2017年は大政奉還より150周年を迎えるアニバーサリーイヤー。この記念すべき年に、幕末の志士として名高い、坂本龍馬が暗殺の5日前に書き記していた書状が新発見・初公開されることとなりました。
「新国家」の表現 初めて使用
この手紙は、大政奉還の後日、慶応三(1867)年十一月十日付けで、京都にいた龍馬から、福井藩重役の中根雪江(なかねゆきえ)という人物宛に送られたもの。手紙の日付が事実なら、龍馬暗殺(慶応三年十一月十五日)の5日前に執筆されたものになります。
手紙の内容としては、後の明治維新で、五箇条の御誓文の起草に貢献する福井藩の志士、三岡八郎(由利公正)の新政府への参加を龍馬が懇願するもの。この書状のなかでは、龍馬が書いたものとしてはじめて「新国家」という表現が使用されています。会見で解説を務めた、京都国立博物館上席研究員 宮川禎一氏によれば、大政奉還後の動乱のなかから、「国家」を新たに興すという、龍馬の決意と積極性を示す史料として非常に価値が高く、第一級の史料だということです。
この貴重な史料は、高知城歴史博物館にて、3月4日(土)~5月7日(日)一般公開されます。
また、今回の会見では、同時に初公開となる龍馬をはじめとした、幕末に撮影されたガラス湿板写真の数々も発表されました。こちらは、4月より宿毛市立宿毛記念館など、県内各地にて写真展として公開・巡回されるそうです。
手紙の公開と同時に、「志国高知 幕末維新博」が開幕!
さらに、新発見の手紙の公開と合わせて、3月4日より、観光キャンペーン「志国高知 幕末維新博―時代は土佐の山間より―」の開催も発表されました。
このキャンペーンは、2018年の3月まで、高知県立高知城歴史博物館・坂本龍馬記念館をメイン会場として、県内合計22の地域会場をリニューアル・継続的なイベントを行うことで、高知の風土・文化に親しんでもらおうというもの。
尾崎正直高知県知事は、会見にて「歴史・自然・食が三位一体となったキャンペーン。龍馬の手紙をはじめとした、“本物”の歴史を体感できるコンテンツと、独自の周遊コースなど、高知を満喫し尽せるご用意を整えました。みなさまのお越しをぜひお待ちしています」と力強く開会を宣言。“大政奉還150周年”ということで、鹿児島や山口など、他県とも連携した試みも行う意欲を見せていました。
2017年は、幕末のロマンをはじめ、魅力溢れる高知県から目が離せそうにありません! 休日などを利用して、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?