「Nintendo Switch」発売から8年、待望の後継機種「Nintendo Switch 2(以下、Switch 2)」が登場です。発売は6月5日ですが、一足先に実機に触れることができました。任天堂が4月3日に国立代々木競技場 第一体育館で開催した、メディア関係者向け体験会「Nintendo Switch 2 Premiere」での新機能・新作ゲームの試遊レポートをお届けします。
任天堂
Nintendo Switch 2
メーカー希望小売価格(税込):4万9980円(日本語・国内専用)
5万3980円(日本語・国内専用 マリオカート ワールド セット)*年内限定生産
6万9980円(多言語対応 マイニンテンドーストアでのみ購入可能)
対戦相手が多すぎ……!マリカーって12人でのレースじゃなかった?
今回展示されたタイトルは20本以上。そのため会場内はいくつもの試遊ブースがありましたが、最も目を引いたのはSwitch 2 ソフト「マリオカート ワールド」のブースでした。いわゆる「マリカー」シリーズとしては実に約11年ぶりとなる新作で、Switch 2 と同日発売します。
……たまにどこかから雄叫びのような声が響いてくるのですが、マリカーで白熱しすぎた人が出している悲鳴、ではない模様。この声は一体?

コントローラーである「Joy-Con 2」を「Joy-Con 2 充電グリップ」に取り付けた、グリップ型のコントローラーでプレイ。握った瞬間、「Joy-Con」よりも手なじみが良く、これは操作がしやすそうだと直感。「Nintendo Switch (以下、Switch)」よりもSwitch 2 のほうが、ひと回りほど大きくなった兼ね合いで、Joy-Con 2もサイズアップして大人の手によりフィットするようになったためでしょう。


肝心の「マリオカート ワールド」は、草原に街、海、火山など、すべてがつながった世界での、仁義なき24人対戦。レース画面に切り替わった瞬間、周囲にいる対戦相手の多さに思わず笑ってしまいました。
差がつきにくい序盤は特に大混戦で、順位変動が目まぐるしいだけに、そこから単独トップに躍り出る喜びは格別! しかも走行ルートの自由度も高いので、とっさの判断で相手を出し抜いたり、逆に出し抜かれたりと、駆け引き感があって楽しめます。
並みいるライバルを押しのけ、筆者は途中まで首位を独走していましたが、ゴール直前で出し抜かれて結果は二位。行く手を照らす夕日の美しさに目を奪われた――ということにしました。
実際、レース中の描画は始終なめらかで美しく、光や水の表現がとてもリアル。周りにライバルが複数いて、画面がゴチャついている時でも、画質に乱れはなかったように感じました。いかに処理速度やグラフィック性能がアップグレードしたか、よく伝わってきました。
続いて、Switch 2 本体を使って「マリオカート ワールド」を携帯モードでプレイ。

操作感は変わらず良好、映像もキレイです。携帯モード時の解像度は1920×1080ピクセルで、フルHDに対応しています。Switchとの差はそこまでないかと思いきや、臨場感がたっぷりで、より没入できました。Switchから厚みは変わらない(13.9mm)のに、液晶ディスプレイが1.7インチも大きくなった(7.9インチ)おかげのようです。


レースに白熱していてプレイ中は気づきませんでしたが、ゴールした後で両手にやや疲れを感じました。Switchよりも100gほど重さが増しているので、携帯モードで長時間遊ぶのは難しい人もいそうです。
ゲームが苦手な人も、マウス操作なら取っ付きやすい?
今回新たに追加された「マウス機能」を体験できるブースもありました。Joy-Con 2をSwitch 2 から取り外し、光学センサーが搭載された側面を下に向けて、パソコンマウスのように滑らせます。R/ZR・L/ZLボタンでクリック操作も可能。左右どちらのJoy-Con 2も問題なく使えて、利き手を選ばないのがうれしいポイントです。


Switch用ソフト「スーパー マリオパーティ ジャンボリー Nintendo Switch 2 Edition + ジャンボリーTV」を通じて、マウス機能の面白さを実感できました。ブースでは4人向け、2対2で競う6つのミニゲーム「コウラホッケー」「キノピオレスキュー」「激突プルバックカー」「ぬいぐるみタワー」「クッパからのメール」「おめかしボムへい」が用意され、うち4つを試遊。いずれも、これまでにない操作が楽しめました。
例えば、「キノピオレスキュー」は「クリック」と「ドラッグ」でクリアを目指します。スタート地点にいるキノピオをクリックでつまみ、触れると電流が走る壁面にぶつからないよう、ドラッグでゴールまで運ぶゲーム。

