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2017/3/31 11:30

新年度前にチェック! デキるビジネスパーソンの手帳活用術&4月始まりダイアリー人気ベスト5

まもなく新年度。会社にはフレッシュな新入社員もやってきて、先輩社員も自然に身が引き締まる時期です。もちろん、新しい会社に転職したり、今まで経験のない部署に異動したりして、仕事の内容が変わる人も少なくないでしょう。

 

これまでのやり方を見直すこの時期、「結果を出す人」になるために、自身の手帳の使い方が有効か否か、確認してみてはいかがでしょう。そこで今回は、商品開発コンサルタントでありビジネス書作家、さらには講演家として活動中の美崎栄一郎さんに、ご自身の手帳術をご紹介いただきます。ほぼ日手帳、能率手帳、ザウルス、PALM、グーグルカレンダー、100円ノート整理術など、さまざまな方法を試し、改良し続けることで得た「仕事がうまくいく手帳術、記録の取り方」を大公開します! 併せて、渋谷ロフトで人気の「4月始まり手帳」もご紹介~。

 

1.仕事もプライベートも手帳のマンスリー欄だけで管理するのが美崎流

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↑予定は一時iPadでも管理していたが、常時持ち歩ける携行性や素早く開ける利便性で紙の手帳がメインに戻ったとのこと

 

会社員時代は花王で15年間商品開発に携わるかたわら、プライベートでは毎月のべ150名以上の社会人を集め勉強会や交流会を数多く主催し、異業種でも多くの人脈を持つことから、いつしか「スーパーサラリーマン」と呼ばれるようになった美崎栄一郎さん。花王を退社後に独立し、忙しさも増すなか、美崎さんご自身が使いやすさにこだわって手帳をプロデュース。その手帳は大変なロングセラーになっています。もちろんご自身で愛用しているのもこの手帳。年間/月間/週間カレンダーがついていますが、予定表は月間カレンダーだけで管理しているそう。まずはそのお話からうかがいました。

 

「ボクは基本、マンスリーの部分だけで管理しています。いろいろ試行錯誤したのですが、複数の仕事が同時に動いているので1カ月単位で俯瞰して管理するのがわかりやすい。たとえばいまだと書籍の仕事を5冊同時に進行しています。そうすると5冊の段取りを考えなければいけないのに、1週間ごとのスケジュールで見るとわからなくなってしまうことがあります。その週には出てこない仕事があるかもしれないので、全体を俯瞰してみる必要があるのです。会社員時代も複数のプロジェクトにかかわる仕事だったので、スケジュール管理は手帳のマンスリー部分で管理してきました」

 

5冊の書籍や商品開発が同時進行しているという多忙な美崎さん。プライベートの予定はどのように管理しているのかも気になります。

 

「仕事もプライベートも同じ手帳のマンスリーの部分で管理しています。ウィークリーで見ていると急に予定が来る感じがするのがボクは嫌なんです。手帳を仕事とプライベートとで分けたいという方もいますが、あまりオススメしません。手帳は分けられても実行するのは自分ひとりしかいないからです。それにこっちに書いたり、あっちに書いたりが出るので、自分の予定を自分自身がダブルブッキングしてしまうことが出てくるので私は1冊の手帳で管理しています」

 

2.最初に書くペンにはこだわらない。見返す時に色分けをする

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↑美崎さんが色分けに使っている蛍光ペンはフリクションライト。薄い色合いでギラギラしないところが気に入っている

 

美崎さんの手帳を拝見すると、いくつか色分けされているスケジュールを発見。色はどのように使い分けているのでしょうか。

 

「最初に予定を手帳に書くときには文字を書くペンの色分けはそんなに気にする必要がないというのが結論です。なぜかというとそのペンがないと書けないということになってしまうので。この予定は赤で書くというルールにしていると赤のペンがないと書かない。その書かないというのが一番やってはいけないこと。だから最初に書く色は基本気にしません。

その代わりスケジュールを見やすくするために後から色分けはしています。普通のペンで書いた後に『フリクションライト』という蛍光ペンで色分けしています。グリーンは出張、イエローは執筆、重要なことやヘビーな予定はピンクを使っています。ここで大切なことは、毎日見返すこと。見返しながら考える。考えを整理しやすくするために色分けをしているのです。その時に移動手段や予定と予定の間にできる仕事がないか、外出中の持ち物は何かなど段取りするために見直すようにしています。段取りをどうするかを意識するために手帳があるのです」

 

3.アポイントの候補日時は効率よい予定を具体的に相手に明記

4.挙げた候補日時は「仮の予定」と手帳に記載

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↑仕事中は常にデスクの上に手帳を開いていつでも俯瞰できるようにしているそう

 

