オリンピックより民主的?
一方、2020年に東京はオリンピックを開催します。未来の運動会はこのスポーツの祭典をどのように見ているのでしょうか?
「オリンピックを楽しむ大半の人は応援や見ることを主体としていますよね。運動やスポーツで参加する人はごく限られたアスリートたちだけ。それに対して、未来の運動会はいつでも誰でも参加することができます。
東京オリンピックを機に運動やスポーツはより盛り上がりを見せると思いますが、未来の運動会にも良い影響があり、参加者が増えることを願っています。それと同時に、日本で生まれた運動会という文化が世界中にもっと広まっていけば良いと思います」(米司)
今日、日本の運動会は社会の変化によって、その価値が問い直されています。1960年代から運動会は内容の簡素化が見られ、競争や序列化の否定、組体操事故の顕著化などが起きていますが、「運動会は各時代の波にもまれながら現在の形にたどりついている」と中京大学名誉教授の木村吉次氏は体育科教育の2017年5月号で述べています。そうだとすれば、未来の運動会も、運動会が生き延びようとして、現代の波にもまれながら進化していることを示す現象なのかもしれません。木村氏は「(運動会が)ここまで生き延びることができたのは児童・生徒の楽しさを完全に失わせることがなかったからではないか」と考えています。共創に基づく未来の運動会によって、日本人が運動会の価値と楽しさを再認識するかどうか注目です。
(写真提供:渋都市株式会社)