「ぬいぐるみタワー」もクリックとドラッグができればOKです。カラフルなブロックや、ヨッシー、ミドリこうらのぬいぐるみなどをクリックでつまみ、Joy-Con 2をひねって角度をつけたり、置き場所を調整したりしながら、制限時間いっぱいまでに少しでも高く積み上げていきます。どこに何を、どう置くべきか、ペアを組む人との連携力が問われますね。

ミニゲームごとに最低限のルールを把握する必要はありますが、操作自体はどれも直感的に理解でき、あまり考えることなく手指を動かせるのでストレスフリーでした。「普段はゲームをせず難しい操作は苦手なものの、家族や友人と集まった時にはパーティーゲームで遊ぶかも……」なんて人にとっては、ゲームへのハードルが一気に下がるのでは! もちろん「マウスを使用するPCゲーム」においても有用なので、今後Switch 2 で遊べるPCゲームのラインナップがますます充実しそうです。
遂に「雄叫び」の出所が判明!
マウス機能と並んで注目したいのが、「カメラ体験」ブース。ここではSwitch 2 内蔵のマイクに加え、別売りのカメラも使い、まさに自分がゲームの中に入ったかのようなユニークな体験ができました。

まずはプレイヤーの登録からスタート。正面の壁掛けモニターの下に置かれたSwitch 2 とカメラの前に、Joy-Con 2を持ったプレイヤーが4人が横並びで立って、撮影するだけです。カメラと、筆者たちプレイヤーの間は2~3m程度。モニターに映った自分の姿を見ながら、示された枠の中に顔や体が入るよう位置を微調整します。
登録が終わると、画面が切り替わって「クッパオンステージ」というゲームが始まりました。7月24日発売予定の「スーパー マリオパーティ ジャンボリー Nintendo Switch 2 Edition + ジャンボリーTV」で遊べるコンテンツです。
マリオシリーズではおなじみ「土管」から出てきてみるとそこは……大観衆が熱狂するステージ! プレイヤーは赤と青それぞれのチームに2人ずつ割り振られ、3つの種目で体を張ってクッパと会場を盛り上げねばなりません。実際にジャンプして「ハテナブロック」を叩き、獲得したコインの数を競ったり、降ってくる「ちびクリボー」をバランスよく頭上に積み上げて高さを競ったり、さらには身振りと声量の大きさをアピールしたりと、まさに全身運動です。……会場に入った時から聞こえた雄叫びの正体はこれでした!

そのほか、Switch 2 用の完全新規タイトルで、本体にまつわる機能や仕掛けが遊びながら学べる「Nintendo Switch2 のひみつ展」(ダウンロード専用ソフト)や、7月17日発売の「ドンキーコング バナンザ」といった任天堂作品の目玉に加え、海外タイトルやPS5からの移植作の試遊もできました。あらゆるゲーマーのニーズに応える、強力な布陣です。

Switchで育んだ絆は、そのままSwitch 2 へ
いくつかのブースを回り、Switch 2 から特に感じたのは「人やソフトとのつながり」への配慮でした。
紹介した「マウス機能」、「カメラ機能」だけでなく、フレンドからのボイスチャットに簡単に応じられる「Cボタン」、Switchのソフトも遊べる「後方互換性」、ゲームソフトをおすそわけできる「おすそわけ通信」。これらの新しい機能が、これまで一緒に楽しんできたプレイヤーとの絆、遊んできたSwitchソフトとの思い出を切り捨てさせることなく、Switch 2 を通じてますます大事にさせてくれるようです。

なお「おすそわけ通信」とは、一人がSwitch 2 と、「おすそわけ通信」に対応したソフトを持ってさえいれば、他の人は自分のSwitch 2 あるいはSwitchを持ち寄ることで、そのソフトをおすそわけしてもらって一緒に遊べる機能。公式サイトにはサラッと書いてありますが、「ソフトを持っていないせいで、ゲームの輪に入れなかった」なんて苦い経験を持つ人にとっては、夢みたいな話では?
Switchから、あらゆる面で正当に進化を重ねたといえそうなSwitch 2。日本においては、日本語・国内専用と多言語対応の2種類が発売され、価格が異なるので注意が必要です。4月16日午前11時まで「マイニンテンドーストア」で予約販売を受け付けていますが、応募にはいくつかの条件を全て満たしている必要があります。詳細は応募ページにて。
4月24日以降には、全国のゲーム取扱店やオンラインショップで順次予約、または抽選の受付を開始する予定だとしています。
(c) Nintendo
Nintendo Switchは任天堂の商標です。