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2017/5/10 6:00

有機EL以外のブラビアこそ狙い目!? 液晶テレビの2017年モデルに注目すべし!

5月8日、ソニーがリフレッシュされた“ブラビア”の2017年モデルを発表。初となる大画面有機ELテレビに注目が集まっていますが、液晶テレビの新モデルも負けてはいません。むしろ、価格的にはこちらのスタンダードモデルが狙い目ともいえます。そこで、今回は有機ELテレビ以外の4モデルについてまとめてみました。

 

それぞれに個性的なスタンダードクラスの「X9000E」「X8500E」「X8000E」

X9000Eシリーズは液晶ならではの力強い明るさ、鮮やかなコントラスト感を引き出す直下型LED部分駆動型バックライトシステムを搭載する4K/HDRテレビの上位モデルです。サイズ展開は3種類で、いずれも価格はオープン。65型の「KJ-65X9000E」が44万円前後、55型の「KJ-55X9000E」が32万円前後、49型の「KJ-49X9000E」が24万円前後での販売が見込まれています。映像エンジン「HDR X1」はSDRからHDR映像への高精細なアップコンバートを実現。ブルーレイの映画やテレビ番組も高精細に楽しむことができます。

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↑直下型LEDバックライトシステムを採用する「X9000Eシリーズ」。発売は6月10日

 

X8500Eは大型の75型モデル「KJ-75X8500E」を含む3つのサイズを揃えるミドルクラスのシリーズ。価格はオープンですが、77型が60万円前後、65型の「KJ-X8500E」が37万円前後、55型の「KJ-X8500E」が28万円前後での販売を見込んでいます。本シリーズも映像エンジンに「HDR X1」を搭載。様々なインテリアに違和感なくなじむシンプルなデザインとしています。

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↑3つのサイズで展開する「X8500Eシリーズ」。発売は6月10日

 

X8000Eは4K/HDR対応の液晶テレビですが、倍速駆動のパネルを搭載しないブラビアのコンパクト&スタンダードモデルになります。価格はオープンですが、49型の「KJ-49X8000E」が21万円前後、43型の「KJ-43X8000E」が17万円前後での販売を見込んでいます。本機はブラックとウォームシルバーの2色から選べるカラーバリエーションを用意しています。

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↑カジュアルに4K/HDRが楽しめる「X8000Eシリーズ」。ブラックとウォームシルバーの2色が揃う。発売は6月24日

一段とスリムなデザインになった“ハイレゾ対応ブラビア”「X9500E」

X9500Eシリーズは“ハイレゾ対応”の4K/HDR液晶テレビです。本機も2つのサイズ展開となり、価格はオープンですが65型の「KJ-65X9500E」が55万円前後、55型の「KJ-55X9500E」が40万円前後で販売される見込みです。

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↑ハイレゾ対応スピーカーを搭載する液晶テレビ「X9500Eシリーズ」。発売は6月10日

 

映像エンジンは有機ELテレビ「A1シリーズ」と同じく、ブラビアの上位モデルだけに採用される「X1 Extreme」。画質のチューニングは液晶パネルに合わせこんで、明るく切れのある映像を再現します。エッジ型部分駆動方式のバックライトシステムによって光の明滅をコントロールする「Slim Backlight Drive+」を特徴としています。

 

本機は現行のハイレゾ対応ブラビア「X9350D」シリーズの後継機種となりますが、パネル側面に搭載するスピーカーユニットが格段に小型化されたことが大きな進化点。ディスプレイ全体の横幅サイズは10cmもスリムになりました。

 

中高音域用にはカーボン振動板の磁性流体スピーカーを搭載。振動板を四角くデザインしたことにより、少ない面積でよりパワフルなサウンドを再生します。高音域用には独立したトゥイーターを配置して、人の声や効果音の定位を明瞭に描きます。そして最上段にあるパッシブラジエーターが歪みのない中低音を増幅。スタンド部分にも重低音再生用の磁性流体スピーカーを採用するサブウーファーを配置して、薄型テレビながらオーディオコンポに迫るパンチ力のあるサウンドを蘇らせます。あらゆるサウンドをハイレゾ相当の音質にアップコンバートする「DSEE HX」も搭載しています。

 

スピーカー部分はカーボン調のテクスチャーとして、さらに本体背面のパネルはタイル状のデザインに。リビングに自然と溶け込むデザインとしています。

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↑X9500Eシリーズの背面パネル。見た目にもすっきりとしたタイル状のデザインとしている

