NTTドコモの廉価版料金プラン「ahamo」が、料金そのままでデータ容量を20GBから30GBにアップするなど、各社のプランで使用可能データ量の増大が相次いでいます。一方で、そこまで多くのデータは使用しないという人も多いのではないでしょうか。
そんな中、ローソンに来店するだけで使用可能なデータ容量が増える「povo Data Oasis」がスタートしてライトユーザーから注目を集めています。
物価高時代、どのように通信費を節約していくべきか? povoの新サービス解説とともに、「超格安プラン」を比較検討してみました。
月間通信量の中央値は意外に少ない
通信各社が展開するスマホプランのデータ量は近年、少しずつ増大を続けています。最近だと、ahamoが料金はそのままで月間データ量を20GBから30GBに増やしたことを皮切りに、UQモバイルやLINEMOも追随するという動きがありました。
ここで一つ疑問に思うのが、「本当にすべてのユーザーがそんなに多くのデータ量を使っているのだろうか」ということです。
電車通勤時に多くのデータ量を消費するような人なら、大容量プランや無制限プランを選択するべきでしょう。しかし、車・自転車通勤で、自宅と職場ではWi-Fiを使用するような人の場合、データ量をほとんど消費しないというケースも多く見られます。
ICT市場のリサーチを行うMM総研が2024年7月に行った調査によると、スマホ利用者の月間データ通信量は平均11.47GBで、前回調査と比較して0.39GB増加しています。
一方、中央値は3GBとなっており、有効回答のうち52.9%が月3GB以下の通信量で済んでいるという結果が出ています。このうち、月1GBで収まっているユーザーは25.6%もいたそうです。
世の中は物価高時代。データ量をほとんど使用していない人は、できるだけ通信料がかからないプランに乗り換えて節約をするべきでしょう。
では、povoが新たに始めた無料データチャージサービス「povo Data Oasis」とはどんなものなのでしょうか。
ローソンに行くだけでデータがもらえる!
データ量を多く使わないライトユーザーにとって、有力な選択肢となる格安スマホプラン「povo」。月々の基本料金は0円で、必要に応じて「1GB/7日間」や「24時間使い放題」などのトッピングを都度購入するシステムなので、上手く使えば月々の通信料を大きく抑えることができます。
そのpovoが、ローソンと組んだ新たなサービス「povo Data Oasis」をスタートさせました。これは、ローソンに行くだけでデータ容量0.1GB(24時間使用可能)をチャージできるというもので、月10回、合計1GBまで無料で使えることになります。
実際にチャージをしてみましたが、手続きはローソンでpovo×LAWSONの専用サイトにアクセスし、「チャージを追加する」を選択するだけ。初回はメールによる認証が必要でしたが、2回目以降は拍子抜けするほど簡単に0.1GBを追加することができました。
位置情報をオンにした上でローソンに行って簡単な操作をするだけなので、買い物の必要はなし。また、アンケートに答えるなどといった手間も不要なので、ユーザーファーストの便利なサービスに仕上がっていると感じました。月1GB程度で収まるライトユーザーには大きな助けとなるはずです。
ただし、「povo Data Oasis」のみでスマホを0円運用することはできません。povoには「180日間以上有料トッピングの購入等がない場合、利用停止、契約解除となることがある」という決まりがあるため、無料チャージのみだと継続使用は不可能です。
これを回避するためには、低価格トッピングとの組み合わせがおすすめです。
povoには「1GB/180日間 1260円」というトッピングがあります。1ヵ月あたりにすると210円で約0.17GBしか使えませんが、これに「povo Data Oasis」を組み合わせれば、月210円で1.17GBを使うことができます。
「povo Data Oasis」には月10回までという制限があるため、毎日外出する人は上記の条件で使い続けることは少々難しいですが、外出が少なめのライトユーザーの場合、これで十分という人もいるのではないでしょうか。
商品購入でデータがもらえる「povo shop」 も合わせて使いたい
