文房具
2016/9/13 10:00

フリーアドレス時代のカッターナイフ選びーー「細」「短」「軽」な携帯性を重視せよ!

ここ最近、フリーアドレス制のオフィスというのがかなり増えてきたようだ。決まった机がなく、どこで仕事をしてもいい、という気軽なシステムではあるが、文房具好きとしては困ることもある。机の引き出しに文房具を詰め込んだりできないし、なによりペン立てを机の上に置いておくこともできないのだ。普段から大量の文房具を抱えてアレコレ使い倒したい派としては、いささか不便な状況と言えるだろう。

 

そうなると、オフィス用ペンケースに必要な文房具一式を詰めて机を渡り歩くことになるのだが、ペン立てや机の引き出しと違って、ペンケースの搭載量というのはさほど大きくない。中に何を入れておくかのチョイスには、神経を使うべきだろう。

 

入れておく文房具の中でも使用頻度の低い(とはいえ、入れておかないと困る)ものは、できるだけコンパクトサイズのものに変えてしまうというのも必要な対策だ。そこでまず、コンパクトなものに変えるといいのが、カッターナイフだ。一般的にペンやハサミと比較して使用頻度は低めなので、とりあえず専有体積を削っておこう、という攻め方である。

 

 

■檄細! 場所をとらないスリムタイプ

KAI 職専 目透かし

540円

「職専 目透かし」は、見た瞬間に思わず「ほそっ!」と声が出そうなぐらいに細い、ペンのような……というか、ほぼペンと同じ太さのカッターナイフだ。

 

↑S刃と比較してもこの細さ
↑S刃と比較してもこの細さ

 

基本的には建築用で、狭いところや刃が入りにくいところに使う作業道具。なので、あまり文房具屋では扱っていない。欲しいときは、ホームセンターで探すのが良いだろう。

↑細さを活かして、立てる系ペンケースとの相性は抜群
↑細さを活かして、立てる系ペンケースとの相性は抜群

 

見た通りとにかく細いので、刃を出し過ぎると簡単に折れるし、切り口がブレることもある。使うときは、あまり刃を出しすぎないのがコツだ。

↑刃を出さないままで鉛筆が削れる特殊な刃ガード
↑刃を出さないままで鉛筆が削れる特殊な刃ガード

 

ただ、刃ガードが特殊な形状をしており、刃を出さないままでも鉛筆を削ることができるのは、いいアイデアだ。刃が細いからといって使い勝手が悪くならないような工夫がされているのである。

 

 

■全長7㎝! 重量7.1g!! まったく邪魔にならない超コンパクトタイプ

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ミドリ CLカッター

389円 

ミドリのコンパクトステーショナリー「CLシリーズ」のカッターということで、筆箱に放り込もうがポケットに入れようが邪魔にならない、極小サイズである。

 

このサイズながら、コンパクトな繰り出しナイフとは違い、刃をきちんと折って使えるカッターナイフになっている。刃は専用の替え刃もあるが、いざというときは一般的なS刃をサイズが合うように折って入れても使用可能(ただし、刃がかなりもったいないことになる)。

↑刃を裏返して装着することで、左利き用としても使える
↑刃を裏返して装着することで、左利き用としても使える

 

刃を裏表入れ替えることで左利きでも使える左右両利き対応デザインとなっているのも嬉しい。

↑底に沈まないよう、トレー状で使えるタイプのペンケースがおすすめ
↑底に沈まないよう、トレー状で使えるタイプのペンケースがおすすめ

 

欠点は、あまりに小さすぎて、最近流行りの立つタイプのペンケースだと底に沈んで取り出しにくいということ。逆に、もし筆箱に入れたまま外で職務質問を受けた時など、刃渡り6㎝以下ということで銃刀法違反に問われないメリットも。あらかじめ、使う環境を考えてから導入しよう。

 

 

■小さくてもフルサイズカッター!

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コクヨ C3

324円

前述の2点のカッターは、特殊刃を使うことでダウンサイジングをはたしたのに対し、C3はS刃がそのまま使えるのに、普通のカッターより約15%も小さい。これは、後端のクリップを横スライド式にすることで、全体のシルエットをかなり短くしているのだ。

↑一般的なカッターと比較して、このコンパクトさ
↑一般的なカッターと比較して、このコンパクトさ

 

↑刃を折るクリップパーツをコンパクト化
↑刃を折るクリップパーツをコンパクト化

 

これだけ小さくなっていると、女性や手が小さめの人でも取り回しが本当にラクである。書店員さんなど、カッター必須の職業の方がエプロンに放り込んでおくにも最適だろう。

↑小さめの筆箱でも違和感なくスルッと入る
↑小さめの筆箱でも違和感なくスルッと入る

 

とはいえ、ただ小さくなっているだけでなく、切っている最中に刃が勝手に引っ込んだりしないオートロック機構がついていたりと、きちんと本格派の性能を持っているのがすごい。しょっちゅう使うからカッターとしての性能はちゃんとしていて、でもサイズ的にはちょっと小さいとありがたい……、といった贅沢な要望にもぴったりハマるカッターだ。

 

 

■カッターじゃないけど意外と便利! 

コンパクトなカッターナイフをオススメしておきながら申し訳ないが、番外編的にひとつご紹介しておこう。

 

40代以降の人間ならだいたい懐かしく感じる、折りたたみ式のカミソリナイフ。メーカーによってボンナイフやミッキーナイフなど様々な名称があったが、これは「ナルビーナイフ」と呼ばれていたもの。小学生の頃、この手のナイフで鉛筆を削ったり木の枝を裂いたりした人は多いのではないか。

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ナルビー カラーナイフ

108円

……などと言うと、もう手に入らない懐古系アイテムと思われるかもしれないが、ナルビーは今でもちゃんと文房具店で購入できる現行商品なのだ。削る、切るともに充分の使いやすさ。なにより、子供の頃から使い込んできた手慣れ感もある。カッターナイフから再乗り換えしちゃうのもアリかもしれない。

 

あと一点、カッターを使うときは必ずカッターマットを使ってもらいたい。机の天板を傷つけることもないし、なによりカッターの刃を長持ちさせてしっかり切ることができるのだ。さすがにマットはペンケースに入らないが、コンパクトなものを常備しておくと、ちょっとしたカット作業に役に立つ。

↑スリムタイプのマットをさらにカットした自作ミニマット。ちょっとした作業ならこれでも充分
↑スリムタイプのマットをさらにカットした自作ミニマット。ちょっとした作業ならこれでも充分

 

各メーカーから折りたたみ式やスリムタイプが発売されているが、それでも大きいという人は、100均で売ってる安いマットをカットして(カッターで何度か深く切り込んでからパキッと折るか、工具ばさみで切る)やると、自分サイズのマットが手に入る。