ノー残業デーやライフ・ワーク・バランスの推進など、限られた時間の中でいかに効率よく仕事を成し遂げるかが、最近では職場で強く求められています。常に複数のプロジェクトをこなす美崎さんに、予定管理のコツもお聞きしました。

 

「スケジュールはどこにどんな予定を入れるのかを、俯瞰して見る習慣がつくと効率よく行動ができます。例えばいま私は学研さんで取材を受けていますが、このアポイントを決めるときには午前の予定はセミナー参加、夕方は打ち合わせが入っていました。2つの予定の間が空いていたので、『13時〜15時であれば、五反田周辺の場所で取材対応可能です』と具体的に連絡しました。同じように効率よく動けそうな予定を手帳で見て候補日時として挙げています。時間は限られていますから、他の予定との兼ね合いをみながら自分のしたい仕事をどのように充てるのかを手帳で、私の場合はマンスリーのページを見て管理しているのです」

 

相手先に候補として挙げた予定、つまりまだ未確定の予定は、どのように手帳に書いているのでしょう。

 

「いったん先方に候補日時として挙げたところは“仮の予定”として手帳に記載します。私は書いた後に消せるフリクションぺンで書いていますが、付せんや貼って剥がせるシールで、その時間を“仮の予定”としてブロックしてもいいでしょう」

 

5.年間の目標を月間に落とし込んで手帳に書くとうまくいく!

6.手帳の予定は自分の人生のシナリオ

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↑こちらは美崎さんが実際に使った手帳の変遷。左は学生時代に使っていたシステム手帳。ほぼ日手帳を経て、自ら手帳をプロデュースしたのは2013年から

 

気がつけばもう4月だというのに、年初に立てた計画が全然実行できていない人も……。計画どおりに目標を達成する手帳術もアドバイスいただきました。

 

「今年、ボクは映画を100本見るという目標を立てています。DVDも含めて100本なので、映画館で見るのはその約半分。そうすると月にだいたい4本となります。私の仕事は商品開発ですので映画がヒットするのか否かをいち早く肌感覚で知りたい。映画の評価は初動1週間でだいたい決まるので、映画館で見る映画は公開1週間で見ることにしています。そういうときにも手帳のマンスリー欄でスケジュールを俯瞰してみるとどこが映画館に行けそうか一目でわかるようになります。

目標を年間ベースで立ててそれを月間で割り、具体的に手帳に落とし込んでいくやり方は、会社員時代に化粧品の開発をしたころに身に着けた方法です。化粧品の開発はたとえばリップスティックの開発で目指す色になるように配合するとしたら、試作品をいくつ作ったら思いどおりの色ができるのかという、だいたいの経験則があります。そうすると締め切りまでに実験をどのくらい入れられるか、1回の実験にどのくらいの時間がかかるのか、と落とし込んで考えていくのです。先ほどの映画の話もこれと同じ方法です」

 

若手社員の場合は、上司や先輩からの急な依頼や指示があり、自分の仕事がなかなかはかどらないという悩みもつきもの。そんな場面でも手帳は役に立つと美崎さんはいいます。

 

「映画にはシナリオがありますが、自分の仕事や人生は自分でシナリオを書くしかないと思っています。そのために手助けとなるのが手帳です。今日私の手帳には『学研さんに来て取材を受ける』と書いてあります。書いてあるからここに来ている。断ることもできたのに自分でシナリオを決めて来ているわけです。シナリオに書いてあることだから納得感があるのです。年代によっては上司や先輩に雑用ばかり言い付けられる立場の人もいるかもしれません。でも雑用も立派なスケジュールですから手帳に書くことをおすすめします。スケジュールを手帳でしっかりと管理していれば、『雑用』というスケジュールが入って来たときに、断ろうとか短くしようという意識が働くはずです。人から言われたときは雑用でも、自ら手帳に書き込めば『予定』になります。『雑用をこなす』という予定、つまり自分でシナリオを書いたことになりますから精神的にもいいはずです」

 

7.空きスペースに前年のスケジュールを貼る

8.自分の手帳に毎日1つ“カイゼン”を書くと習慣化できる

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↑ある時期は年間12冊手帳を替えて(つまり毎月違う手帳を使った!)、使い勝手を自ら試したという美崎さん。その時に“コピーして貼る”手帳術を編み出した

 

もしも美崎さんと同じようにマンスリーだけでスケジュール管理すると、ウィークリーページにも同じ予定を書くほうがよいのでしょうか。

 

