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歴史
2016/7/23 14:00

ボカロの曲を聴いて、日本史をマスターしよう!

私は日本史にまつわる記事をたくさん書いていますが、中学、高校時代は日本史が大の苦手科目でした。大学受験では、センター試験の日本史で壊滅的に点数がとれず、撃沈したという過去を持っています。ずばり日本史恐怖症でした。

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■私と日本史の思い出

私が日本史嫌いだった理由は、高校時代の授業がとにかくつまらなかったためです。教師がとんでもなくスローに喋る年配の人物であり、呪文や念仏を唱えているようなペースで授業が進むので、とにかく眠くなるのです。たまったものではありません。特に、昼休み後の5時間目の日本史は眠気を誘い、安らかな眠りについてしまったこともしばしばでした。

 

苦手を克服するために、語呂合わせの本などをいろいろ買ってみたのですが、やはり覚えられない。「鳴くよウグイス平安京」「いい国作ろう鎌倉幕府」「いくさ長引く日中戦争」とか、ポピュラーなものしか頭に入りません。もちろん、そんな簡単な用語や年号を覚えても試験に出るはずがないので、まったく意味がありませんでした。

 

■ボカロの曲で日本史を覚えよう

このコラムを読んでいる読者には、リアルな中学生や高校生の方もいらっしゃると思います。かつての私のように、日本史が苦手でヤバイと悩んでいる人もいることでしょう。そんな方にぜひおすすめしたいのが、『ボカロで覚える中学歴史』(学研プラス・編/学研プラス・刊)です。

 

タイトルの通り、ボカロの曲で日本史を覚えることができるという画期的な内容です。そしてCD付きなので、通学中に聴きながら覚えることができます。ボカロの曲なのでテンポもいいですし、何より眠くなりません! ああ、こんな素晴らしいものがあったんだ。私の高校時代にも欲しかったなあ。

 

ちなみに私の高校時代には『萌える英単語 もえたん』という、英単語集が大ヒットしました。ああ懐かしい。その名の通り、かわいらしい萌えイラスト、そして英単語の例文がアニメやゲームにまつわるものになっているという本格派です。当時はアキバ系文化がブームになった時代。そして、ネット文化が盛んな現代は、ボカロを使った参考書が出たというわけです。学習参考書は時代の風潮をよくあらわしているのですね。

 

■曲を聴いているうちに、みるみる暗記!

本書に収録されている曲は、「千本桜」などボカロの有名曲をアレンジしたものや、有名ボカロPによる書き下ろし。たとえば明治時代を扱った「明治維新ROCK」は、こんな感じの歌詞になっています。

 

いざ改革 明治維新

新たな基本方針 五箇条の御誓文

「万機公論ニ決スベシ」 (『ボカロで覚える中学歴史』より引用)

 

歌詞を抜き出しただけだと、ただ単語を並べただけに見えますが、曲のリズムに合っているので、聴いているぶんにはとても自然です。確かにこれなら、何回か聴いているだけで主要な用語や年号は、頭に入ってしまいます。スゴイ!

 

■日本史オタクと試験

さて、ここからは余談なのですが、日本史に関する思い出をいくつか書いてみます。学校には必ずと言っていいほど、日本史オタクがいます。戦国時代の武将やお城、新選組とか、特定の時期の出来事や人物だけに詳しいという人は結構いますよね。最近だとゲームの影響で、日本刀や、旧日本軍の軍艦に詳しい人も増えています。

 

しかし、悲しいことにそういう内容に限って、試験に出ないんですよね。たとえば、私の高校時代の友人には新選組マニアの女子がいました。彼女は新選組に関する知識は最強だったのですが、悲しいことに日本史ではいつも赤点でした。平安時代とか、戦後の総理大臣とかにさっぱり興味がなかったのです。吉田茂や田中角栄には萌えを感じない、というのが理由だとか。

 

日本史好き=点数が取れる、というわけではないのが、なかなか学校の勉強の複雑なところです。(文:元城健)

 

【参考文献】

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ボカロで覚える 中学歴史

著者:学研プラス(編)
出版社:学研プラス

史上初!PV映像付きボーカロイド曲で覚える参考書。中学歴史の重要項目が歌詞や映像にちりばめられた曲で、楽しく勉強できる。歌とセットになった本誌で、さらに分かりやすく解説。人気曲「千本桜」「脳漿炸裂ガール」の歴史バージョンほか、10曲入り。

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