パナソニックが3月22日、男性向けのエチケットゾーン用ボディトリマーを発表したとき、メディア業界はざわつきました。男性の大切なところ周りのケアって需要あるの? とか、そもそも製品レビューできるの? など、なにかこう、例えようのない複雑なものが業界内に広がっていったのです。
しかも、4月7日には東京・銀座のど真ん中でメディア向け体験会を開催するというではありませんか! 困惑はさらに深まるばかりです。とはいえ、業界初の製品と聞いたら行かざるをえません。期待と不安と野次馬根性いっぱいで体験会に参加してきました。
アンダーヘアを気にする男性は意外と多い!?
パナソニックは、カミソリシェーバーやヒゲトリマー、エチケットカッターなど、男性用のグルーミング商品を展開。そのラインナップに今回新たにアンダーヘア用が加わりました。気になる新製品開発に至った背景ですが、ビューティー・ヘルスケア商品課の陣内克博主幹は次のように説明します。
「男性でも全身ヘアケアは今や常識。ヒゲ以外で手入れしている部位について若い男性にアンケートをとると、やはり顔まわりが圧倒的に多いのですが、面白いのはワキよりもアンダーヘアが1.5ポイント高いこと。意外にアンダーヘアケアをしている人は多いのです。その理由のトップは、見た目が悪いから。見えないところだけれど、アンダーヘアもカッコよくしたいという意識が高まっています」(陣内主幹)
こうした男性のボディケア意識の高まりをうけ、業界初のアンダーヘアケア用ボディトリマー「ER-GK60」が誕生しました。
とはいえ、アンダーヘアの処理には「もし大事な部分を傷つけてしまったら……」という不安が伴いますよね。その点については開発時にも気を遣ったそうで、陣内主幹は「デリケートな部分なので、どの器具を使ってよいのか、どうすれば傷をつけることなくきちんと整えられるのかわからない人も多いと思います。そうした悩みを解決すべく、ER-GK60はやさしい、使いやすい、整えやすいという3点を追求しました」と説明しました。
「肌に優しい刃」だからチクチクしない!
バリカンやシェーバーのトリマーを使って直に体毛を剃った場合、刃に皮膚が食い込みチクチクするという経験をした人は多いでしょう。私もそうです。毛深すぎてうまく剃れず、血が滲んでしまう、なんてこともしばしば。
これは、バリカンなどはエッジ(固定刃)が角張っているので皮膚が引っかかり、さらに、刃と刃の間が広くて皮膚を挟んでしまうのでチクチクするから。その点、「ER-GK60」は、角を丸くしたラウンドエッジを採用。刃と刃の間も狭くしたことで皮膚が引っかからず、食い込むこともないので、直刃を当ててもまったく痛くありません。
使いやすさもこだわりぬかれています。アンダーヘアの処理は、Vゾーン(前)だけでなくIゾーン(股間)、Oゾーン(肛門周り)、そして男性特有のUゾーン(いわゆる袋ですね)もあり、かなり複雑です。下の写真では陣内主幹が身をもって処理する時の姿勢を見せてくれていますが、処理する部位を直接目で確認できないのが難点。そこで、お尻の割れ目などでも刃が届きやすいV字ヘッドを採用し、ボディもいろいろな角度で持ちやすい形状になっています。
流行のスタイルは“ちょい残し”!?
一通りの説明が終わったあと、会場中央に例の下半身マネキンが運び込まれました。人間で実演するわけにはいかないので、股間に人毛を植えた特注マネキンを準備したそうです。
ここで陣内主幹が普段実際にやっている使い方を見せながら「完全にツルツルにするのは日本人にはまだちょっと恥ずかしいかもしれません。今流行のスタイルは“ちょい残し”。6mmくらい残して整えておくと、薄くてきれいな人だという印象になります。整えているといういやらしさもない。パンツラインからはみ出るギャランドゥが気になる人は、その部分だけ直刃できれいに剃ってもいいでしょう」と解説してくれました。
続いて、スペシャルゲストとして、ファッションスタイリストの櫻井賢之さんが登場。
「私も全身の毛をケアしています」と語る櫻井さん。「普段から美容意識の高い人たちに囲まれていると、それが普通の感覚です。何もケアしていないと、ロケの後に銭湯に行った時に恥ずかしいですし(笑)。私は髪の毛用のトリマーでアンダーもケアしていますが、よく肌を挟んで痛い思いをしています。タレントさんたちもT字カミソリやヒゲ用トリマーで代用しており、使い勝手が悪くて苦労しているみたい。ER-GK60のような製品を皆、心待ちしていました。私も使ってみましたが、肌触りがよくて気持ちいいので、早く皆に薦めたいです」と語ってくれました。
また、櫻井さんによると、今年のメンズファッションのトレンドはオープンデコルテ。鎖骨部分から胸元にかけてかなり深く開いたシャツやカットソー、ニットが増えているとのこと。開襟シャツも今年の流行だそうです。「ボクサーパンツに代表される股上の浅いアンダーウエア、短パンも引き続き流行っていくので、開いた胸元から見える胸毛、パンツラインからのはみ出し、すね毛はしっかり処理したいところ。ER-GK60で処理するとジョリジョリせずに柔らかい感触になり、パートナーにも喜ばれるでしょう」というアドバイスもいただきました。
GetNavi野村編集長も恍惚の表情を浮かべる剃り心地
ここからは、実際のお試しタイムです。会場後方にあった試着室はそのためのものでした。剃った毛が衣服につかないよう、ここでガウンに着替えます。アンダーヘアの処理を試したい人向けに紙パンツも用意されていました。自分が勇者になるかどうか悩んだのですが、GetNavi野村純也編集長が決意したので、モデルを任せることに。
着替えた後にテラスに出て、銀座の中央通りの夜景を見ながら剃毛タイム。野村編集長は「剃っている行為自体が本当に気持ちよくて病みつきになる。僕はワキ毛が気になるタチで、今までヒゲ剃りを使って剃っていましたけど、毛が引っ張られて痛かったんです。でも、今後はこのER-GK60で全身を快適にケアできますね」とご満悦でした。
特注マネキンや編集長の生脚など、ここまで衝撃的な発表会もそうそうありませんが、製品自体はインパクトだけでなく細やかな気遣いと工夫に満ちたものでした。本製品の登場によってアンダーヘアケアを含め、ボディケアに注力する男性がますます増えていくことでしょう。少なくとも「剃ったあとのチクチクが嫌だから」という理由で躊躇していた人は、もう迷う必要はありません。あなたも見えないところのオシャレをはじめてみませんか?