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2025/4/5 10:00

山下美月インタビュー「年齢関係なく仲良くなれるのがオンラインゲームの魅力」映画「山田くんとLv999の恋をする」

コミックのシリーズ売上は累計600万部突破、名だたる漫画賞で大賞を受賞し、2023年にはアニメ化もされた「山田くんとLv999の恋をする」の実写映画版が公開中。“最強ギャップ男子”の山田(作間龍斗)との難攻不落な恋に挑む女子大生・茜を演じるのは、乃木坂46卒業後も俳優としてドラマや映画で活躍を続けている山下美月さん。撮影を振り返り、共に主演する作間さんはじめ個性的なキャストたち、安川有果監督とのエピソードを話してもらった。

 

こちらは「GetNavi」2025年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

山下美月●やました・みづき…1999年7月26日生まれ。東京都出身。乃木坂46の3期生として活動後、2024年5月卒業。近年の出演作に、連続テレビ小説『舞いあがれ!』、ドラマ『スタンドUPスタート』『弁護士ソドム』『さらば、佳き日』『下剋上球児』『Eye Love You』『降り積もれ孤独な死よ』『御曹司に恋はムズすぎる』、映画『六人の嘘つきな大学生』など。「CanCam」専属モデルとしても活躍中。Instagram

【山下美月さん撮り下ろ写真】

 

あえて自分との共通点を挙げるとしたら、お姉さんっぽさ?

──大人気漫画の実写映画化になります。

 

山下 幅広い世代から支持されている原作ですので、どう見せたら不自然じゃないかというところを考えました。原作のある作品を実写に落とし込むことは大変な作業ではあるのですが、漫画やアニメのシーンが現実世界だとこうなるということを納得していただけるように、ナチュラル且つポップに演じることを心掛けていました。

 

──原作はもともとご存知でしたか?

 

山下 以前から作品のことは知っていて、出演のお話を頂いてから本格的に読み始めたのですが、一日で全巻読み切ってしまいました……!

 

──特にどんなところに魅力を?

 

山下 ラブコメと聞くと、学生時代に友達と一緒に見に行ったりとか、多くの人が一度は見ているイメージがあります。その中で、この作品はちょっと今っぽい新しさがあるというか。ラブコメならではのドタバタ感はありつつも、登場人物に悪人がいなくて優しい世界観で物語が描かれているし、オンラインゲームを通じて知り合った人と現実世界でも出会って、そこから絆が生まれていく展開が新鮮でした。私自身はあまりオンラインゲームをやったことがなかったので、こういう世界があるのだなって。今の時代はマッチングアプリなども流行していて、出会い方の多様性も広がってきています。こういう形で自分とぴったりの人を見つけることができたら、すてきなことだと思いました。

 

──映画の中にも、音楽や演出面でゲームっぽい要素が散りばめられていますね。

 

山下 ゲームのシーンは合成用のリーンで撮影していたこともあって、現場では完成形を見られませんでした。なので、実際に映画を見て“うわ~、すごい!”って。劇中に出てくるゲームの中の声をアニメ版の声優の方々が担当されていることにも感動しました。ゲームの映像制作も大変だったと思うのですが、すごく完成度の高いものに仕上がっていて。スタッフさんの力はすごいなとあらためて思いました。

 

──今回演じた茜というキャラクターについては、どのように捉えていますか?

 

山下 根っから明るい性格で、誰ともすぐに仲良くなれるし、コミュ力が高くてうらやましいです。私自身はちょっと人見知りなところがあるし、茜ほど太陽のような明るさは持っていないので……(笑)。あえて自分との共通点を挙げるとしたら、お姉さんっぽさですかね……? 茜は中学生の瑠奈ちゃん(月島琉衣)をかわいがるのですが、そうやって年下の子の面倒を見たくなるところは共感します。山田(作間龍斗)に対しても普段はタジタジだけど、ときどきお姉さんらしい一面を出しますし。後輩を目の前にすると、話を聞きたくなったりご飯に連れて行きたくなったりするところは自分と似ているなと思いました。

 

──確かに周りに年下のキャラクターがいる分、茜にはしっかり者の面も垣間見えますね。

 

山下 男子高校生と女子大学生の恋が描かれることって、ラブコメ作品としてはなかなか珍しいですよね。茜もその年齢差の部分で悩んだりもするのですが、周りには鴨田さん(鈴木もぐら)のように年上の方もいて。そうやって年齢関係なく仲良くなれるのがオンラインゲームの魅力でもあり、ゲームを題材にした作品の中にそれを落とし込んでいるところも面白いと思いました。

 

茜のおかげで撮影期間中の私は、いつも以上に元気でいられました(笑)

 

──映画からは、ギルド(ゲームプレーヤーたちが集まったグループ)の和気あいあいとした雰囲気も伝わってきました。実際の撮影現場も明るかったですか?