「ウィークリーかマンスリーか、どちらを選択するかは『どちらかに書くのが正解』なんです。マンスリーと決めたらマンスリーだけにしか予定を書かなくていい。ウィークリーと決めたらウィークリーだけ。手帳の使わない部分は前年のスケジュールをコピーして貼り付けておくことをおすすめします。前年の予定を貼っておくと、どのくらい忙しくなりそうかも予想がつきます。また家族の予定、例えば学校から配られる年間行事の予定プリントも縮小コピーして手帳に貼ることをおすすめしています。自分に必要なところは限られていますが、例えば全校遠足の日なら『お弁当が必要だな』と事前に参照できていると効率的に行動ができます。仕事で工場とのやり取りがある場合は、工場の稼働予定なども貼っておくといいでしょう。はさんでいるだけだと落ちるので、貼ってしまうのがいい。空いているスペースにコピーして貼るという発想に行きついて随分と楽になりました」

 

最後に美崎さんから、過去の参照や現状の把握だけでなく、未来の自分も変えられるユニークな手帳術を教えていただきました。

 

「私の場合はウィークリー欄を予定表には使っていませんが、その代わりに毎日その日の反省点を1つだけ書くことにしています。例えば、傘を待たずに家を出て雨に降られた日には『天候確認を!』と書いておく。そうすると次の日には天気予報を確認してから出発するようになります。 1日ちょっとだけのカイゼン。これも日付がある手帳だからこそできる活用術だと思います」

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↑手帳マニアの美崎さんがプロデュースした『「結果を出す人」のビジネス手帳』(永岡書店)は2013年からのロングセラー。2017年度版は年度の替わる2018年3月までのページがあり年度で仕事をする人にもとても便利

 

やはり美崎さんのように「結果を出す人」には、計画を実行に移して成果につなげる工夫が手帳にも詰まっていました。これから4月。最近は手帳売り場も4月はじまりのラインナップが充実しています。新年に立てた目標が計画どおりという方も、そうでない方も、もう一度手帳術を見直してみませんか。

 

【Profile】

美崎栄一郎

商品開発コンサルタント、ビジネス書作家、講演家

花王で15年の勤務のあいだに10アイテム以上を担当。日用品であるアタックから化粧品ソフィーナ、化学品など分野の異なる商品開発を経験し、独立。文具、福祉、雑貨、ヘアケア品、旅館向け商品など多岐にわたる分野でコンサルティングを行う。コンサルティングでは商品のブレイクスルーが起こるポイントを速く設計することで1年でヒット商品となるように複合的にサポートする。企画から販売及び広報戦略までシナジーが起こるように仕組みを構築し、ヒットに繋げることをモットーとしている。ビジネス書作家としての活動は4月発売の近著に『超速片付け仕事術』(かんき出版)、『快速エクセル』(インプレス)などが予定されている。またDMMオンラインサロンが始まった。

美崎栄一郎のビジネスハック / 仕事の楽しさ研究所
https://lounge.dmm.com/detail/344/

公式サイト
http://note272.net/

 

 

渋谷ロフト 4月始まりダイアリー 人気ベスト5

1.ORANGE AIRLINES(オレンジエアライン) 2017年4月始まりダイアリー ステーショナリー (B6/月間) 880円

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トレンドの手描きタッチのペンが数本並んだ、オシャレなデザインカバーの手帳です。 月間タイプなので、薄くコンパクトで、普段使いにぴったりです。

 

2.ディズニー ガントチャートダイアリー(A5) 1300円

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蛍光印刷とエンボス加工の組み合わせがオシャレな4月始まりダイアリーです。 デザインはかわいいですが、ガントチャートフォーマットで、プロジェクトの各段階を作 業単位まで細かく記入することができ、進捗状況などを視覚的に把握できます。

 

3.MOLESKINE(モレスキン) 2017年 4月始まり 日本語版 ウィークリー ダイアリーハードカバー ラージ 3400円

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日々のスケジュールをびっしり書き込めるラージサイズの週間レフトタイプ。 付属品のステッカーは、日本語版ダイアリーだけの特別デザインを採用。4月始まり ですが、期間は1ヶ月余裕を持って、2017年3月~2018年4月までと、14ヶ月 間使えます。

 

4.ORANGE AIRLINES(オレンジエアライン) 2017年4月始まりダイアリー クルール (B6/週間レフト) 1700円

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スケジュールにメモに、いろいろな記録ができる週間レフトタイプです。シックなツート ンカラーが特徴で、シンプルですがおしゃれなデザイン。春らしいピンクが人気です。

 

5.2017年4月始まり 月間ダイアリー ダイカットネコ (A6 /月間) 1000円

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ピョンと出たネコ耳がキュートなダイカットダイアリー。 毎月のページには色々なポーズをしたネコが登場し、めくるのが楽しくなります。小さめのサイズなので、かばんをスッキリと持ちたい方におすすめです。

 

(2017年2月15日~3月15日調べ。価格はすべて税抜き)

 

<問い合わせ先>
渋谷ロフト 03-3462-3807(代表)
ネットストア:http://loft.omni7.jp/

 

文・構成=プロデュース・オン・デマンド 撮影=田実雄大(ブリッジ)

 

【URL】

何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」

http://at-living.press