節約運用をする際にもう一つ注目したいpovo×LAWSONのサービスが「povo shop」です。これは、ローソンの商品とpovoの通信データをセットでお得に購入できるもの。
これまでも同様のサービスはあったのですが、以前は購入後すぐにデータ量が追加されるものの、ローソンの商品は後日クーポンがメールで送られてくるシステムとなっており、使い勝手が良いものではありませんでした。
今回それが改善され、5分以内を目安にデジタルクーポンがメールで届くようになっています。
実際に「ローソンお買い物券500円分+データ追加0.3GBで500円」のセットを購入してみましたが、0.3GBは購入後即時反映され、それとほぼ同時に案内メールが届き、記載されているコードを店内にあるLoppiに入力することで、お買い物券をその場で発行することができました。
サービスイン時点では、お買い物券500円分やプレミアムロールケーキ、からあげクンなどとのセットが販売されており、どれもデータ量は0.3GB(24時間)となっていました。
ローソンで買い物をする人は、上記の「povo Data Oasis」を組み合わせて使うことで、より多くのデータ量を稼ぐことが可能になります。
超格安プランは他にどんな選択肢がある?
ここまで解説してきたとおり、povoの場合はローソンに立ち寄るという手間を惜しまなければ、月210円で約1.17GBを使うことが可能です。
それでは、他社の場合どんな選択肢があるのでしょうか? ここからは超格安プランを3つピックアップしてみます。
基本料金・月額料金ともに0円のサービスが「みんギガ」です。
アンケートに答えると、1回につき0.5GBもらえるシステムとなっており、一切の出費なく使うことが可能です。月2回程度アンケートが配信されるので、無料で1GB使えることになります。
ただし、サービス対象がZ世代のみとなっており、18歳以上25歳以下でないと申し込みできないことが難点です。
・HISモバイル
HISモバイルが展開している超格安プランが「自由自在2.0プラン」です。
月額料金は280円と最安値クラスですが、データ量は100MB(0.1GB)と控えめなので、サブ回線として使うか、ほとんど外出しない人にはおすすめできるプランです。
一方、メイン回線で使う場合、いくらライトユーザーでも月100MBではあっという間に使い切ってしまいます。
追加データ量は1GBごとに200円で購入できるので、月480円1.1GBとして使うのが現実的な使い方となるでしょう。
・日本通信SIM
格安SIMの老舗である日本通信SIMが展開する「合理的シンプル290プラン」も、節約派には有力な選択肢です。
プラン名どおり、月額料金は290円。データ量は月1GBなので、Wi-Fiメインのライトユーザーなら、これだけで十分運用が可能です。
超格安プランはpovoと日本通信SIMが一歩リードか
超格安で使えるプランを4つ紹介しましたが、このうちZ世代限定の「みんギガ」と、月0.1GBの「HISモバイル」は、使う人を選ぶサービスと言えそうです。
povoまたは日本通信SIMが多くのライトユーザーにとって有力な選択肢となりそうですが、それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあるので、どちらが良いかは使い方や生活スタイルによっても変わってくるでしょう。
povo(小容量トッピング+povo Data Oasis 月210円/約1.17GB)
・メリット→KDDIのオンライン専用格安プランなので、通信品質が比較的安定している
・デメリット→povo Data Oasisを使えるのは月10回まで。ローソンに行く手間も必要
日本通信SIM(合理的シンプル290プラン 月290円/1GB)
・メリット→月10回のような制限はなく、毎月1GBを使える
・デメリット→MVNOのため、通信品質が若干劣る
スマホはもはや生活インフラなので、基本的にはいたずらに節約するべきではありません。しかし、ほとんど使っていないのに中容量以上のプランを契約し続けて、毎月データを余らせることほど無駄なこともないでしょう。ここで紹介したような超格安プランも視野に入れ、賢く節約をしてみてください。