文房具
2018/6/8 17:00

10年目の「ポメラ」に新作出た! 最上位モデルと折り畳める新モデル、選ぶならどっち?

頼れる執筆ワークステーション ———「DM200」

現在入手できるもう1台の「ポメラ」は、折り畳み機構がないキーボードを用いた「DM200」。7インチTFT液晶が組み込まれた、「ポメラ」史上最大画面を持つハイエンドモデルです。

 

横幅は10〜11インチ級のノートパソコンと同等である263mm。ディスプレイを閉じた時の奥行きは120mm。厚みは18mmに収まっています。質量は約580g。フルサイズキーボード付きの端末としては、軽くて細いのが特徴です。

 

「DM200」のディスプレイの大きさを「DM30」と比較してみましょう。

上の写真は左がDM200、右がDM30です。ワイドな比率となって解像度も1024×600ピクセル。これもまた文字表示専用ガジェットとしてならば、申し分のない解像度です。室内であれば視認性も高いですね。フォントサイズを小さくしても読みやすいため、卓上に置く電子書籍リーダーとしても使いたくなります。

 

アウトライン機能を用いて見出しのリストを常に表示しても、執筆エリアは見やすく使いやすいサイズを保ったまま。より長い文章を快適に入力したいという要望に応えてくれる仕様です。

 

・キーピッチは2モデル共通

キーピッチは「DM30」と同じ横17mm・縦15.5mmです。と言いますか、「DM200」の文字入力の楽々さを「DM30」が受け継いだと見るべきですね。

実際に入力してみると、大きく余裕のあるキーレイアウトからきた入力のしやすさに、安心感が盛り上がってくるんですよ。剛性が高いから筆圧ならぬタイプ圧が高い人でも大丈夫。「DM30」よりも勢いよくタイプしても問題ナシ。

 

ノートパソコンのようなタッチパッドのエリアがなく、奥行きが短いから机そのものがパームレストがわりとなりますが、熱くならないから快適! 文章入力だけならポインティングデバイスはいらないというメリットが、こういうところでも生きるとは!

 

2016年に発売されて以来、ライターや作家といった毎日長文を書き続けているプロフェッショナルから認められ続けてきたモデルだと感じますね。

 

・無線LAN機能でデータのやりとりが楽

最高のポータブルな執筆ワークステーションを目指した「DM200」には、無線LAN機能が備わっています。

Evernoteなどのクラウドサービスにアップロードできるほか、パソコンなどへメールに添付して送れる「アップロード」や、iPhone、iPad、Macのメモアプリと連携する「ポメラSync」の機能が使えます。何日もかけて長い文章を仕上げていきたい時に効果的。

 

また、スマートフォンやタブレットのBluetoothキーボードとして使える機能も備えています。例えばSkypeやLINEでミーティングを行うなど、通信環境が必要なシチュエーションで文章を入力していかねばならないときに効果的。ディスプレイ部がスマートフォンのスタンドとしても活用できます。

 

・あらゆるシーンに対応できる充実の執筆支援機能

大きな画面を使ったアウトライン機能、2つのテキストファイルの同時表示による比較機能、1つのテキストの分割表示機能、指定した文字数×行数でページ分割を行うフレーム表示機能など、豊富な執筆支援機能も「DM200」の特徴のひとつ。特に便利なのが比較機能ですね。過去に書いたテキストファイルの一部を抜粋・引用することが楽に行えるので、レポートの作成効率が大幅に上がります。

 

搭載される日本語入力環境は、「ポメラ」史上最高性能を誇る「ATOK for pomera [Professional]」。実際に使ってみるとなるほど、文節の位置を適切に認識して変換してくれるために、誤変換は少なめ。Windows版のATOKを使っているのと同じ感覚で扱えます。「DM30」と比較すると変換精度は明らかに高め。とはいっても「DM30」のATOK for pomeraもなかなか頼れる精度があります。

 

・手持ちのモバイルバッテリーで充電

「DM200」は、「ポメラ」で唯一のUSB充電式バッテリー内蔵型です。

登場時は、コンビニなどで電池を買って電源を補給できる他ポメラと比べると「やや残念」という声が多かったのですが、いまやモバイルバッテリーを持ち歩くのが一般的となりました。移動の合間にバッグの中で充電し続けることができますし、使用目的によってはバッテリー内蔵型のほうがいいという人もいるでしょう。僕個人としても、そう実感しました。

 

単三電池交換式からバッテリー内蔵型に変えたことで、より多機能性を追求できた点も見過ごせません。全体的にレスポンスがよく、文字入力もデリートも、各種機能を使ったときにも遅延を感じないために快適。発売されてから1年半ほど経つモデルですが、純粋な文章執筆ガジェットとしては最高峰に位置するプロダクトです。

 

なお、バッグに入れて持ち運ぶ際は、ノートパソコンの収納部に入れるのがピッタリ。11インチ級のノートパソコンが入れられるスペースがあれば充分ですよ。

 

さて、2機種を比較した上でまとめてみましょう。

 

コンパクトスタイルを追求した「DM30」、全方位的に完成度が高い「DM200」

「文章を入力するための専用ツール」という、同じ目的をもった「DM30」と「DM200」。しかし使い勝手は大きく異なるものでした。

 

コンパクトなサイズでありながら高品質な打鍵感を実現した「DM30」は、意外にもじっくりと時間をかけて文章入力したいときに向いているプロダクトです。僕らライターの業務でいうなら原稿執筆時に使いたくなるもの。机の上におかないと入力しにくい側面があることも、気合を入れて書くときにこそ効果を発揮する「ポメラ」です。また乾電池駆動式であり、超コンパクトに折り畳めることから、旅行先に持っていきたくもなりますね。

 

対する「DM200」は、どんなシチュエーションでも文章を紡げる隙のなさがあります。たとえばインタビュー時のメモ取りも、会見時の書き起こしも、テキストファイルの資料を参照しての執筆も、なんでもOK。片手で持って、片手で入力というスタイルもこなせます。ストライクゾーンの広さ、魅力ですね。また値段がこなれてきており、買いやすいというところも見逃せません。

 

それぞれどんなワークスタイルの人に向いている?

それぞれ別の個性をもった2台の「ポメラ」。「DM30」は極力荷物を減らしたい、バッテリーライフが長い、バッテリーがコンビニで補給できるといったオリジナルの「ポメラ」から受け継いできた個性を求める人にはピッタリ。ほかに持ち運べるノートパソコンや、タブレットを持っている人にもオススメで、純粋な文章作成ツールとして活躍してくれるでしょう。

 

「DM200」は高性能であるがゆえにノートパソコンなどと用途が被るところがありますから。ゆえに、普段はスマートフォンのみ持ち歩いている人にはピッタリだといえます。

 

【商品情報】

キングジム「デジタルメモ<ポメラ>」

・DM30 4万6440円(税込)
http://www.kingjim.co.jp/pomera/dm30/

・DM200 5万3784円(税込)
http://www.kingjim.co.jp/pomera/dm200/

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