 

山下 明るい現場でしたが、私以外にも人見知りの方が意外と多くて(笑)。序盤はお互いに絶妙な距離感を保ちつつ、役柄のようにワイワイしていたというよりは、皆さん敬語で話す感じでした。ですので最初は“大丈夫かな?”と焦りもありましたが、撮影を重ねるにつれて気軽に話せるようになっていって。ゲームのコラボカフェに行くシーンなどは最後の方に撮影したのですが、そのときはすごく仲良くなっていました。劇中のギルドの関係性のようになって本当によかったです。

 

──特に文化祭のシーンが楽しそうでした。

 

山下 楽しかったです。エキストラの方がたくさん参加してくださって、しかも皆さん現役高校生の方ばかりで“高校生ってこんなにパワーがあるんだ!”と感じました。自分が高校生だったときは全く自覚していなかったのですが、こんなにもキラキラしていて、夢を持っていて、肌もピチピチで、スカートも短いんだ……みたいな(笑)。私にもこんな時代があったのかなと振り返りながら撮影していました。でも茜はそうやって高校生に混じっているときも、瑠奈ちゃんと一緒にいるときも、同じ目線で楽しく話ができるキャラクターですよね。おかげで撮影期間中の私は、いつも以上に元気でいられました(笑)。

 

──相手役の作間さんの印象についても聞かせてください。

 

山下 実際に声の感じや醸し出す雰囲気に山田っぽさを感じて、私も演じやすく、引っ張っていただきました。でもご本人の性格的には、本番以外ではいつも冗談をおっしゃっているイメージがあって、面白い方という印象でした。

 

──山田っぽさというのは具体的にどんなところですか?

 

山下 山田はミステリアスなキャラクターですが、わざわざ自分から自分を隠しているわけではないと思います。ただ単に自分の気持ちを言わないだけなのですけど、作間さんご自身にもそういった部分を感じました。現役のアイドルでもあるし私もアイドルをしていたから分かりますが、アイドルって俳優業とは違って、自己開示をしながらどれだけ自分の人間性を好きになってもらうかというところが本質だと思います。その点、作間さんはそこまで自分を見せびらかすことなく、自分をすごい人間だと人に思わせようとしない方という印象で、今まで私がご一緒した中ではあまり出会ったことのない方だと思いました。そういうところもすごく山田の役にハマっていました。

 

──山田のような男子を山下さん自身はどう思いますか?

 

山下 漫画を読んだときは、正直こんなキャラクターが現実にいたら大変だろうなと思いました(笑)。ちょっと色気もあって、でも好きになっちゃいけないというようなオーラも出ていて。ラブコメでよくあるのは、周りにキャーキャー騒がれる人気者の男の子にヒロインも好きになるという展開だと思うのですが。山田に関しては“この人に惚れちゃいけない”という思わせるところがあって、そこが面白いなと思いました。

 

──安川監督とも今回初めてご一緒されたと思いますが、どうでしたか?

 

山下 撮影前から役についていろいろお話しさせていただいたのですが、細かいニュアンスを伝えてくださる方でした。ご本人はちょっと天然チックで愛されキャラのようなところもあるのですが(笑)。どのシーンもこだわりを持って撮影されていましたし、そこに登場人物の心理描写を丁寧に重ねるということをずっと続けていらっしゃって。山田に後光がさしたり、風が吹いたりする演出もすごくて……あの演出は茜にも欲しかったです(笑)。

見た目はコンパクトなのに高性能で、お気に入りです

 

──GetNaviにちなみ、モノについてお聞かせください。そんな茜の部屋のセットで気になるモノはありましたか?

 

山下 いろいろな家具や小物があって、一人暮らしの大学生の女の子が真似したくなるような部屋だなと思いました。実は茜には群馬県出身という設定があって、よく見ると、ぐんまちゃんのキャラクターグッズがあって。夜になるとネオンの照明がキラキラするのもかわいかったです。美術スタッフさんのこだわりが詰まったセットだと思いました。

 

──山下さん自身の部屋のこだわりはありますか?

 

山下 私は部屋に物をあまり置かないし、色みも白とグレーみたいな感じなので茜とは真逆です(笑)。こだわりで言うと、昨年ベッドをちょっと広めのサイズのものに買い換えました……寝返りをうっても絶対に落ちないぐらいの(笑)。枕元にダウンライトがついていて、そこにキャンドルなどの癒やしグッズを置いています。あとベッドが大きくなった分、テレビが置けなくなってしまって、代わりにプロジェクターを買いました。夜は壁に映画などを流しながら寝ています。プロジェクターって何となく映像が見にくいイメージがあったのですが、とても見やすくてびっくりしました。見た目はコンパクトなのに高性能で、お気に入りです。

 

 

山田くんとLv999の恋をする

3月28日(金)より全国公開中

 

【映画「山田くんとLv999の恋をする」からシーン写真】

(STAFF&CAST)
監督:安川有果
原作:ましろ「山田くんとLv999の恋をする」(コミスマ「GANMA!」連載)
脚本:川原杏奈
主題歌:マカロニえんぴつ「NOW LOADING」(TOY’S FACTORY)

出演:作間龍斗、山下美月、NOA、月島琉衣、鈴木もぐら(空気階段)、甲田まひる、茅島みずき、前田旺志郎ほか

(STORY)
彼氏に振られて気落ちしていた大学生・茜(山下美月)は、超塩対応の高校生プロゲーマー・山田(作間龍斗)とオンラインゲーム上で出会う。無愛想で冷たい人間という印象の山田だが、ふとしたときに無自覚な優しさを垣間見せ、そのギャップに茜は少しずつ惹かれるように。恋愛に興味ゼロなのにも関わらずとにかくモテまくる山田を相手に、茜は難攻不落とも思える“史上最高レベルの恋”に挑んでいく。

公式サイト: http://yamada999-movie.com/

(C)ましろ/COMISMA INC. (C)2025『山田くんとLv999の恋をする』製作委員会

 

 

撮影/中村 功 取材・文/橋本吾郎 ヘアメイク/George スタイリスト/YAMAMOTO TAKASHI(style³)