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クルマ
2023/4/15 11:25

改めて「カローラ スポーツ」に乗ってみたら…ハッチバックの最新存在意義

過日、カローラ クロスの試乗記事でも紹介したが、カローラは日本のスタンダードカーとして長期に渡って販売されてきたモデル。そのカローラシリーズのなかでも、ハッチバックタイプの「カローラ スポーツ」は現行型で最初に登場した。ハッチバックならではの魅力はどこにあるのか、ピックアップして見ていこう。

 

■今回紹介するクルマ

トヨタ/カローラ スポーツ

※試乗グレード:G “Z”(ガソリン・2WD)

価格:220万円~289万円(税込)

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

日本ではブームが終わっているけども……

現行型カローラは、まずこのハッチバックの「カローラ スポーツ」が2018年にデビューしたのを皮切りに、セダンの「カローラ」とワゴンの「カローラ ツーリング」が登場。その後、2021年にSUVタイプの「カローラ クロス」が発売され、現在は4兄弟という構成になっている。

 

クルマ自体は、カローラらしくすごくまっとうに、それでいて現代的に作りました! という最新モデルだが、4種類ものボディタイプから選べるクルマは、ほかを探してもなかなかない。実はこのハッチバックはカローラファミリーに復帰したモデルであり、先代型は「オーリス」という車名で販売されていた。余談だが、現行型も海外の一部地域では当初「オーリス」という名称で販売されたが、現在では改めて「カローラ」という名称に統一されている。

 

しかし4つのボディタイプがあるとはいえ、後になって追加されたSUV以外、セダンもワゴンも、そしてハッチバックも、正直なことを言えば、日本ではすでにブームが終わっているジャンル。個人的にオーリスが好きだったこともあり、「もしまたなくなってしまったら……」と考え、「今のうちに乗らなきゃいかん」という衝動に駆られて(笑)、借りだしてみた。なお、2022年10月にマイナーチェンジを受けて、パワートレインを刷新、安全・快適装備をアップグレードしている。

↑ラゲージスペースは9.5インチゴルフバッグが2個積める、352Lの容量を備えています

 

トヨタのこだわり、演出が随所に感じられるデザイン

フロントまわりのデザインは、ひと言でいってシャープだ。セダンやワゴンも同様のテイストだが、極力キャラクターラインを減らし、面は面として強調しつつも、ヘッドライトやグリルなど顔全体の構成物が中央のエンブレムに収束されている感じ。キリッとしていて、若干怒っているような表情に見えるのは、現在のカーデザインのトレンドにのっとったもの。

↑LEDライトを横方向に配置したヘッドライト。1灯の光源でロービームとハイビームの切り替えが行えるBi-Beam(バイ-ビーム)LEDを採用しています

 

一方、リアまわりは下部分をふっくらさせつつもシャープに見せるようなキャラクターラインがたくさん入っていてにぎやかな装い。また、リアウインドウは結構前方へ傾斜していて、スポーティさが強調されている。ハッチバックモデルのリアデザインというは、そのクルマの特徴であり、他車との違いをアピールできる部分でもある。そういった意味では、トヨタなりのこだわりが見てとれる。

↑いくつものラインが入ってはいるものの、全体を見るとシンプルなデザインに仕上がっています

 

↑ヘッドライトと同様に、切れ長でシャープな光を放つリヤコンビネーションランプ

 

全体的なスタイリングは、重心が低くてワイド。わかりやすくいえば、平べったく幅広になった印象だが、これはいわゆるスポーツカーの定番プロポーションである。フロントのシャープなデザインを基調に考えれば、セダンは重心が高そうに見えるし、ワゴンでは全長が長すぎて俊敏さが感じられない(実際の運動性能はそんなことないが)。ハッチバックのスタイリングは「低くてワイド」が実にしっくりきている。これもトヨタによるスポーティさの演出である。

↑全長4375×全幅1790×全高1460mm。また試乗モデルの総重量は1655kg

 

↑G“Z”グレードはタイヤ225/40R18、18×8J(切削光輝+ダークグレーメタリック塗装/センターオーナメント付)のホイールを標準装備

 

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