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2017/1/26 19:00

【今さら聞けない】VICSって何?スマートループとは? よく聞くカーナビ渋滞情報の種類と概要がわかる

カーナビを使っているとよく画面に「VICS」と表示されたり、また最近では「ETC2.0」という用語を聞いたりしたことはないでしょうか? これらは最新道路状況などを提供してくれるもので、多くの人が恩恵を受けているサービス。しかし、実はあまり中身を知らないという人もいるはず。今回はカーナビの渋滞関連で「今さら聞けないけど、機能をよくわかっていない」という便利サービスを紹介していきます。



 

渋滞情報には「VICS」に加え自動車メーカー・カーナビメーカーが提供するサービスの2つがある

カーナビ画面の端っこで「VICS」という文字を見たことはないでしょうか? のど飴のブランドではありません。これは、Vehicle Information and Communication Systemの頭文字をつなげたもので、読み方は「ビックス」。正式名は「道路交通情報通信システム」と呼ばれており、最新道路情報を提供するインフラの役割を果たしています。

 

限りあるナビ画面の一部を使って表示されているだけあり、VICSはカーナビの重要な情報源です。VICSは日本各地の道路沿いに設置された発信機などを使い、VICSセンターから送られてくる情報(自車位置、渋滞、規制情報、駐車場の状況など)を、カーナビ画面に表示してくれるのです。渋滞情報はVICSのほかにも自動車メーカーやカーナビメーカーがユーザーの走行データを基にした独自の情報をユーザーに還元しているものもあります。

 

今後様々な新サービスの導入が予定されている「ETC2.0」はお得かつより詳細な情報を伝送

最近普及が加速しているのがETC2.0。従来のETCは高速道路料金の支払いを行うだけのものでしたが、これはVICSを構成するサービスの1つで、電波ビーコンを介して、様々な情報提供サービスが受けられるものとして期待されています。情報は「ITSスポット」と呼ばれる全国の高速道路上やSA、道の駅に設置された箇所で受信でき、前方1000kmの主に高速道路の情報を提供してくれるほか、事故多発地点やトンネル入り口などの画像を表示してくれたり、災害時の支援情報の提供など、従来のサービスから大幅に提供できるデータが増えています。

 

さて、ビーコンという言葉が登場しましたが、こちらもカーナビ渋滞用語では頻出の用語です。これらもすべてVICSの仲間。下記で紹介していきましょう。

 

●ビーコン

高速道路や幹線道路上に設置され、渋滞や通行止め、所要時間などの情報を発信する機器。光ビーコンと電波ビーコンがあります。

 

●光ビーコン

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ビーコンのうち、赤外線を使って情報を伝送するシステム。主に一般道路上に設置され、進行方向の前方30km、後方1kmの道路情報を提供してくれます。

 

●電波ビーコン

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ビーコンのうち、2.4GHz帯の電波を使って情報を伝送するシステム。前方200kmの主に高速道路の渋滞関連情報を提供してくれます。今後新サービスに移行され、平成34年3月31日に、電波ビーコン(2.4GHz)からの情報提供は停止し、ITSスポットからの提供に一本化される予定です。

 

●電波ビーコン(ETC2.0)

ビーコンのうち、5.8GHz帯の電波を使って情報を伝送するシステム。上で挙げた以外にもお得なサービスとしては、例えば2016年4月から、首都圏の圏央道の料金水準が約2割引になっています。今後もサービス拡充が予定されており、災害/事故時/給油目的などで高速道路を一時的に退出して再進入した場合、連続走行したとみなすことや、渋滞を避けたルートを走行した時に高速道路を料金が割引になるなどお得なメリットを受けられるとのこと。

 

●FM多重放送

受信している都道府県情報と、その隣接県との県境近辺の交通情報を提供。NHKのFM放送局の音声放送に多重化して、同一周波数帯域で放送しています。

 

●VICS WIDE

最近では、FM多重放送の新サービスとして「VICS WIDE」という機能が追加されました。最新の渋滞を反映したルート検索に加え、プローブ情報を活用してより詳細な交通情報を提供。気象・津波、火山噴火の特別警報などをポップアップで提供してくれます。

 

というわけで、VICSといっても、渋滞情報にはそれぞれ情報提供の対象道路、提供情報に違いがあるのですが、カーナビに普通に表示されるものではありません。昔のカーナビを長く使っている人で、ビーコン受信機もないよ、という方。カーナビ画面には渋滞情報は表示されているけれど、実はFM多重放送の渋滞情報では渋滞回避機能がないことご存知ですか?

 

今後は電波ビーコンやFM多重放送からETC2.0やVICS WIDEに切り替わっていく予定。新カーナビや受信機に買い替える意義は十分にあるわけです。

 

スマートループはパイオニア独自のシステムでユーザーの走行データをもとにした道路状況を提供

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VICSについてわかったところで、続いては各クルマメーカーが提供するプローブ情報について触れたいと思います。カーナビ関連の用語で「スマートループ」という言葉を聞いたことはないでしょうか? スマートループは2007年、ユーザーの走行データをユーザー同士で共有しドライブに役立つ情報をリアルタイムに活用するクルマの情報ネットワークの世界で、クラウドサーバーを活用したビッグデータとして注目されています。

 

現在では、カロッツェリアカーナビの全モデルが対応。多くのユーザーがいるカーナビメーカーだからこそ、サービス提供10年目を迎えた現在、ビッグデータにまで成長しているのです。前置きが少し長くなりましたが、スマートループ渋滞情報の具体的な機能を解説しましょう。

 

●スマートループ渋滞情報

カロッツェリアのカーナビユーザーから送られてくる走行データを共有することで、細街路を除く日本の全道路(約70万km)という膨大な道路状況をリアルタイムに提供されます。VICSはインフラを使った渋滞情報のため、例えば交通量が少ない田舎道では道路情報の提供はありませんが、スマートループ渋滞情報はビッグデータを活用しているので、普段は渋滞なんてすることのない場所でもイベント等で交通が集中し一時的な渋滞でもリアルタイムに情報を発信することができるのです。また、大規模地震などの災害発生時に、実際の車両走行実績データを元に通行可能道路情報として提供するなど、プローブ情報は交通社会に役立つ重要な情報元とされています。

 

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↑オレンジの破線で表示されているのがスマートループによる渋滞情報

 

ちなみに、スマートループにはサイバーナビのフロントガラス前方を撮影する機能(一部のモデルで対応)によって、画像でリアルな道路状況を確認できる「スマートループ アイ」という機能も注目です。地図上で渋滞表示されている高速道路のジャンクションでは実は渋滞しているのは左側レーンだけだったということもありますよね。このように目で見てわかる情報の提供など、スマートループ自体もまだまだ進化しています。

 

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↑画面下部に表示されているのがスマートループ アイの画像。実際の写真でリアルな道路状況を確認できる

 

今回はカーナビで渋滞関連のキーワードをいくつかピックアップしました。こう見てくると、一口に道路情報といっても様々なものが提供されていることがわかります。VICSはインフラとして発展してきた情報提供サービス、スマートループ渋滞情報はビッグデータを生かしユーザーの走行データをもとに提供されるサービスと覚えるとよいでしょう。より快適にドライブしたい人は、膨大な情報を制する術を見直してみてください。