の過炭酸ナトリウムを使います。発生してから日の浅い黒カビならば、ぬるま湯で溶いた過炭酸ナトリウムをカビ汚れ部分に塗り、上からキッチンペーパーでパックして30分ほど放置すれば、除菌と漂白ができます。カビが付着したボトルや浴槽小物は、60℃くらいの湯2Lに対し、過炭酸ナトリウム小さじ1を溶かしたものにつけ置きすれば、除菌と漂白に。つけ置き後は水洗いですすぎをしましょう」

 

【ポイント】
・体から出た角質汚れによる湯アカは、粉末の重曹でこすり洗い
・石けんカスや水道水中のミネラルである水アカには、クエン酸水を拭きかける
・カビや雑菌対策は、湯に溶かした過炭酸ナトリウムで発泡落としを

 

【関連記事】「酸とアルカリが混ざると中和し、汚れがゆるむ」原理を応用。pHで掃除する、キッチンのナチュラルクリーニング術

 

バスルームのナチュラルクリーニングで押さえるべき、基本的な知識や掃除のコツを解説いただきましたが、次のページでは、本橋さんが実際に愛用している便利な掃除アイテムや、入浴後の“ついで掃除”のコツについて、教えていただきます。

 

湿った小物からも雑菌が……キレイを保つ習慣とオススメ掃除アイテム

カビの発生を防ぐにはバスルームに水気を残さないことが大事。水切り対策もカビ予防に効果的です。

 

「わが家では、基本的にシャンプー類をバスルームで保管せず、お風呂に入るときに持ち込み、出るときに持ち出し、底についた水分を拭き取って洗面台の下で保管しています。バスルームの床や棚にものを置かないようにすることで、カビの発生源を減らせる上に、掃除がしやすくなります。洗剤類にとっても、高温多湿で気温の変化が大きい場所で保管するよりも、もちがよくなります。

特に、無添加やオーガニック製など、保存料不使用のアイテムをお使いの場合は、浴室での保管を避けた方がいいでしょう。洗面器や掃除道具などは吊るして収納すれば、水切りができます。うちの娘がそうなのですが、シャンプー類を毎日持ち出すのが面倒なら、詰め替えパックに直接付けて使えるホルダーを使うのもオススメですよ。これはボトルに詰め替える必要もないので、エコの意味でも魅力的なアイテムです」

 

↑浴室のイスや洗面器も床には置かず、吊るして保管をしましょう

 

・衛生的でカビを寄せ付けない! シャンプー類の詰め替えボトルアイテム

三輝「詰め替えそのまま ミニ MS-2 ダークグレー」(税込1257円)。シャンプーやコンディショナーの詰め替え容器にそのままセットして使えるアイテム。「ワンタッチで簡単に装着でき、片手で必要量が出せます。詰め替え時にボトルを洗浄したり乾燥させたりする手間なく、衛生的に使えるので便利ですね」

 

バスルームの掃除に使う5つの道具

本橋さんがバスルームの掃除で使う、主な道具は5種類。

 

「毎日使うのは、スクイージーとメッシュクロスのみです。入浴中に壁や棚などに汚れを見つけたときは、重曹とブラシで磨きます。ブラシはタイルの目地やドアのサッシなどの細かい部分でもこすりやすい、細めのタイプがオススメ。キッチンペーパーはパック掃除に、排水溝の奥まで掃除ができるパイプクリーニングブラシは、排水溝の流れが悪くなってきたときに使っています」

 

入浴後5分の“ついで掃除”で無駄なくラクしてピカピカに!

本橋さんのお宅では、最後にお風呂に入った人がバスルームの掃除を済ませるのがルールです。バスルームの掃除といっても、慣れてしまえば、わずか5分だとか!

 

「まず、バスタブの湯を抜きながら、シャワーで壁の上から順に洗剤類が残っていないようにバスルーム全体を洗い流します。その後、スクイージーで上から順に水切りをしていきます。棚や床もすべて水切りをしておくことで浴室の乾燥が進みやすくなるし、カビの栄養源を取り除くことができます。そうこうしているうちにバスタブの湯がなくなるので、メッシュクロスなどで全体を磨き、シャワーの水で洗い流します。これで終了です。

ここまでしておけば、重曹を使ったバスルームの掃除を毎日する必要はありません。入浴後、朝までお湯を張っておき、洗濯に使っている方もいると思いますが、できれば浴槽の湯は夜のうちに抜くようにしてください。人が入った後の湯は30℃以下に下がると雑菌が繁殖してしまいます。防災の意味で、入浴後の湯を残しておくのも避けましょう。雑菌が繁殖した湯を残しておくことで、震災時に排水トラブルになるケースも増えています。水道の水が止まっているときは、下水も流せない状況が続くので、トイレなどでも使えないことが多いのです。カビや雑菌の抑制を抑える意味でも、バスタブの湯はなるべく早めに抜くようにしましょう」

 

カビを撃退するために使いたいアイテム

ナチュラル洗剤では落とし切れない黒カビが発生してしまったときには、チューブタイプの塩素系漂白剤がオススメという本橋さん。

 

頑固にこびりついてしまった黒カビは、残念ながらナチュラル洗剤では落ちません。そのような場合には、塩素系漂白剤のチューブタイプを使いましょう。チューブタイプならば、汚れの上にピンポイントで塗ることができ、液だれや塩素を吸い込むリスクが減り、最小限の量で効果的に汚れを落とすことができます。

カビは胞子の状態で空気中にも浮いている可能性が高いので、バスルームがしっかり乾いた状態のときに、カビの発生しやすいパッキン部分などにアルコールスプレーをして、対策しておくのもオススメです。バスルームにカビがあると、そのカビの胞子が洗面所へ行き、そこから廊下やリビングへと流れていってしまいます。逆に、バスルームのカビ発生を抑えられれば、カビ胞子が広がることもなくなり、家中のカビが抑えられるのです

 

↑梅雨時期は特に、カビの生えやすい場所に乾いた状態でアルコール除菌スプレーをしておくといいでしょう

 

この時期のカビ発生は避けられないと思いがちですが、カビの発生に関わる3条件を揃わないようにすれば解決できることがわかりました。入浴後の“ついで掃除”を取り入れて負担を減らしカビを寄せ付けずに梅雨を乗り切りましょう。

 

【プロフィール】

ナチュラルクリーニング講師 / 本橋ひろえ

北里大学衛生学部化学科(現・理学部化学科)卒業。化学系の企業に就職し、化学事業部で水処理、化学薬品、合成洗剤などの業務を担当。結婚退職後、専業主婦として家事を経験し、子どもがアトピー体質であったこともあり、ナチュラル洗剤を活用するように。その後、ナチュラルクリーニング講師としての活動を始動。全国各地での講座開催や、著書などで、ナチュラルクリーニングの方法を広める活動に力を注いでいる。
Blog=https://ameblo.jp/naturalcleaning/

 

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