Android TVを全機種が搭載

今回発表された2017年モデルのブラビア新製品は、有機ELの「A1シリーズ」を含めて5シリーズともAndroid TVを採用しています。インターネットにつないでAndroid TV専用のアプリをインストールすれば、VODに音楽配信、ゲームなどが楽しめます。ChromecastやアマゾンのFire TV Stickなど外付けHDMI端末を買い足さなくても、テレビ単体で様々なオンラインコンテンツにアクセスして楽しめるのでとても便利です。

 

ソニーではブラビアの2015年モデルからAndroid TVの採用を始めています。グーグルと密接に連携しながら、ユーザーインターフェースの細かな部分にまで改良を加えてきました。今年のモデルにもいくつかの新機能をもたせています。ホーム画面には視聴中の動画コンテンツが小画面表示できる機能を追加。また、マルチタスクの切り替えがスムーズにできるようになり、設定メニューも透過表示が可能になっています。

 

ほかにも本体電源がスタンバイの状態から、リモコンで見たい放送局の数字キーを押すだけでテレビを起動できる「チャンネルポン」や、EPG(電子番組表)の拡大/縮小表示に対応。リモコンに搭載されているマイクからの音声検索も、「時制(いつ)」+「キーワード(何を)」+「アクション(録画/再生の選択)」といった具合に、複数の条件を音声で入力することで、視聴、または録画予約をしたい番組が手軽に探せるようになりました。こちらの機能にはソニー独自の音声解析技術が用いられているので、ほかのAndroid TV搭載のデバイスよりも賢い操作感が実現されているそうです。

 

「これから買うべきテレビは4Kブラビア」

8日に開催された新製品発表会には、ソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社の代表取締役社長 高木一郎氏が登壇して、ブラビア新製品の特徴を語りました。

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↑ソニービデオ&サウンドプロダクツの高木一郎氏

 

ソニーでは「いまHDRによる市場拡大にチャレンジしている」と切り出した高木氏。ブラビアについては、上位モデルに搭載する高画質化エンジン「X1 Extreme」や、バックライト技術による高画質化がプレミアム戦略を牽引しており、世界的な薄型テレビのシェア比率は、ソニーが金額ベースで第3位。日本メーカーの中では最上位のポジションを堅持しています。「ソニーはグローバルでのテレビビジネスを唯一展開できている日本のメーカー」であると高木氏は胸を張ってスピーチしました。ブラビアが提案する新しいテレビ視聴のスタイルは、自社で開発・蓄積してきた技術資産がものをいっているとアピールします。

 

2017年の商品戦略については、従来通りに高画質・高音質を追求した「画・音一体となる究極の臨場感」を追求していくとコメントしました。有機EL、液晶に関わらず高画質化エンジンによる画づくりを熟成させていくとともに、プロダクトデザインはスタンド置き、壁掛けの両方で美しさを追求。さらにAndroid TVのプラットフォーム開発を充実させながら、音声検索などのインターフェースによって楽しみたいコンテンツへ素速くリーチできるよう使い勝手の向上を図るといいます。「今年はスポーツイベントも目白押しなので、ぜひ多くの方々に進化したブラビアで楽しんでもらいたい」と高木氏は呼びかけました。

 

続いてソニーマーケティング株式会社 代表取締役社長の河野 弘氏が登壇。河野氏は、インターネットを介して楽しめる映像コンテンツが充実してきたことで、ユーザーがテレビを視聴する時間が長くなっていると語りました。なかでも、テレビの視聴体験をより楽しくするために導入したAndroid TVのプラットフォームの手応えは上々のよう。「ブラビアはネットにつないで使っている方が多く、音声検索の機能を使うユーザーも約7割を超えている。見たいコンテンツは声で探すという、ユーザーがテレビに対して能動的に関わりを持ち始めている」と河野氏は見解を語りました。

 

今後は「テレビを見る」だけでなく「テレビを楽しむ」という能動的な視聴スタイルを提案していきたいとした河野氏は、「圧倒的な高画質だけでなく、簡単検索、視聴・録画やゲームアプリなど多彩な付き合い方ができる2017年の4Kブラビアは“これから買うべきテレビ”」であるとコメントしました。発表後大きな注目を集めているブラビアの2017年モデル。その“買うべきテレビ”が市場にどう活気をもたらすのか、いまから発売が楽しみです。