グルメ
2025/2/10 21:00

とんかつの名門「まい泉」が禁じ手を解禁!? その名も「甘い誘惑ハムかつサンド」をいざ実食!

いまや来客の約半数を訪日外国人客が占めるという「とんかつまい泉 青山本店」。ここで催された発表会にお目見えしたのは、意外や意外、同社お初となる“ハムかつ”サンドだった!

↑2025年1月29日から発売の新商品「甘い誘惑ハムかつサンド」

 

 

ド定番はご存知「ヒレかつサンド」

とんかつのまい泉と言えば、定食をはじめとして、エキナカや空港では旅の友としても大人気。「新幹線や飛行機に乗る時は必ず買う」というかつ好き、通称「かつラー」(?)も多数いらっしゃる模様。そんなかつラーの支持第一党たるまい泉のド定番が、「ヒレかつサンド」である。

↑まい泉のヒレかつサンド、おな~り~。お値段は3切入りで税抜430円。ほかに6切入り、9切入りもスタンバイ! ハニーマスタード味もある

 

1965年。帝国劇場そばに初代店舗を構え、着飾って来場する婦人たちが観劇しながら、スマートに、おいしく食せるようなサンドボックスを、というニーズから生まれたまい泉のヒレかつサンド。小ぶりなサイズ、耳をカットしたパン、あえてのキャベツレス、筋を叩いて箸でも切れる柔らかなかつといった特徴を、現在まで守り続けている。

↑1965年12月創業。カウンターで10席。日比谷帝国劇場近く、日比谷三井ビル地下でその第一歩を刻んだ

 

そのまい泉からこの度、一通の招待状が届けられた。曰く、約4年ぶりのサンドイッチ新商品発表会とある。これは! と嬉しい予感を得た筆者は、取るものもとりあえず、かつハラペコで、まい泉青山本店の暖簾をくぐった次第。

 

約4年ぶりの新サンドイッチ、それは「ハムかつサンド」であった。

↑ハムかつサンド。3切入り税込440円ナリ

 

”とんかつ屋のハムかつサンド”と言われても意外性はない。人によっては「あって当然」と感じるだろう。しかしこれがまい泉にとって約4年ぶりの新サンドであるばかりでなく、ハムかつサンド自体が初めての商品化というのだから、意外を通り越して、事件である。

 

ハムかつサンドはなぜ、今までなかったのか?

↑まい泉を運営する「井筒まい泉」代表取締役社長、國弘克英さん。揚げたてのかつのようにアッツイ御仁でございました

 

井筒まい泉の代表取締役社長、國弘克英さんに直撃した。

 

「私たちのかつの人気調査からは、(1)とんかつ (2)チキンかつ (3)メンチかつ (4)ハムかつと、ハムかつの定番的な人気が判ります。ですから、出来合いのハムを買ってくればすぐにでもハムかつサンドの商品化はできるし、売れるでしょう。しかし、それはまい泉なのか? 違うよね? という自問自答が、現在までハムかつサンドを売り出せなかった理由です」

 

なるほど。あの肉のふくよかな歯ごたえ、脂とソースのうまみ、ふわふわのパンとの味な四重奏。ヒレかつサンドの評価が高い分、ハムかつサンドへの期待値も高くなる。味の評価が厳しくなる。半端なものを作れば「これでまい泉なのか」と、たぶん、酷評されるだろう。

 

商品開発部の三谷貢一さんが続ける。

 

「やろうと思えばすぐにでもできる。しかしどうすれば、まい泉らしく作れるのか、そこがポイントです。答えはわたしたちのオリジナルブランド豚『甘い誘惑』でハムから作る、これだと直感しました。ミリ単位で調整したハムの厚みは、ズバリ9mm!です」

↑サンドの厚みは約35mm、長さは80mm。かつサンドとサイズ感は同じだが、達磨のたい焼きよろしく、隅までかつが行き届いているのが、食欲をそそる。ちなみにハムの厚みは2mmから開発スタート。10mmまでミリ単位で調整し、食べごたえと、脂を食す具合のちょうどよさから、9mmに着地したという

 

まい泉は千葉の畜産農家2軒と協業し、昭和の時代に親しまれた「中ヨークシャー種豚」を手掛けている。これはいま普及している三元豚ではなく一元豚、つまり純血種豚。一般より長い飼育期間と、切り落とすパンの耳を飼料に混ぜる工夫の掛け合わせで、肉のコクが深まるのだという。

 

この「甘い誘惑」は2012年から店舗メニューに投入されたものの、肉の生産量が限られるため、サンドに回せなかった事情もある。

 

しかし、時は今!

 

訪日外国人客の増加、アフターコロナの国内旅行の活性化により、ヒレかつサンドの人気は爆上がり。メンチかつサンドやエビかつサンドなど、ファミリーも拡大した。甘い誘惑の生産性も上がり、そこに満を持して投入されるのが、ハムかつサンドというわけだ。

 

営業本部長の作田謙さんも、ハムかつサンド登場に大きく期待する一人だ。

 

「おかげさまでサンドシリーズの人気は非常に高く、売り場からは『新しいサンドメニューを』と切望されていました。ハムかつサンドの月間販売目標は5万個設定ですが、この数字はエビかつサンドの実績とほぼ同数。1月29日の全店一斉発売をもって、ロケットスタートを決めたいと思います!」

↑甘い誘惑ハムかつサンドを手に、スウィートなスマイルを浮かべる三人衆。中央が國弘社長、右が開発担当の三谷さん、左が営業本部長の作田さんで「よろしくお願いいたします!!!」

 

同社サンドの「個」単位は、3切入りを1個と勘定する。ちなみに不動の一位はヒレかつサンドで、月平均販売数はなんと35万個と圧倒的だ!

 

「ハムかつが美味しいのは皆知っている。でも、とんかつに比べるとちょっと安いものと見られています。しかし今回、ヒレかつサンドより10円高い440円(税抜)としました。この値付けからも、まい泉の『甘い誘惑ハムかつサンド』に対する自信を感じていただけると思います!」と國弘社長、思わず力コブでございます。

 

いざ、実食!

↑撮影商品とはいえ、ハムかつサンドとヒレかつサンドの共演には胸躍ります。これは叶えることのできる、オトナの夢と言えましょう

 

ハムっと口にすれば肉の脂とハムかつサンド専用ソースの合体スープレックス! 次の一口が止まらず、パクパクと3切まもなく完食。小ぶりながら思ったより食べ応えがあり、働き盛りのゲットナビウェブ世代でも、高密度な満足が得られるはず。こりゃ、平たく言って、ウマいっす! そして安いと思うぞ!

 

かつを手軽にちょうどいいサイズで楽しめる、おそらく唯一のブランド、それが「まい泉」。「甘い誘惑ハムかつサンド」は、ウルトラファミリーのタロウのごとく、由緒正しき、そして少しやんちゃな超大型新人なのである!

 

まい泉(井筒まい泉)
甘い誘惑ハムかつサンド
440円(税抜)
2025年1月29日(水)全国直営店ならびにスーパーなどで発売開始